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箴言 注解 人生の智恵のことわざ

🔷聖書の知識94-箴言注解 人生の智恵のことわざ

主を恐れることは知識の初めである。愚か者は知恵と訓戒をさげすむ。(箴言1.7)


【箴言とは格言である】


箴言とは、平たく言えばことわざ、即ち人生の格言であり、生活上の教訓であります。


『箴言』は、『コヘレトの言葉』(伝道の書)、『雅歌』と並んで知恵文学と言われており、知恵文学は、古代中近東で見られた生活上の教訓を集めた文学であります。また「論語」や「いろはかるた」など、東洋にも人生と生活上の知恵を集めた箴言とも言うべき優れた格言があります。


古代イスラエルの言語であるヘブル語において知恵(ホクマー)は、「成功するための技術」を意味し、計りごと、知識、悟り、訓戒など人生の処世を示すものです。


しかしイスラエルでは、根本に「神への信仰を伴った生活上の教訓」であるところに特徴があると言えます。「主が知恵を与え、知識と悟りとは、み口から出るからである」(2.6)とある通りです。


但し、箴言には死後の世界に関する教えはありません。


特に捕囚期以後の知恵者は、祭司でも預言者でもラビでもなく、「知恵ある者」という教師的存在であったと思われます。ちなみに箴言の「箴」には、鍼(はり)、即ちツボを捉えて病気を治すと言った意味があります。


【箴言の概観】

箴言中の格言の多くはソロモン王によって作られたとされています。(1.1)「彼はまた箴言三千を説いた。またその歌は一千五首あった」(1列4.32)とある通りです。しかし実際は、彼以外にも複数の作者の言葉、即ち「知恵ある者」の言葉が収められています。


また、執筆年代は、ソロモンの時代(900年ごろ)、ないしはヒゼキヤの時代(25.1、前700年ごろ )とされることもありますが、多くは捕囚以後の作品で、前250年ころ収録されたと言われています。


箴言の文学形式は、箴言全体が詩の形式で書かれていて、その特徴は、へブル詩によく見られる対句法であります。


そして箴言は次のような構成になっています。


ソロモンの格言1(1.1~9.18)→ソロモンの格言2(10.1~22.16)→賢人の教訓1(22.17~24.22)→賢人の教訓2(24.23~24.34)→ソロモンの格言3(25.1~29.27)→アグルの言葉(30.1~30.33)→レムエルの言葉(31.1~3


【箴言の目的】


なお、箴言の目的は、わきまえのない者(特に若者)に分別を与えることであり、中心聖句は、箴言9.10であります。


「主を恐れることは知恵のもとである、聖なる者を知ることは、悟りである」(9.10)


このように、「あなたの若い日に、あなたの造り主を覚えよ」(伝道12.1)とある通り、「主を恐れることは知識の初めである」(箴言1.7)を以て第一とし、神とのつながりを重視しています。その点では、この箴言の教えは、他の如何なる格言にもまして、霊的意味があると言えるでしょう。


そして父母の戒め、知恵ある者の教えに耳を傾けよと繰り返し呼び掛けました。


「わが子よ、わたしの教を忘れず、わたしの戒めを心にとめよ」(3.1)


確かに、聖書の箴言の言葉は、今一風情に欠け、むしろ古来日本の格言の方が府に落ちる一面もありますが、率直、ストレートであり、返って真実味を感じさせるものがあります。 -


以下、優れた箴言の言葉、及び諸国のよく知られた格言を自戒を込めて紹介いたします。


【注目すべき箴言の言葉】


主を恐れることは知識のはじめである、

愚かな者は知恵と教訓を軽んじる。(1.7)


主が知恵を与え、知識と悟りとは、み口から出るからである。(2.6)


遊女のくちびるは蜜をしたたらせ、その言葉は油よりもなめらかである。

しかしついには、彼女はにがよもぎのように苦く、

もろ刃のつるぎのように鋭くなる。 (5.3)


主の憎まれるものが六つある、否、その心に、忌みきらわれるものが七つは、。

すなわち、高ぶる目、偽りを言う舌、

罪なき人の血を流す手、

悪しき計りごとをめぐらす心、

すみやかに悪に走る足、

偽りをのべる証人、

また兄弟のうちに争いをおこす人がこれである。(6.16~19)


高ぶりが来れば、恥もまた来る、

へりくだる者には知恵がある。(11.2わ、わ)


むちを控える者はその子を憎む者である。子を愛する者はつとめてこれを懲らしめる。(13.24)


賢い妻はその夫の冠である、

恥をこうむらせる妻は

夫の骨に生じた腐れのようなものである。(12.4)


柔らかな答えは憤りを静める。しかし激しいことばは怒りを引き起こす。(15.1)


主の目はどこにでもあって、

悪人と善人とを見張っている。(15.3)


少しの物を所有して主を恐れるのは、

多くの宝をもって苦労するのにまさる。(15.16)


ぶどう酒は、あざける者。強い酒は、騒ぐ者。これに惑わされる者は、みな知恵がない。(20.1)


正しい者は七たび倒れても、また起きあがる(24.16)


貧しくもなく、また富みもせず、ただなくてならぬ食物でわたしを養ってください。

飽き足りて、あなたを知らないといい、主とはだれかと言うことのないため、

また貧しくて盗みをし、わたしの神の名を汚すことのないためです。(30.8~9)


【世界の格言】


古今東西、諸国には箴言というべき格言、即ち知恵の言葉がありました。以下、よく知られている言葉をそれぞれ3つ挙げておきます。


<論語>

論語は、孔子の語った言葉を、死後弟子たちがまとめたもので、人生訓として日本人の中で重宝されてきました。


吾れ日に三たび吾が身を省みる


朝に道を聞かば、夕べに死すとも可なり


過ぎたるは、なお及ばざるが如し


<いろはかるた>

「いろはかるた」 は、「色は匂へど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ、有為(うい)の奥山 今日越えて、浅き夢見し酔(ゑ)ひもせず」(涅槃経)という仏教精神を和文で表わしたと 言われています。


(い)

犬も歩けば棒にあたる(江戸)


一寸先は闇は(京都)


一を聞いて百を知る(大阪)


<格言・ことわざ>

日本には古より、優れた人生訓・格言がありました。


千里の道も一歩より


災い転じて福となす


天は二物を与えず


<聖句>

以下は筆者がよく使っている聖句です。


神を知ることは知識のはじめ(伝道の書12:1)


うしろをふりかえって見てはならない(創世記19.17)


まず神の国と神の義とを求めよ(マタイ6.33)



最後に文鮮明師の言葉の中で、一つ印象的な言葉を記しておきます。


「良心は、師に優り、父母に優り、神に優る」


以上



上記絵画*若きソロモンの夢枕(ルカ・ジョルダーノ画)