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ゼカリヤ書 注解

🔷聖書の知識113-ゼカリヤ書注解


万軍の主は仰せられる、わたしに帰れ、そうすれば、わたしもあなたがたに帰ろうと(1.3)


【概観】


『ゼカリヤ書』はユダヤ教では「後の預言者」、キリスト教では預言書(12小預言書)に分類され、14章からなり、小預言書の内では、比較的大部にわたります。


ゼカリヤがイスラエルで活動を開始したのは、ハガイと同じダリヨスの第二年の第八の月(前520年)で、ハガイの活動期間は3ヶ月でしたが、ゼカリヤの活動期間は、前470年まで、約50年間でした。ゼカリアとは「ヤハウェは憶えたもう」という意味です。


バビロン捕囚の約70年間、捕囚の地では、ダニエルとエゼキエルが活躍しましたが、イスラエルの地ではハガイとゼカリヤが出るまで預言者の活動はありませんでした。


ゼカリヤ書は、捕囚期後預言書のひとつであり、メシア預言が散見され、新約聖書には、本書への引用が41回あり、旧約聖書の中で最もキリスト論的な書であるとわれています。


またゼカリヤ書のキーワードは、「万軍の主」で、52回も出てきます。なお捕囚後の預言者は、ハガイ、ゼカリヤ、マラキの3人です。


【内容について】


この時代のイスラエルの民の霊的状態ですが、彼らは、バビロン捕囚の試練と教訓から、偶像礼拝からは離れていましたが、それでも、生活苦もあり民の霊的状態は非常に貧しいものでした。


そういう霊的背景の中で、ゼカリヤは民を励ますメッセージを語りました。


<アウトライン>

1章から6章には、8つの幻の話が出てきます。 7章から8章では幕あいともいう章で、断食に関する質問があります。 9章から14章では、2つの託宣がなされ、諸国民への裁きとメシアの来臨(9~11章)、神の民の回復(12~14章)が預言されます。


<八つの幻>

先ず悔い改めを促す呼びかけがあり、神に還れとの呼び掛けがあり、その後、イスラエルの再建が黙示文学の形式で預言されます。(1.1~6.15)


ゼカリヤは、一晩で見た8つの幻を見ます。即ち、赤い馬に乗った者、4本の角、測り縄を持った若者、大祭司ヨシュアの礼服、七つの金の燭台、飛んで行く巻き物、邪悪という名の女、新芽という名の者、の8つの幻です。


七つの金の燭台と二本のオリーブの木(右は木版画)


これは、神殿建設を躊躇している民を励ますための幻であり、万軍の主の家である神殿の再建にこそイスラエルの民の平和と繁栄の種があると説いて,事業の再開を促しました。


8つの幻で象徴される意味は、a.エルサレムは解放され、清められ、神殿が再建されること、b.エルサレムは、平和と繁栄を回復する町となることであり、6章の最後で、大祭司ヨシュアの頭に王冠をかぶらせ祝福しました。


<断食に関する質問>( 7 ~ 8 章)

ベテルの住民たちがエルサレムに上って来て、エルサレムの崩壊を記念する断食を、今後とも継続すべきかどうかを質問しました。(第5の月の断食)


つまり、エルサレムが再建されるなら、なぜ断食を続ける必要があるのかとの質問です。


ゼカリヤは次のように回答しました。


断食は、心から出て来るものでなければならない、再建されたエルサレムでは、断食(fast)は宴会(feast)に変えられる、と。


「万軍の主は、こう仰せられる、断食とは、ユダの家の喜び楽しみの時となり、よき祝の時となる」(8.19)


<メシヤ預言、エルサレムの回復>

次に、諸国民に対する裁き,メシアに関する預言(9~11章)、そして神の民の回復が(12~14)、預言されます。


「シオンの娘よ、大いに喜べ、エルサレムの娘よ、呼ばわれ。見よ、あなたの王はあなたの所に来る。彼は義なる者であって勝利を得、柔和であって、ろばに乗る」(9.9)


この聖句は、マタイ伝で引用され、イエスのエルサレム入場で成就したと言われています。(マタイ21.1〜11)


そしてエルサレムの救いと浄化、回復が告げられます。


「その日には、わたしはエルサレムに攻めて来る国民を、ことごとく滅ぼそうと努める。わたしはダビデの家およびエルサレムの住民に、恵みと祈の霊とを注ぐ」(12.9~10)


エルサレムが攻撃を受けるが,主なる神は侵略者たちと戦われ、王である主なる神が立たれると預言されます。


「見よ、主の日が来る。その日には彼(主)の足が、東の方エルサレムの前にあるオリブ山の上に立つ」(14.4)


「主は全地の王となられる。その日には、主ひとり、その名一つのみとなる」(14.9)


以上、ゼカリヤ書を解説しました。ゼカリヤもまた、多くの預言者がそうであったように、先ず悔い改めて神に還ることを迫り、神の裁きを予告し、そしてイスラエルの回復の希望を語って民を励ましました。即ち、悔い改め、審判、回復です。


次回は旧約聖書最後の預言書であるマラキ書の解説をいたします。(了)