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ハマス・イスラエル戦争「休戦案」に思う イスラエルの真の救いとは

◯徒然日誌(令和6年6月5日)  ハマス・イスラエル戦争「休戦案」に思うーイスラエルの真の救いとは 

 

しかしイスラエルの人々が苦しめられるにしたがって、いよいよふえひろがるので、彼らはイスラエルの人々のゆえに恐れをなした。(出エジプト1.12)

 

イスラムテロ組織ハマスは、2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行い、1200名の無辜(むこ)の市民を無差別殺戮し、250名の人質を取るという前代未聞のテロを行った。イスラエルがアラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなどアラブ諸国と国交正常化を推し進めていることに焦りを感じての暴挙である。(なお、エジプト、ヨルダン、UAE、バーレーン、スーダン、モロッコが和平条約を締結している)。 

 

イスラエルは、自らの生存をかけてハマス殲滅を決断し、ハマスの拠点があるパレスチナガザ地区に爆撃を行い、ガザの一般市民に多くの犠牲者が出ている。ハマスのテロから8ヵ月になるが、未だに解決が見えず、米大統領バイデンは、5月31日の緊急演説で、双方のために戦闘を休止し、人質解放を進める必要があると3部構成の「休戦案」を提案した。一日も早く停戦が実現することを祈りたい。 

 

それにしてもイスラエルは、またしても過酷な運命の中に身を晒されている。数千年続く受難の道は果てしなく、イスラエルの恒久平和はいつやってくるのだろうか。筆者は20年前、ナチスのユダヤ人強制収容所であるポーランドのアウシュヴィッツを訪問し、悲惨なユダヤ人の生地獄の有り様をまざまざと目撃した。そして、「ここまで虐待されるユダヤ人とは、一体何だろううか」という問題意識を抱くと共に、啓典の民ユダヤ人が書いた旧約聖書に強い関心を持った。 

 

ちなみにアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所は、ナチス・ドイツが国家を挙げて推進した人種差別による絶滅政策(ホロコースト)、及び死に至る強制労働により、100万人以上の犠牲者を出した強制収容所である。ポーランド南部オシフィエンチム市郊外に作られ、収容者の90%がユダヤ人(アシュケナジム)であった。ヒトラーのアーリア人至上主義に基づき、ユダヤ人など「劣等民族」を処分する「絶滅収容所」としての機能も併せ持つものであった。 

 

【イスラエルを支持すべき理由】 

 

このハマス・イスラエル戦争に関して、この紛争に無関係なガザ住民の犠牲者が増えるにつれ、「ハマスも悪いが、イスラエルは更に悪い」という世論が形成され、「反ユダヤ主義」が台頭している。アメリカでも有名大学で反イスラエルデモが起こり、日本のマスコミや中東研究者は色濃くハマスを擁護する。長年パレスチナに住みついていたパレスチナ人を、イスラエルは建国によって無慈悲に追い出したというのである。 しかし、ここで留意すべきは、悪いのはハマスによる前代未聞のテロであって、パレスチナ市民ではないという点である。ハマスとパレスチナ市民は分けて考えなければならない。

 

ではこのような風潮の中にあって、私たちは、「何故イスラエルを支持」すべきなのだろうか。ハーベスト・タイム・ミニストリーズを主宰されている中川健一牧師は、聖書的視点から3点を指摘されているが、以下、これを検証する。ちなみに中川牧師は、a.日本のリバイバル、b.ユダヤ人の救い、c.メシアの再臨、を「三大祷告」として歩んでおられる。 

 

<イスラエルは神の選びの民・約束の地>

 

何故、イスラエルを支持すべきか、中川牧師によれば、その第一は、イスラエルは「神の選びの民」であり、パレスチナは「約束の地」であるということである。神はイスラエルを通して人類を救おうとされ、そのためにイスラエルを選民として召された。即ち、イスラエルを全人類を救うための「神の器」として選ばれたというのである。これがアブラハム契約であり、神との無条件契約である。 

 

「時に主はアブラムに言われた、あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたをのろう者をわたしはのろう。地のすべてのやからは、あなたによって祝福される」(創世記12.1~3)


アブラハムのウルからカナンへの旅、アブラハムと3人の天使、神のアブラハムへの祝福


神は人類の善悪を分別し、イスラエルを神が相対することができる善を表象する民(アベル民族)として立て、メシアを向かえる民族として育成されたのである。創世記15章18節~21節には、特に神がアブラハムとその子孫に約束された土地の範囲 についての契約がある。 

 

「その日、主はアブラムと契約を結んで言われた、『わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラテまで。すなわちケニびと、ケニジびと、カドモニびと、ヘテびと、ペリジびと、レパイムびと、アモリびと、カナンびと、ギルガシびと、エブスびとの地を与える』」 

 

乳と密が流れるカナンの地、即ちパレスチナは、もともと約束の地として、神がイスラエルに与えた地だったのである。それはイスラエルのためだけでなく、イスラエルを「祝福の基」として人類を救おうとされた神のご計画であった。 ちなみにアブラハム契約には三つの主な内容がある。①土地の約束(創世記12.1、13.14~17、15.18)、②子孫の約束(創世記12.2、17.6)、③祝福の約束(創世記12.3)がそれである。更に神は、アブラハムの子孫ダビデから大いなる国民、即ち国や王が出ると約束された。 メシア預言である。 

 

「あなたが日が満ちて、先祖たちと共に眠る時、わたしはあなたの身から出る子を、あなたのあとに立てて、その王国を堅くするであろう。彼はわたしの名のために家を建てる。わたしは長くその国の位を堅くしよう」(2サムエル7.12~13)

 

こうして全人類の救いのための神の器として召されたイスラエルは、約束されたパレスチナの地に安住する権利と義務があるというのである。しかしこれは、イスラエルによって「住み着いていた土地を追い出された」と主張するアラブ人にとっては、身勝手な妄想ということになる。ここに両者和解のための天的な知恵と現実的方策が必要な所以であり、その方策がバイデンの休戦案であり、かってのアブラハム合意である。ちなみにアブラハム合意とはアラブ首長国連邦(UAE)とイスラエル国間における平和条約及び国交正常化で2020年8月13日に締結された外交合意である。


<イスラエルの人類史的貢献> 

 

イスラエルを支持する第二の理由は、イスラエルがかけがえのない人類史的貢献をしたという事実があると中川牧師は言われる。 

 

先ず「聖書」という神の言葉を残したことは、イスラエルの特別な貢献である。人類史において、比類のない影響と実績を持つ聖書は、まさしくユダヤ人によって書かれた最大の古典である。およそ聖書なき人類歴史は考えられず、この意味で世界はイスラエルに負っているのである。 

 

次に、イスラエルは「イエス」というキリストを生み出した民族である。イエスは人類のメシアとして福音と救いをもたらし、キリスト教を生んだのであり、イエスなき世界、キリスト教なき歴史は考えられない。ペテロもヨハネもパウロも、人類歴史の精神史を飾る聖書の聖人は須くユダヤ人である。 

 

そして現代において、イスラエルは世界総人口の0.2%(約1500万人)でしかないというのに、ノーベル賞授賞者の20%がユダヤ人だという。イスラエルは、科学や文明の発展のために、まさに世界的な貢献をしてきたのである。 

 

こうして、世界はイスラエルに、多くを負っているのであり、その意味でイスラエルを支持することは世界の義務であるという。 

 

<救いはユダヤ人から> 

 

イスラエルを支持する第三の理由は聖書の解釈から導かれる。黙示録22章20節に「しかり、わたしはすぐに来る」とある通り、イエス・キリストの再臨は、キリスト教徒は言うまでもなく、人類の最大の希望である。では、再臨が来られるための前提条件とは何であろうか。 

 

中川牧師を始め、伝統的なキリスト教では、イスラエル民族が悔い改めてイエスをメシヤとして受け入れ、罪を赦されて復興されること(ローマ11.25~26)、即ち、イスラエルの民族的、国家的な回心こそ再臨の前提条件になるという。 

 

「兄弟たちよ。あなたがたが知者だと自負することのないために、この奥義を知らないでいてもらいたくない。一部のイスラエル人がかたくなになったのは、異邦人が全部救われるに至る時までのことであって、こうして、イスラエル人は、すべて救われるであろう」(ロマ書11.25~26)

 

つまり、イスラエルがイエスにつまずいたのは、 彼らの不信によって、かえって 救いが異邦人に及ぶためであり、 それは、 イスラエルにねたみを起こさせ奮起させるためだという(ローマ11.11)。従って、再臨の条件は、イスラエルが国家的にイエスをメシアとして受け入れることであるというのである。今は、神の救済史が最終段階を迎えた時代であり、ユダヤ人の民族的回心こそ再臨の鍵である。まさに救いはユダヤ人から来るというのである。 

 

但し、一方ではもはやイスラエルは選民としての使命が終わり、新しいイスラエルとしてキリスト教会が立てられたという考え方( 置換神学)がある。従って、かって神が約束されたアブラハム契約はすでに破棄されたというのである。即ち、古い契約(アブラハム契約)の中にあるイスラエルが第一選民であるとすれば、この古い契約が更新されて新しい契約の中にあるキリスト教会が第二選民だというのであり、筆者もこの解釈を支持する。ガラテヤ書には次の通りある。 

 

「このようにして律法は、信仰によって義とされるために、わたしたちをキリストに連れて行く養育掛となったのである。しかし、いったん信仰が現れた以上、わたしたちは、もはや養育掛のもとにはいない」(ガラテヤ3.24~25)

 

以上、ハマス・イスラエル戦争に関して、イスラエルを支持すべき理由を挙げたが、ここで最も留意するべきことは、今回断罪されるべきはハマスのテロであってパレスチナ市民ではないということであり、イスラエルもパレスチナ市民も共にハマスの犠牲者である。そして良くも悪くも、イスラエルほど世界と人類に大きな影響を与えてきた国はなく、その動向には最大限の関心を持つべきだということである。 

 

【ユダヤ人伝道の意義ーイスラエルの真の救い】 

 

UC創始者は、1976年9月18日、ワシントンモニュメントの前に集まった30万に及ぶ聴衆に向かってこう語られた。 

 

「旧約聖書を中心としたユダヤ教は、神の最初のみ業でした。それは長男の立場です。新約聖書を中心としたキリスト教は、次男の立場です。そして神の新しい啓示、成約のみ言を実現すべき統一教会は、三男の立場です。これら三つの宗教は、神の摂理からみれば三人の兄弟なのです」 

 

このように、ユダヤ教はUCと兄弟宗教であり、またキリスト教と並んで洗礼ヨハネ的宗教と言える。イスラエル民族は幾多の試練と艱難を通過したが、「イスラエルの人々が苦しめられるにしたがって、いよいよふえひろがるので、彼らはイスラエルの人々のゆえに恐れをなした」(出エジプト1.12)とある通り、試練や艱難をむしろ成長の糧として逞しく生き延びてきたのであり、この点は私たちも見倣いたいものである。 

 

<ユダヤ教の現況> 

 

2016年時点のイスラエルの宗教分布は(イスラエルの人口は950万人)、イスラエル中央統計局によると、74.7%がユダヤ教、17.7%がイスラム教、2.0%がキリスト教、1.6%がドゥルーズ派(イスラム系)だった。 ユダヤ教の信仰のあり方についても超正統派、正統派、保守派、改革派と多様であり、戒律を厳しく守ろうとするユダヤ教徒、ある程度個人の自由に任せる多数派のユダヤ人、全く守ろうとしないユダヤ人と色々ある。 

 

イスラエルは、キリスト教から「イエス殺し」とのレッテルを貼られ、特に十字軍時代には過酷な迫害を受けてきたトラウマから、「十字架」に対する激しい忌避感・嫌悪感を持っているという。イスラエルの国際赤十字のマークには、十字の代わりに六芒星(ダビデの星)を付けているほどである。 

 

一方、UCはユダヤ教を含む超宗教運動に力を入れており、2003年12月22日と23日の両日、世界平和超宗教超国家連合(IIFWP)主催で、ユダヤ教、キリスト教、イスラーム教、ヒンズー教、仏教、儒教など約3000人の聖職者と信徒が、「超宗教平和行進」をエルサレムで行った。行事の最後には、約2万人が集まったエルサレムの独立公園で、「イエス様平和の王戴冠式」を奉呈し、イエス様の恨を解いたのである。 

 

<ユダヤ人伝道へのアフェクション> 

 

今、キリスト教一派では、ユダヤ人・ユダヤ教徒伝道に力を入れている。中川健一牧師もその一人で、具体的にはイスラエルの聖書大学やアメリカの宣教ミッション団体などとの連携を行っている。いわゆる「メシアニックジュー」と呼ばれるユダヤ人クリスチャンは、世界全体で約35万人いると言われ、1948年のイスラエル建国当時にはカミングアウトしている国内のメシアニックジューは5家庭くらいだったが、今や3万人になっているという。 

 

前述したように、一部キリスト教徒には、イスラエルを通して救いが全世界に及ぶという聖書信仰があり、イスラエルの民族的回心が再臨の前提条件であると信じるキリスト教徒は、特にユダヤ人伝道に力を入れている。 

 

今イスラエルでは、ハマスのテロ以来、国家的に団結しようという潮流が生まれており、今まで徴兵を拒否していた超正統派ユダヤ人が兵役に参加したり、「主よ、わたしは深い淵からあなたに呼ばわる。主よ、どうか、わが声を聞き、あなたの耳をわが願いの声に傾けてください」から始まる詩篇130篇を皆で朗読している。 

 

また、次の2歴代志7章14節を中心聖句として、「国家祈祷日」の創設をメシアニックジューのジョエル・ローゼンバーグが提唱し、保守派ラビが賛同している。 

 

「わたしの名をもってとなえられるわたしの民が、もしへりくだり、祈って、わたしの顔を求め、その悪い道を離れるならば、わたしは天から聞いて、その罪をゆるし、その地をいやす」(2歴代志7.14)

 

しかし、ユダヤ教徒とキリスト教会は激しく対立してきた歴史的経緯があり、一致するには未だ深い溝がある。イスラエルでは、現在もほとんどがイエス・キリスト受け入れない現実があり、その理由として、前述したホロコーストなど過去に経験した迫害によるキリスト教への悪印象や、福音を否定する正統派ラビの存在が挙げられる。ユダヤ人社会では正統派ラビが思想的な「門番」として立ちはだかっているため、2千年にわたって福音への扉が閉ざされてきたのである。イスラエルはイエスを認めず、旧約聖書が預言したメシアを未だに待ち続けている。しかし、いまやイスラエルの蕩減は清算され、来るべきメシアを迎える民族として再び立つべき時である。 

 

この点、UCなら歴史的なしがらみがなく、また、超宗教で「イエス様平和の王戴冠式」を行った実績もあり、ユダヤ教ラビに成約の福音を大胆に伝えられるのではないだろうか。旧約聖書が預言したメシアを未だに待ち続けているイスラエルが、真に救われる道とは、まさに再臨されたメシアと出会うことに他ならず、私たちはそれを仲介する義務がある。 

 

最後に、マーティン・ルーサー・キングの演説「I Have a Dream」にあやかって「夢」を語りたい。 

 

私には夢がある。それは、いつの日か、ハマスとイスラエルが、ロシアとウクライナが、そして全世界の国々が、そのつるぎを打ちかえて、すきとし、そのやりを打ちかえて、かまとし、国は国にむかって、つるぎをあげない日が来るという夢である。 

 

私には夢がある。それは、いつの日か、水が海をおおっているように、主を知る知識が地に満ち、罪の赦しを得させる悔い改めのリバイバルが、東から始まって全地に及ぶ日が来るという夢である。 

 

そして今日、私には夢がある。それは、いつの日か時がきて、バチカンとエルサレムが一つに集い、再び来られたキリストの前に跪き、共に礼拝する日が来るという夢である。神は世界と歴史の支配者として、「万事を益として下さる方」である。アーメン、アージュ!  (了)   家庭連合宣教師  吉田宏

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