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「久保木修己著『愛天愛国愛人』を読み解く」の出版に際して

○つれづれ日誌(8月11日)-「久保木修己著『愛天愛国愛人』を読み解く」の出版に際して


こうして彼らはそのつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし、国は国にむかって、つるぎをあげず、彼らはもはや戦いのことを学ばない。(イザヤ2.4)


さて、この8月10日、筆者が上梓した著書『久保木修己著「愛天愛国愛人」を読み解く』(以下、著書)が出版されました。この本は、文字通り、久保木(元)会長(以下、会長)の自叙伝とも言うべき『愛天愛国愛人』(世界日報社)を解説するというスタイルをとっています。


その基本的なテーマは、「神に召命された人物」が、いかにその召しに答え、いかに神の証人になっていったたかというもので、その軌跡を描いた書であります。


この久保木修己著『愛天愛国愛人』は、自らの実存的な内心の罪と戦いながらも、混乱する日本の政局に示唆を与え、共産主義崩壊後の世界平和の在り方に方向を示す自叙伝であります。そのあとがきで「自分の半生と日本の政治・世界の平和は、一つの線でむすばれていた」と語られました。国連広場に刻まれている「イザヤ書2.4」の絶対平和の思想は、当に久保木会長が生涯追及された理想でした。



筆者は著書のあとがきで、「とかく世の自叙伝が、自画自賛に終止し、不快感を感じることが多々ある中にあって、この『愛天愛国愛人』は、読んで爽やかさを感じさせる希少なものであります」と記し、「それは、この自叙伝が、あくまで神とその恩寵を証すものであって、自分を証しするものではないとの精神に貫かれているからであります」と述べました。


ここで筆者は、上記に述べた精神が如実に示されている古典的な代表的自叙伝を紹介したいと思います。


【優れた三冊の自叙伝】


筆者は、これまで読んだ自叙伝の中で、次の三つの自叙伝を高く評価し、親しんで来ました。即ち、アウグスチヌス著『告白』、内村鑑三著『余はいかにしてキリスト信徒となりしか』、そして、高砂教会牧師である手束正昭著『恩寵燦々と』であります。


アウグスチヌスにとっての「告白」とは、当に罪の告白に他ならず、自らの栄光の告白では決してありませんでした。彼は冒頭で「私は過去の汚れと、魂の肉的な腐敗とを思い起こしたいと思います」と述べているとおりです。


アウグスチヌスは『告白』(中央文庫)の中で、「私はかって青年時代、下劣な情欲を満たそうと燃え上がり、さまざまなうすぐらい情事のうちに、みずからをすさんでゆきました」(第二巻第一章P69)と述べ、また事実上の妻であった女性との15年に及ふ同棲生活を回想して「私は肉欲に支配され荒れ狂いまったくその欲望のままになっていました」と告白しました。


パウロがロマ書7.22~23で、「内なる神の律法と肉体に巣くう別の律法」との葛藤を告白したように、アウグスチヌスは霊と肉の激しい戦いの坩堝に晒されていたのです。(第八巻第六章)


更に彼は、著書「告白」第10巻の中で、人生の巡り合わせで自分は司教となったが、決して完璧な聖人になったのではなく、「目の欲、肉の欲、世俗的野心を身に帯びた一人の小さな人間」であることをさらけ出しています。又、「夜の眠りの中で夢に現れた性的イメージに、はからずも身体が反応し、その『しるし』に目覚めてから気づく」といったことさえも書き留めました。


しかしそうしたアウグスチヌスにも、ようやく回心と平安の時がやって来ました。「取れ、読め、取れ、読め」(第八巻第十二章) の子供らの声に導かれて、取り上げて読んだ聖書箇所こそ、有名な次の回心聖句です。


「そして、宴楽と泥酔、淫乱と好色、争いとねたみを捨てよ、あなたがたは、主イエス・キリストを着なさい」(ロマ書13.13~14)


アウグスチヌスは「神に向かって」自らの罪の深さを告白し、ひたすら神の恩寵にすがって救われました。「私が語ろうとしているのは、あなた(神)に向かってであって、人間に向かってではありません」(第一巻第六章)とある通りです。


アウグスチヌスの内心を見つめる深さにおいて、赤裸々に自らの罪状を認める正直さにおいて、自らの一切を神に委ねる信仰において、そして知識と教養の広さにおいて、当にこの書は自叙伝の最高峰にあると言っても過言ではありません。


また、内村鑑三の『余はいかにしてキリスト信徒となりしか』(岩波文庫)は、その冒頭で、「私は自分自身を注意深い観察の材料にしました」(p15)と述べ、また、「私の、その向上と進歩、堕落と後退、歓喜と希望、罪業と悪事とを書き留めました。それは、このみすぼらしい小舟が、罪と涙と多くの苦悩とを通り抜けて、天上の港に向かう日々の進み具合を記した航海日誌であります」と、その著作の在り方を語っています。


やはり、この書は、アウグスチヌスの告白と並ぶ優れた自伝的書籍と言えるでしょう。そこには、深い知識と豊かな霊の働きが感じられ、日本におけるキリスト教思想の頂点に立つ内村の姿を見るようでした。


更に、手束正昭著書『恩寵燦々と』には、試練や挫折の中にも、背後で自らを摂理され、計画される神の恩寵があるという思想が一貫して流れています。手束氏は、「これらの背後にある神の導き、神の恵みをこの書を通して伝えたい」と語りました。つまり、証すべきは神の恩寵であり、自分であってはならないとの信念であります。


多くの試練や苦難は、振り返れば全て、より高い次元に自らを引き上げる神の恩寵だったというのです。「試練というものはない。あるのは試練をまとった恩寵である」と語りました。


アウグスチヌスは罪の深さと回心を、内村鑑三は率直な信仰の航海を、手束正昭は神の恩寵を、それぞれの仕方で語りました。そしてこの三人に共通するものは、良きも悪しきも、恵みも試練も、どこまでも正直に、率直に語っていることであります。そして、何よりも「神への語りかけ」であり、目に見えない神の導きと、神の恩寵に全てが帰されているということであります。


【著作の動機と経緯について】


さてこの度、何故この久保木本を書くに至ったのか、その動機と経緯について、以下三点を述べておきたいと思います。


先ず第一に、筆者が出エジプト記を研究していた時のことでした。モーセの生い立ちから始まって、宮中で帝王学を学んだこと、ミデアンでの生活と神の召し、イスラエルの解放者としての歩みなど、モーセの路程は久保木会長と瓜二つではないかと、改めて実感したことであります。


第二は、「あなたは、内村鑑三や渋沢栄一のことを書いているのに、肝心の久保木会長について何故書いてくれないのですか」という食口からのリクエストがあり、また、船橋信徒有志から「伝道に用いたい」とのたっての要請がありました。


上記のような流れの中で動機が形成されていき、最後にダメ押ししたのは、佐藤優著『池田大作研究』(毎日新聞社)という588ページの本が出たことでした。これが三番目の理由であります。


世に宗教教団の教祖や指導者の伝記的な本はあまた出ているというのに、UCの初代会長として28年間に渡って教団を率いて来られた久保木会長について、誰も書いていないという淋しさと不満でした。久保木会長自身の自伝(愛天愛国愛人)や講演録(美しい国日本の使命)は出ていたものの、第三者が客観的に論評した本がなかったのです。ならば筆者がその先鞭をつけようと思った次第です。


以上が今回、久保木本を出すごとになった動機と経緯であります。


【本の概略】


この本を上梓するに当たって、久保木会長を、ただ総花的に羅列して書くのではなく、ポイントを絞って論評いたしました。即ち、久保木会長が持たれる「求道者・信仰者の顔」、「宗教家の顔」、「愛国者の顔」というの三つ側面から論じました。これによって、久保木会長について、より分かりやすく理解できるのではないかと思ったからであります。


また、更にこれを補強するために、久保木会長の見果てぬ夢だった「超宗派・超宗教」運動の一つの成果として、「世界聖職者指導者協議会(WCLC)創立1周年記念大会」と、「ミリンゴ大司教が参加された国際合同祝福結婚式」について、その骨子と本質をまとめました。


そして、会長が最も尊敬され帰依された「文鮮明先生の日本留学時代」について、最終章に論評いたしました。


冒頭にも述べましたように、この本の主題は、神の摂理の頂点とも言うべき時にあって、「神に召命された宗教家」の信仰の軌跡であります。かってモーセが召され、サムエルが召され、エレミヤが召されたように、「召された者」の宿命の物語です。


生来の宗教的天稟を持たれた久保木会長は、神に召し出され、秀でた伝道力と渉外力の賜物を発揮され、UCの基礎を築かれました。


こうして、神の霊と聖霊の注ぎの中で、食口必読の書というべき久保木本を上梓できますことを、愛にして全知全能なる「父母なる神」に感謝し、慎んで、この書を捧げるものであります。


また筆者は、こういった久保木本は、本来、最も身近で支えて来られた小山田秀生先生こそ書くに相応しい方であるのに、差し出がましくも筆者が出すことについて、配偶者の小山田儀子さんを通して、その事情を説明し了解を求めました。


なお、この本のお求めは、船橋信徒グループのパンフレットに記載されアナウンスされていますが、下記筆者宛に注文されてもいいかと思います。(税込一冊770円、10冊以上は660円)


〒226-0025横浜市緑区十日市場町1258番地

十日市場ヒルタウン1-3-507

携帯090-3504-6430

メール→h-yoshida@coda.ocn.ne.jp


以上、今回は「久保木修己著『愛天愛国愛人』を読み解く」の出版について紹介させて頂きました。(了)