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石破新内閣発足に思う クリスチャン石破茂の闇と光

◯徒然日誌(令和6年10月2日)  石破新内閣発足に思うークリスチャン石破茂の闇と光 

 

おおよそ、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるであろう(ルカ18.14)

 

プロローグ 

 

先日、ある知人から、自身の「健康法」を聞かされた。毎朝、ベッドの中で一時間ヨガ体操をしているという。また、ある知人は、毎朝ベッドの中でハッピーヘルス(メディオ)で一時間、体をほぐしているという。 

 

しかし筆者はとても一時間も体操に時間をかける忍耐力がない。そこで毎朝5分くらいの柔軟体操を行って、気休めにしている。そして最近、25年ほど前に「真向法」(まっこうほう)という体操をしていたことを思い出した。真向法は保守派の思想家安岡正篤氏が、財界人らに奨励していた4つの動作からなる簡単な健康体操である。筆者は78才という鬼門を無事過ぎた機会に(78才は両親が倒れた年齢で、筆者にとっては厄年だった)、今までの柔軟体操に加えて、10月から真向法を再開することにした。 

 

真向法は福井県の勝鬘寺(しょうまんじ)という浄土真宗の寺で生まれた長井津(ながいわたる)氏が創始した体操である。長井氏は、ビジネスで成功を修めたが、42才の時に脳溢血で倒れ、左半身不随の身となった。医師からは不治と診断されて悶々の日々を送る中、実家の勝鬘寺の経典『勝鬘経』(しょうまんぎょう)を紐解くと、その中の「勝鬘及一家眷属頭面接足礼」という一節が目に留まった。これは「勝鬘婦人や一族郎党は、頭を仏の足に接して礼拝した」と言う意味である。この「頭面接足礼」とは五体投地礼の一種であり、両手を伸ばして相手の足を取り、腰を曲げて相手の足に自分の額を押し頂いて拝む最上の礼拝である。 

 

長井氏はこの礼拝の姿にインスピレーションを受け、腰を屈伸する「礼拝体操」というべき健康体操を生み出した。これが真向法体操の原型であり、仏への礼拝がその元となった。長井氏の体は次第に柔軟になり、不自由だった体が元の通り動いて、以前にも増して健康になったのである。 

 

真向法体操は、簡単な4つの動作からなり、朝晩5分間ずつ行なえば、体幹が鍛えられ、心身の健康が確実に得られるという。また、老化防止、シェイプアップにもよいという。手軽なストレッチながらも効き目が抜群ということで、元首相の小泉純一郎氏や細川護煕氏など、多忙な政財界人らに大人気である。(真向法ホームページ参照)

 

さて筆者は柔軟体操の他に、健康管理の気休めに15年前から「青汁」を毎日飲んでいる。費用も手頃(1ヶ月1000円~2000円)であることもあって始めたが、この青汁は筆者の体に大変相性のよい健康サプリメントであることが分かった。飲み始めてから一回も風邪を引かなくなり(それまでは年中行事のように年一回は風邪を引いていた)、また通じも良くなって、青汁が自分の体質にあっていることが確認されたのである。 

 

しかし、青汁を飲むことの最大のメリットは、なんといっても精神的な安心感である。やはり、歳をとれば健康が気になるものだが、青汁でも何でもいいのだが、何か一つ健康サプリメントを愛用しているということが、一種の精神安定剤の役割を果たし、精神衛生上大変よい効果をもたらすのである。従って、何でもいいから、自分にあった健康サプリメントをお勧めする。 

 

こうして筆者は「真向法」と「青汁」で、これからの健康維持を託すことにした。 

 

【自民党総裁選挙の総括と石破内閣発足】 

 

さて自民党総裁選挙で高市早苗氏を破った石破茂氏は、10月1日、第102代の内閣総理大臣に就任した。 

 

<自民党総裁選挙>

 

9月27日に行われた自民党総裁選挙であるが、第一回投票では、高市早苗氏が党員得票数109票、議員票72票、合計181票で、石破茂氏の108票、46票、合計154票を上回って一位になった。しかし、一位と二位の決戦投票では逆転し、石破氏が都道府県連票26、議員票189票、合計215票で、高市氏の21票、173票、合計194票を上回って、石破氏が自民党総裁に選出された。 

 

高市氏は党員得票数で一位になったが、決戦投票で岸田首相(岸田派)と菅義偉氏が高市氏を裏切って石破氏を支持した結果、惜敗したのである。岸田派の大半と、菅義偉氏が支持した小泉進次郎氏の議員票75票が、ほとんど石破氏に回った。高市氏は、決戦投票に臨むに際して、「女性が決戦投票に駒を進めること自体、歴史的瞬間である」と述べたが、結果的に高市氏が惜敗することによって、日本の政治はますますリベラル化するのではないかと懸念されている。石破氏は女系天皇や選択制夫婦別姓を容認しているのではないかということで、左傾化が進展するという情報が、専らSMSやネットを賑わしている。また自民党は、もはや保守政党ではなくなったとし、岩盤保守層が離れる可能性があるという。 

 

それを見越したかのように、日経平均先物株価指数は、2000円近くの大幅下落となり、ドル円レートは、一気に1ドル143円台まで円高がすすんで、まさに「石破ショック」が現実化した。安倍政権のときは、これからアベノミクスで金利を下げ、財政出動して、とにかくデフレから脱却するんだという見通しがあったが、石破政権では、緊縮財政、プライマリーバランス重視、政策金利の利上げが懸念され、先行き不安だという声がある。ただ、石破氏は地方を重視することもあって、全国市長会では人気があるという。 

 

なお、高市氏は自民党役員人事で、石破氏から総務会長を打診されたが、これを拒み、石破政権とは距離をおいて再起を図ることにした。高市氏が、色濃く保守的な政策を主張しているにも拘わらず、党員票が第一位であったことは注目に値し、次につながることは間違いない。筆者は、高市早苗氏ならベストだが、小泉進次郎氏だけには総裁をやらせてはならないと主張してきたので、最悪の選択だけは避けられたというのが正直な気持ちである。それにしても菅義偉氏の裏切りは万死に値する。何故なら、あれほど安倍元首相の世話になり、安倍氏が推薦するのは高市氏であることを知りながら、それを裏切って小泉氏や石破氏に回ったからである。恩義ある安倍氏と安倍氏が推薦する高市氏を裏切った菅氏は、まさに令和の明智光秀である。 

 

<石破内閣発足> 

 

さて10月1日、石破内閣が発足した。長い非主流派の苦節10年を経て、総裁選挙5度目にしてやっと掴んだ政権の座は、さぞかし感慨深いものがあるはずである。作家の佐藤優氏は、「クリスチャン4代目の石破氏は、神に召されて総理大臣になったとの思いがあるのではないだろうか」と感想を述べた。 

 

主要閣僚としては、官房長官に林芳正、財務相に加藤勝信、経産相に武藤容治、防衛相に中谷元、外相に岩屋毅各氏をそれぞれ充てた。とりわけ「安倍元首相は国賊」との発言で物議を醸した村上誠一郎氏を、よりにもよって総務相に指名した。この人事はまさに石破政権の本質が「反安倍政権」であることを如実に物語っているとの反発の声があり、党内基盤の弱い石破氏のアキレス腱になるかも知れない。なお、安全保障政策担当の首相補佐官に長島昭久氏が起用された。長島氏はしっかりした国防観や保守思想を持つ有能な議員であり、長島氏が側近に付いたことは安心材料である。長島氏は自民党総裁選で石破氏の推薦人になったが、その条件に、女系天皇を認めないこと、原発に反対しないことを石破氏に飲ませたという。 

 

石破新内閣の全体を見渡して、一定の無難な政権運営はできるとしても、画期的な根本的変革は難しいというのが筆者の率直な感想である。既に石破氏は、衆議院選挙の臨時国会冒頭解散(10月15日公示、10月27日投開票)を明らかにしており、 選挙結果によっては石破政権は短命に終わる可能性がある。 

                  

【クリスチャン石破茂の矜持】 

 

ところで石破茂氏はプロテスタントの篤実なクリスチャンである。アメリカと違って日本の政治家は、何を信仰しているのか自らの宗教を明らかすることはほとんどなく、石破氏もクリスチャンであることを封印して政治の場に持ち込むことはない。また、明確な宗教を信仰している議員は多くはない。つまり、アメリカと違って、日本では政治の世界に宗教を持ち込むことはタブー視されているのである。 

 

<日本の政治家の宗教> 

 

そういった中で、キリスト教の牧師という立場を全面的に打ち出して活動している国会議員に、金子道仁(かねこみちひと、1970年生れ)参議院議員がいる。金子氏は、前回の参議院選挙で、日本維新の会から全国区比例代表で立候補し、キリスト教会からの支援を受けて当選した現役の牧師である。金子氏は、民間ビジネス宣教団体「日本CMBC」が主催している2022年の「国家朝餐祈祷会」で、クリスチャン政治家としてスピーチを行った。また金子氏は国会議員でクリスチャンの仲間と数人で祈り会を持っているという。(参照→「徒然日誌令和6年8月7日  クリスチャン金子道仁議員との質疑応答に思う」) 

 

石破茂氏も2023年の「国家朝餐祈祷会」にビデオでメッセージを送っている。また国会議員などを中心とした月一回の「国会朝祷会」(国政報告会)にも、たまに顔を出しているという。しかし、石破氏はキリスト教徒としての議員活動は一切行っていない。歴代アメリカの大統領は、市民宗教(アメリカ教)の体現者として、あるいはボーンアゲインを体験したクリスチャンとして、演説には聖書のフレーズをよく引用するが、日本の政治家の演説から、先ず「神」という単語を聞くことはなく、ましてや聖句の引用などは論外である。大平正芳氏は敬虔なクリスチャンであり、麻生太郎氏はカトリックの信者で洗礼名はフランシスコである。また、石橋湛山氏は僧籍を持ったまま首相を務め、綿貫民輔氏は神主でありながら衆議院議長を務めた。だが、政治活動では宗教は封印している。 

 

<クリスチャン石破茂>

 

さて石破氏は、「熊本バンド」の創立メンバーで、同志社の新島襄から洗礼を受け、のちに牧師となった金森通倫(みちとも)の母方の曾孫にあたる。石破氏は、プロテスタントの4代目のクリスチャンである。


石破氏の父である石破二郎氏は、鳥取県知事や参議院議員、自治相などを務めた政治家であるが、浄土真宗の仏教徒でクリスチャンではなかった。しかし石破氏は、金森通倫の孫娘で、プロテスタントの熱心なクリスチャンであった母和子に連れられて、幼少期から教会に通い、高校時代に日本基督教団鳥取教会で洗礼を受けた。上京して慶應義塾高校に進学し、東京では日本キリスト教会世田谷伝道所(現世田谷千歳教会、カルバン系)に通い、教会学校の教師を務めたことがあるという。 

 

石破氏は、前記したクリスチャン実業家による宣教団体「日本CBMC」が主催する「国家朝餐祈祷会」にはよく出席し、スピーチをしている。石破氏はキリスト教徒政治家として、クリスチャンの集会に招かれ、挨拶する中で、自らの信仰や政治姿勢について語り、ルカ福音書の「おおよそ、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされるであろう」(ルカ18.14)を好んで引用した。以下はクリスチャンの集会で石破氏が語った内容である。(キリスト教ニュースサイト「クリスチャントゥデイ」より)

 

「私にとってキリスト信仰は、子どもの時から所与のものであり、この世界に神が存在しないという考え方自体が信じられない」 

 

「今の日本の政治が御心にかなわないものであるならば、どうぞ改めてくださいと祈るような者でありたい」 

 

「信仰を持つことのありがたさは、自分が罪人だということを常に認識できることである。自らが足らざる者、罪人であることを認め、心から神様に赦しをこうことができること、これが信仰の一番素晴らしいことだと理解している」 

 

「私は、政治とは泣く人と共に泣くこと、自民党は国民の思いを体現する党でなければならないと思っている。塵芥(ちりあくた)のような私でも御用のためにお用いくださいと祈ることを忘れてはならないと思っている」 

 

こうして石破氏は、日本の政治家には珍しい正真正銘のクリスチャンであり、佐藤優氏が言う「神に召されて総理大臣になった」との召命感は当たらずとも遠からずである。なお、石破氏は世界日報の論調には共感を持っているとされ、世界日報の元社長や記者とも懇意にしていたという。 

 

ちなみに石破氏の曾祖父金森通倫(1857年~1945年)は、熊本県出身で、1872年(明治5年)熊本洋学校の第二期生として入学し、L.Lジェーンズの影響を受けクリスチャンになった。1876年1月30日の夜、花岡山山上に洋学校の生徒35人が集まり、「奉教趣意書」を読み上げ、キリスト教精神を新しい日本に宣布することを誓い合った。これは「熊本バンド」と呼ばれ、熊本バンドのメンバーには、金森の他、宮川経輝、海老名弾正、横井時雄、小崎弘道らがいる。その後、同志社に入学し、新島襄から洗礼を受け、1880年、日本組合基督教会岡山教会の牧師としての按手礼を経て初代牧師に就任した。 1885年『基督教三綱領』を著し、1889年同志社社長(総長)に就任し、新島の後継者となった。1945年没(享年87才)。 

 

<信教の自由の守護者たれ!> 

 

前記で見てきた通り、石破茂氏は曾祖父金森通倫の霊性を引く、日本の政治家には珍しい敬虔なキリスト教信者であり、またそうであることを信じたい。彼の「泣く人と共に泣く」という弱者に寄り添う思いやりの姿勢は、イエス・キリストの愛の精神から来ているのかも知れない。石破氏は、政策通の割には主張や答弁が曖昧でねちねちしており、一体何が言いたいのかはっきりしないと批判されることがある。これは石破氏のバランス重視の母性的性格にあると筆者は見た。なお、石破氏は気さくな妻と二人の娘を持つが、クリスチャンでありながら酒豪であるという。 

 

筆者は、岸田政権のLGBT法の成立とUCへの解散命令請求という、前代未聞の反宗教的政策に強く苦言を呈したが(参照→「つれづれ日誌令和5年8月2日-反キリスト政策への神の怒り」)、キリスト者石破氏にはその轍を踏んで欲しくない。むしろ、ここでクリスチャンとしての矜持を発揮し、信教の自由を守る守護者として立つことを切に祈りたい。 

 

ところで、石破氏が洗礼を受けた鳥取教会は「日本基督教団」に所属しているが、戦後日本基督教団はかなり左傾化した。その理由の一つは、戦前の侵略戦争に加担したという反省から、大東亜戦争を「日本国家によるアジア・太平洋地域への侵略戦争」と規定し、反国家・反天皇を標榜するようになったことである。そしてこれらの認識は、まさに左翼思想と親和性があり、教団に共産主義思想が入り込む下地になった。 

 

もう一つは、弁証法的唯物論に基づく共産主義の唯物史観を克服する歴史観と実践論を持ち得ていなかったことである。共産主義では、歴史を階級闘争史と規定するが、原理では神とサタンの善悪闘争史と見て、共産主義はヘレニズム思想(サタン側思想)の集大成と位置付けている。このように、共産主義思想の本質を見抜けなかったことで、教団が共産主義思想に汚染されることになったというのである。(参照→ 「つれづれ日誌令和5年2月22日-日本基督教団闘争史」)

 

また日本基督教団は、信徒の高齢化が進んでもう20年もすれば消滅の危機に瀕すると言われているが、UCを異端とし、政府によるUCの解散請求に関しても、是認するような曖昧な態度をとっている。しかしUCへの解散請求は、一人UCだけの問題ではなく、宗教界全体の問題であり、まさに神への挑戦である。日本基督教団は教派の違いを超えて、UCが主導している「信教の自由を守る国民運動」に参列することを呼びかける。 

 

筆者は、このようなキリスト教界の現状の中にあって、石破氏には、この度のUC解散請求の反宗教性を鋭く見抜き、岸田政権の負の遺産を克服されんことを祈念する。石破氏に対しては党内外の批判が厳しいが、キリスト者としての矜持を発揮し、怨念を超えて正しい認識に目覚めるなら、安定した政権となる可能性もゼロではない。つまり、石破政権の命運は、ひとえに石破氏自身の責任分担遂行いかんにかかっている。とにもかくにも、首相として選ばれた以上、まさに天の声だと思って日本再生に尽力して欲しい。そして何が真実か、何をすることが願われているかを、神に祈ることをお勧めする。(了)    牧師・宣教師  吉田宏

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​ユニバーサル福音教会牧師
​家庭連合ポーランド宣教師
   吉田 宏

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