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日韓親善フォーラムに参加して

○つれづれ日誌(8月20日)-日韓親善フォーラムに参加してー韓国と台湾

8月20日、KOREA.TODAYが主宰する「アジア平和文化フォーラム」(日韓親善フォーラム)に、筆者は講師として参加いたしました。

テーマは「韓国は何故キリスト教国になったか」です。クリスチャン人口は、日本1%、中国6%に対して、韓国は33%で、国民の3分の1がキリスト教という、韓国は当にキリスト教国家であるからです。

しかし時局の関心は専ら「李登輝の逝去」と台中情勢にありましたので、冒頭30分をかけて李登輝に関する話になり、専ら韓台比較論になりました。

[親日国家台湾と反日国家韓国]

李登輝は、自他共に認める親日家で有名で、台湾は世界有数の「親日国家」であります。これに反して韓国文在寅大統領は反日家であり、韓国は世界有数の「反日国家」です。

台湾は1895年~1945年の50年間日本の統治を受け、文字通り台湾は日本の領土でした。同様に、韓国は1905年~1945年の40年間日本の統治を受け、韓国は日本の領土でした。

このように、同じ日本の統治を受け、またそれぞれ日本の統治による近代化の恩恵をうけながら、何故台湾は親日的であり、何故韓国は反日的なのでしょうか。一体この違いはどこに原因があるのでしょうか。

[成功した日本の台湾統治]

日本の台湾統治は成功しました。李登輝は、日本の台湾統治を高く評価し、後藤新平を台湾近代化の父と呼び、新渡戸稲造を自らの恩師として崇敬しています。今日の台湾の繁栄はひとえに後藤らの貢献によると明言しました。

そしてこれらの詳細は、拙著「李登輝先生追悼文」にまとめましたので参照ください。

[恨みを買った韓国の日本統治]

では韓国は台湾と違って、何故日本の統治をそんなに逆恨みするのでしょうか。その主だった深層要因として筆者は次の3点を挙げたいと思います。

先ず第一は、韓国には歴史と主権があったことです。当時台湾は、いわゆる「化外の地」と呼ばれ、盗賊やマラリアが蔓延する「蛮族の地」で、きちんとした主権はありませんでした。それに反して韓国には長い歴史と王朝がありました。

末期の李王朝は、ほとんど統治能力を失っていたとは言え、れっきとした主権国家であり、この主権を他国に蹂躙されたこと自体に、プライドを否定された屈辱感があったという訳です。

第二に、韓国には「小中華思想」がありました。中華思想とは、天子を戴く中国は文化の高い世界の中心であり、外にいくほど野蛮な未開の地になるというものです。

四方の異民族について四夷という蔑称を付けました。即ち、東夷(日本など)、西戎(西域諸国)、北狄( 匈奴・鮮卑・契丹・蒙古などの北方諸国)、南蛮(ベトナム・カンボジアなど東南アジア諸国や南方から渡航してきた西洋人など)と呼んでいたのです。

そして韓国は中国に次ぐ第二の位置にある文明国であるとし(小中華)、従って日本を野蛮な国として見下げる傾向がありました。その野蛮な国に統治されるということ自体、屈辱だというのです。

第三は、支配階級である「両班」による反発です。当時の李王朝は、徹底した身分社会であり、一説によると奴婢と呼ばれる奴隷階級が40%もいたと言われています。

日本にも士農工商という身分制度がありましたが、「一君万民」思想を掲げる明治維新によって身分制度は打破され、法律上、近代的な四民平等社会が実現していました。

この日本による統治により、韓国の前近代的な身分制度は打破され、奴婢は解放されました。しかし、それは一方では両班の既得権益を奪うことでもあったのです。こうして両班は、日本の統治に強い拒否反応を示すことになりました。伊藤博文を暗殺した安重根も、徹底した反日大統領の李承晩も両班でした。

以上が、何故韓国は日本の統治を恨むのかの深層心理であります。

確かに日本の統治それ自体は、台湾と同様、結果として韓国に近代化をもたらすという成果を挙げましたが、それ以上に、先ず感情的反発があったという訳です。台湾にはこれがありませんでした。

この意味で、統治人格の問題と共に、日本は上記韓国の民族的感情をよく理解し、配慮しなければなりません。

[親日清算と破墓法]

韓国の反日は、一種病的な様相を帯びてきました。「親日清算」と「破墓法」制定の動きがこれを象徴しています。

親日清算とは、左翼傾向の強い文在寅政権が推し進めてきたもので、かって日本の韓国統治に協力してきた韓国人を公私にわたり断罪し歴史から葬るというものです。親日というレッテルを貼られた人は、甚だしきはその子孫の財産まで没収されています。

また破墓法とは、かって日本に協力した親日派に分類される人物の墓を掘り起こし、国立墓地から追放する法案制定の動きであります。

「死人にムチ打たず」という風土があり、「死ねば皆神になる」といった死生観を持つ日本ではちょっと信じられない光景ですが、国会議員の3分の2が賛成だという報道もあります。

これが実現されれば、「漢江の奇跡」に貢献した朴正煕元大統領をも国立墓地から追い出すことになり、国家自体を否定することになりかねません。

[恨の民族的感情]

ご存知の通り、韓国は「恨」の民族だといわれます。恨とはこうありたいと願う願望が、決して得られない哀しみ、誰かを恨みの対象とするわけではなく、ただ民族の心情の中にひたひたと雪のように積もってきた「悲哀の感情」と言われています。

この感情は、度重なる受難にさらされてきたイスラエルと同様です。だだイスラエルは、この恨の感情を悔い改めの力により、ヤハウエとの再結合、神とのより深い関係へと信仰的に昇華させてきました。ここに一神教の素晴らしさがあります。そしてこれが「イスラエルの残れる者」(レムナント)であります。

「イスラエルの残れる者」とは、試練の中にあって、神の民の霊的な核として、真の信仰を持っていた少数の人たちのことで、霊的イスラエルとも呼ばれ、旧約聖書に66回出てくる言葉です。

1960年代から1990年にかけて、韓国ではキリスト教の大躍進、持続的なリバイバルが勃興し、いまや韓国はキリスト教国になりました。

そして韓国の敬虔なキリスト信徒の中には、民族に降りかかる受難を、むしろ民族を新生させるための神の試練と考え、また自らを悔い改めに導く機会と捉えて、恨の感情を愛の高みへと昇華しようとする一群が存在します。ここに信仰の力、民族の希望があります。筆者はこれを「韓国の残れる者」と呼びたいと思います。

恨に留まる限り韓国に希望はなく、恨の民族から愛の民族への新生にこそ希望があるというわけです。

私たちも同様です。人生には様々な試練があり、時として耐えきれない苦しみに遭遇します。その試練を悲観し恨めば、怨霊の化身のようになってしまいますが、これを神の愛の試練と考え、より深く神と再会するための戒めと捉えれば、かのヨブのように神の祝福を受けとることになるというのです。



[韓国の李登輝よ来たりませ]

李登輝は、学者であり、政治家でありましたが、その前にクリスチャンであり、敬虔な信仰者でありました。若き日に、台北のあらゆるキリスト教会を遍歴し、聖書を読み尽くして探求したと述懐しています。(李登輝著「台湾の主張」P34 )

また李登輝は、新渡戸稲造著「武士道」の注解書「武士道解題」を書き、その中で、武士道とは、武士の規範というよりは、日本の「心情、気質、美意識」であると見抜き、この武士道精神を取り戻せと、日本人を叱咤激励してきました。

李登輝は台湾に無血の民主化をもたらしただけでなく、自由、民主、繁栄の台湾を導き、この姿を来るべきモデルとして、アジア的停滞と独裁の中にある中国に示しました。

台湾には韓国のような背負ってきた恨がなく、国連から追い出された悲哀の民族とは言え、解放された明るさがあります。そして、その思想的バックボーンとなったのが、台湾のモーセと呼ばれる李登輝に他なりません。李登輝を得たことは台湾の最大の幸運でした。

筆者は、今回の講義の中で、韓国を恨の精神的呪縛から解放せしめ、真の自由と繁栄と信仰をもたらす「韓国の李登輝よ、出よ!」と訴えました。然り、来たりませ!(了)