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ある食口の手紙からのヒント

○つれづれ日誌(5月10日)ーある食口の手紙からのヒント

キリストのゆえに、わたしはすべてを失ったが、それは、わたしがキリストを得るためである(ピリピ3・8)

つい最近、ある長野に住む旧知の食口から40年ぶりの手紙をいただきました。その中には、「自叙伝平和の母に学びてー心貧しき者の告白」と題する15ページの手書きの文書が入っていました。「心貧しき者」とは、エペソ3・8の「聖徒たちのうちで最も小さい者であるわたしにこの恵みが与えられた」に由来しています。

彼は、早稲田の文学部を出て文学や聖書に関心があることもあり、最近、私が牧師になったということを聞いて手紙を下さったのです。文学青年(?)らしく、冒頭にゲーテ作「ファースト」の一節がしたためてありました。 

「永遠にして女性的なるもの、我らをして高き処へと引きて昇らしむ」(ファースト第二部)

いうまでもなく「ファースト」はゲーテの最高傑作です。主人公のファーストは、博学の人文学者でしたが、悪魔メヒィストと契約し、「伝道の書」の主人公のようにあらゆる人生の快楽と悲哀を遍歴しますが、結局、救われませんでした。しかし、悲惨な死を遂げて今は霊界にいる「かっての愛人グレートヒェン」の取りなしによって救いに至ります。「永遠にして女性的なるものがわれらを引き上げてくれる」というエピローグの言葉が印象的です。

ファウストは敬虔な信仰生活で救われたのではなく、また、自分の中の誘惑にうち勝ったわけでもありません。ファウストは聖霊的な愛、恩寵によって救われたのでした。

このゲーテの言葉こそ、かの旧友の彼らしい韓鶴子女史への表現なのでしょう。そして文章の中身は、「平和の母」の感想文というより、韓鶴子女史の自叙伝や聖句を引用しながら、自らの信仰人生を見つめる一種の信仰告白というべきものでした。

その中で、結婚指輪さえ人に与えてしまう韓女史の「与え尽くす愛」を述べた箇所がありました。これをパウロの言葉「わたしはすべてを失ったが、それは、わたしがキリストを得るためである」(ピリピ3・8)との聖句と対比させながら「愛には犠牲が伴う」ことが述べられており、私もハッとさせられたものです。

さて、忘れもしません65歳になった年の10月、私は遂に神の鉄槌を受けることになりました。それは、7月にラスベガスで行われた本体論のセミナーが終わったあと、一人残ってセドナの聖十字架教会で信仰告白を終えた直ぐ後のことでありました。

知人の薦めで金の先物取引をしていた私は、10月の金の暴騰とその後の暴落で逆張りをしてしまい、大きな損失を被り無一文に転落したのです。玄人でも難しい取引なのに、私 のような素人など国際金融資本の餌食になることなど火を見るより明らかです。  

これを合図に、取引先や顧問先を失ったり、家庭問題が勃発するなど、全てが暗転し、長年築いてきた私の経済基盤はほぼ壊滅いたしました。「坂を転げ落ちるように」とはこのことです。

そのどん底の中で、「もはや死ぬしかない」という思いで遺書をしたため、厚かましくも友人のMさんに「一緒に死んでくれないか」と真面目に頼んだものです。今コロナ騒動で倒産や自殺が相次いでいますが、この心境はよく理解できます。

そしてその時聞こえてきたのが、「神の言葉、ここに立ち返れ!」との神の声です。「聖書の言葉、神の言葉こそ唯一最大の財産ではないか」と!

この当然の真理を知らしめるため、神は敢えて私をどん底に追いやられたのです。この時、このパウロの言葉、「キリストのゆえに、わたしはすべてを失ったが、それは、わたしがキリストを得るためである」の意味がはっきりと理解出来ました。

確かに私たちは、キリストの故に全てを捧げる立場に立っています。その意味で全てを失いました。私自身、いまだに一文無しの無産者であることに変わりありません。かって羽振りが良かったあの一時期など、もう過去のものになりました。にも拘わらず、そして決してやせ我慢ではなく、今私はかってなく豊かです。全てを失った代わりに全てを得たからであります。

どん底までいけば、後は復活の希望だけです。そして死を経なければ復活はありません。何故なら、イエス・キリスの十字架の死が復活をもたらしたように、そもそも復活とは死が前提となった言葉だからです。ですから先だっての船橋家庭教会の聖書セミナーで、「復活するためには、一度死ななければなりません」と明言しました。

「朋(とも)有り遠方より来たる、亦た楽しからずや」と論語にある通り、40年の歳月を経て、美しく成長した養女の写真の入った旧友からの思いがけない手紙に、いっとき、神のインスピレーションを得ましたことを慎んでお伝えし、シェアさせて頂きます。(了)


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​牧師 吉田 宏

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