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本年を振り返って 日本と世界に起こっている終末現象に思う

◯つれづれ日誌(令和5年12月20日)-本年を振り返ってー日本と世界に起こっている終末現象に思う 

 

わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、わたしは決してあなたを捨てない(創世記28.15)

 

本年ももう10日余りを残して2024年(令和6年)を迎える季節になり、街にはジングルベルの歌がクリスマスムードを呼んでいます。この一年、筆者にとって、そして皆さんにとってどのような意味を持つ一年だったでしょうか。何が心の中に残り、何が来年へのヒントになったでしょうか。年の瀬のこの時に1年を振り返りたいと思います。 

 

【個人的な出来事】 

 

先ず筆者の個人的な出来事として2つ挙げるとすれば、「出版記念会」と「旅」を挙げることができるでしょう。1月21日にアルカディア市ヶ谷で開催した拙著『異邦人の体験的神学思想』出版記念会は、大袈裟に言えば「人生の総括」と言えなくもありませんでした。人生のどん底で「聖書を三回通読しなさい」という神の声を聞いてから、聖書と神学の研究に本格的に舵を切った筆者でしたが、7年目にその総括ともいうべき本書を出せたことは正に奇跡と言う他ありません。幸い、多くの方々から好評価を得ることができ、足りない筆者を召し、導き、恵みを与えて下さった神に感謝を捧げます。 

 

もう一つはよき旅との出会いです。正月の吉田松陰神社から始まり、勝海舟と内村鑑三の記念館への訪問、そして5月17日には、長崎潜伏キリシタン世界遺産である遠藤周作の『沈黙』の舞台「外海」(そとめ)地区を訪問いたしました。また、8月18日と11月16日には念願の空海の高野山、11月9日には久保木元会長ゆかりの厚木の大山に登山いたしました。 

 

これらは皆、初めて訪問地であり、それぞれの地に導いて下さった神に感謝いたします。もちろん、これらは単なる物見遊山ではなく、宗教探訪の旅であり、偉大な宗教家との対話の旅でありました。これらは皆、つれづれ日誌にまとめましたので、関心のある記事を読んで下されば幸いです。 

 

【激動する世界】 

 

さて、本年は正に激動する内外情勢が展開された年でした。先ず海外に目を転じますと、2022年2月24日、ロシアのウクライナへの侵攻から始まったロシア・ウクライナ戦争は、既に1年10ヵ月を過ぎましたが未だに終結の見通しは立っていません。ウクライナ軍は今年6月上旬から大規模な反転攻勢を開始し、南部のザポリージャ州や東部のドネツク州などで一部の集落を奪還しましたが、これに対してロシア軍は新たな部隊を派遣し、東部ドネツク州で大規模な作戦を展開するなど、激しい攻防が続き、戦線は膠着状態にあります。一般市民の死者は少なくとも10058人(国連・12月11日時点)、世界各地に滞在しているウクライナ難民は 633万2700人(UNHCR・12月12日現在)に及んでいます。 

 

正にひどい終末的戦争ですが、この戦争の顕著な特徴はロシアの理不尽かつ一方的な侵略に原因があり、プーチンの大ロシア主義の壮大な妄想の上に立った戦争であるという事実です。正にプーチン一人の野望故の戦争であると言ってよく、このことはしかと記憶しておかなければなりません。早晩、天による裁きの一撃がロシアとプーチンの上に下されることを祈って止みません。 

 

そしてもう一つの凄惨な戦争が10月7日、パレスチナテロ武装組織ハマスにより引き起こされました。この突然のハマスの攻撃により、イスラエル民間人1200人が殺戮され、250

名以上が人質にとられ、イスラエルは生存をかけた防衛と報復の反撃を開始しました。 

 

パレスチナ問題の根源は「2つの悲劇」にあると言われています。一つは、ユダヤ人が2000年の長い歴史の中で世界に離散し、迫害を受けてきた悲劇であります。やっとの思いで悲願の国(=イスラエル)をつくり、それを死守していきたい、二度と自分たちが迫害されるような歴史に戻りたくない、そんな強い思いをユダヤ人はもっています。もう一つは、パレスチナの地に根を下ろしていた70万人が、イスラエルの建国で故郷を追われたという、パレスチナ人の悲劇です。いまパレスチナ人が住んでいるのは、主にヨルダン川西岸とガザ地区ですが、ガザ地区は、日本の種子島ほどの面積に約200万人が住んでいます。 

 

この戦争が他と異なるのは、背景にユダヤ・キリスト教対イスラム教という根深い宗教対立があるということであり、イランとその仲間たち対アメリカとその仲間たちの間の対立というもう一つの構図があるという点です。時に「抵抗の枢軸」とも呼ばれるイランのネットワークの中心には、レバノンの武装組織ヒズボラ、シリアのバシャール・アサド政権、イエメンのフーシ派、そしてイランが武器と訓練を提供するさまざまなイラクの武装集団が存在し、イランはまた、ガザ地区でハマスとイスラム聖戦機構を支援しています。 

 

今回の戦争で、悪いのは先制攻撃を仕掛けてきたハマスに違いありませんが、いつの間にかガザ空爆で民間人を殺害するイスラエルが悪者にされ、反ユダヤ主義の亡霊が台頭するというもう一つの悲劇が懸念されています。筆者は、テロ組織であるハマスを、この際徹底的に殲滅するというイスラエル政府の方針を支持したいと思います。 

 

以上の通り、世界は二つの終末的な戦争を抱えたまま、本年を終えようとしており、引き続き解決の道は来年に持ち越しとなりました。天地を創造され、歴史を支配される神は、これらの悲惨な戦争をどのような目で見つめられ、何を教え、何を為さろうとされているのでしょうか。 

 

【混迷する国内】 

 

次に目を国内に転じますと、何と言っても真っ先に挙げられるのは岸田政権の反宗教政策と政治の劣化です。最近の世論調査では、のきなみ内閣支持率は25%を切ってしまいました。


この6月16日に強硬可決したLGBT理解増進法は、正に戦後最悪の法律で、岩盤保守層が政府と自民党から離れる決定的な法律となりました。この法律が理解増進を建前に、LGBTにお墨付きを与え、同性愛を異常な性癖ではなく、普通のこととして認めてしまう風潮を生み出し、怪しげな性愛を助長することになることが懸念されます。 こともあろうに、この法案を推進した議員が清和政策研究会(安倍派)の幹部であったとは驚きで、かって安倍さんがいたころの清和会の姿は過去のものになりました。またこの法案を強硬採決した岸田自民党に愛想をつかして、作家の百田尚樹氏らが日本保守党を立ち上げたことは周知の事実であり、岩盤支持層が自民党から離れる決定的な政策になりました。 

 

そして何といっても本年最大の事件は、10月13日、岸田政権が旧統一教会の解散命令請求を裁判所に申し立てたことであります。この岸田政権の反宗教的な意思決定は、岸田首相の世論への忖度でなされた稀代の暴挙であり、歴史は岸田首相をしかと記憶し、必ず神の報復を受けることになるでしょう。 

 

筆者は11月9日、久保木修己元会長が霊的神秘体験をされたという厚木の大山に登山しましたが、この途中、時の政府から解散請求まで申し立てられたUCの姿を見て会長は何を思われるだろうか、そして何をされるだろうかと問いかけながら山道を歩きました。時の公権力から宗教団体の適格性にNOを突きつけられ、日本にとってUCは有害な団体として排除の対象に認定されたのであり、この決定はあまりにも重いものです。無論、最終的なUCの勝利を信じるものですが、これからUCとその信徒は、この重い十字架を背負って長い坂道を歩む運命に晒されました。「あなたがたは、わたしの名のゆえにすべての民に憎まれるであろう」(マタイ24.9)とのイエスの言葉が身に染みます。 

 

そして時も時、12月に入って、清和政策研究会(安倍派)の政治資金パーティーを巡る裏金疑惑が勃発し、ノルマを越える額の金額を議員にキックバックし、これを各議員が政治資金収支報告書に記載していなかったことが大問題になりました。結局、清和会に所属する4閣僚(松野博一官房長官、鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相、西村康稔経済産業相)、自民党役員3人(萩生田光一政調会長、高木毅国会対策委員長、世耕弘成参院幹事長)などがドミノ式に辞任することになり、安倍派議員は政府と自民党の役職からこぞって追放されました。筆者の知る限り、このようなつまらない事案で、このような事態になろうとは正に前代未聞の出来事で驚きというしかありません。 

 

この問題に関して筆者は知人に、「清和政策研究会(安倍派)の政策パーティーを巡る資金疑惑で、日本の背骨の役割を果たしていた安倍派が窮地に立っています。私は、心なしか、UCを見殺しにした神の一撃だという感がいたします。せめて安倍派くらいは、身を挺してUCを守るべきだったと」と書き送ったところ、全員が同感の意を表明され、筆者の思いが決して的外れではなかったことに意を強くいたしました。今までの長い自民党との付き合いから見ても、手のひらを返すようなUCへの岸田自民党の仕打ちは、政治以前の人間としての矜持(きょうじ)の問題と言えるもので、特に清和会とは政策を共有してきた経緯から、一人でもUCを堂々と擁護すべき議員が現れても良かったのではないかと無念さが身に染みます。 

 

さて、こうして数々の思いがけない事件と共に、本年も過ぎ去ろうとしています。3月2日には幸福の科学総裁の大川隆法氏、10月16日には冨士大石寺顕正会会長の浅井昭𛟘氏、そして11月15日には創価学会名誉会長池田大作氏がそれぞれ死去し、正にUC問題と共に新宗教の地殻変動の予兆を感じさせる年になりました。 


そして、ヤコブがハランの地に向かう途中、石を枕に仮寝した時現れた時の神の言葉「わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、わたしは決してあなたを捨てない」(創世記28.15)との聖書の言葉が深く脳裏に甦ります。2024年は正に神が共にあって導かれる「反転攻勢」の年であると信じて疑いません。



創始者は、1969年4月27日のみ言選集「理想の基準」の中で、次のように語られました。 

 

「神が弁明の歴史を教えたことがない。聖書で弁明の歴史を教えたことがあるか。真なるものは神以外にない。神を否定する者に、真なる者は弁明、弁解は不要である。迫害されながら我々は発展する」  (了)

                            牧師・宣教師 吉田宏

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