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蘇ったトランプの指名受諾演説とヴァンスの半生 - 真の父母論のコメントに思う

◯徒然日誌(令和6年7月24日)  蘇ったトランプの指名受諾演説とヴァンスの半生-真の父母論のコメントに思う

 

わたしたちは、この事を知っている。わたしたちの内の古き人はキリストと共に十字架につけられた。それは、この罪のからだが滅び、わたしたちがもはや、罪の奴隷となることがないためである。もしわたしたちが、キリストと共に死んだなら、また彼と共に生きることを信じる。(ローマ書6.6~8)

 

【はじめに】 

 

ところで、前回の徒然日誌「真の父母論の検証」は、やはり関心があると見えて、かなりの反響があった。ある古参信者からは次のような深刻なコメントが寄せられた。 

 

「真の父母論は私も研修受け、また 教理研の論説は毎回 熟読して来ましたが、仰るとおりこれは『真の母論』です。お父様聖和後はお母様が全責任を担われているので、真の母の位相を高め確立することが緊要だと得心しています。しかし、お父様の位相を貶めながら お母様を高めようとする論説になっているような気がして、この点は納得出来ません」 

 

また、次のようなコメントが寄せられた。 

 

「吉田牧師の論評は理路整然として納得ができ、全面的に賛同します。今までのもやもや感が吹っ切れました。アージュ、アージュ、アージュ!」 

 

「真の父母論について、誤解や迫害を恐れず、書きにくいコメントを発信するそのエネルギーと意欲に敬意を表します」 

 

「一方通行のQ&Aではなく、この際、教理部の太田先生、吉田牧師のお二人で公開討論会をやったらいいですね。無知からは何も生まれない。信徒が自分の頭で、神、罪、救いについて考えるようになる、これこそが教会改革の第一歩に繋がります」 

 

そして、その中でも本部の原理(摂理)講師として名が知れた白井康友氏から長文のコメントを頂き、この分野の専門家の意見だけに大いに参考になり、また励まされた。この白井氏の文書は筆者の論評とほぼ一致しており、筆者の論評が決して主観的な独断ではなかったことを再確認することができ、この場を借りて御礼申し上げる。白井氏は次のようにコメントされた。 

 

「私も映像を通し、資料をじっくりと見た結果、吉田牧師が言われるように、『真の父母論』と言うより、『真の母論』と言う印象を強く受けました」 

 

その上で、「今までの摂理史講義(私も現在、毎月のように講義していますが)はどちらかと言うと、『真の父史観』であったのに対して、今回の『真の父母論』の説明は『真の母史観』とも言うべき内容ですが、吉田牧師が言われるように、どちらかが正しいと言うより、視点の違いであるが故に、『真の父母論』をもって、今までの『摂理講義』の内容を否定すべきものではなく、総合的に、バランス感覚を持って捉える必要があるのではないかと感じました」と述べられた。 

 

そして、次のようにも述べられたのである。少し長いが白井氏の言葉を引用する。 

 

「そして何よりも吉田牧師が『譲れない一線』で見解を述べておられたように、私も真のお父様の『無原罪誕生』は『譲れない一線』と感じている者の一人です。『真の父母論』の様々な箇所で、明確に独り娘、真のお母様が無原罪である事を説明しています。ところが真のお父様に関しては、『イエス様は亡くなっても、独り子の位置は残っている。そのため、独り子が再び誕生する必要もなく、誕生する事も出来ない』と述べており、『再臨のメシヤは独り子ではなく、独り子の使命を持って来られる方である』と強調している。 

 

再臨メシヤ(真のお父様)に関して全体を何度読み返しても、『無原罪』と言う説明はなく、むしろ、再臨のメシヤ、お父様は原罪を持って誕生し、お母様との聖婚によって『独り子(無原罪のメシヤ)』になられたと解釈しているように感じさせられます。 

 

この点に関して、吉田牧師が、『メシヤの本質とキリスト教のメシヤ観①』(つれづれ日誌-令和5年6月1日) の中で、4つの観点から、『なぜお父様が無原罪のメシヤなのか』と言うテーマを見事に、明確に述べておられる内容を見て、非常に整理されました。 

 

『真の父母論』は『お母様の位相と価値』を正しく理解する上で、新たに気付かされる点が数多くあり、感謝しており、何の異論もありませんが、『お父様の位相と価値』に関しての説明は、余りにも不十分であると感じています」(引用終わり)

 

白井氏は現役で摂理史を講義している立場であり、上記のような発言をすることは大変勇気のいることだと思料している。しかし、今回、堂々と自論を述べ、あるべき「真の父母論」の道筋を示されたことを高く評価すると共に、筆者の論評が追認されたことで、今後の真の父母論の在り方に大きな前進の一歩になることを確信している。 

 

私たちは独り娘お母様の位相と価値を誰よりも認識しているものであり、真の母を信頼することに人後に落ちるものではない。しかし同時に、独り子お父様の「誕生の無原罪」を確信する立場から、「真の父母論」がお父様のメシア性を貶めることがあってはならないと思料する。これは信仰の根幹であり、是非とも、「真の父母の検証」及び「メシヤの本質とキリスト教のメシヤ観①」(つれづれ日誌-令和5年6月1日) を精読され、読者の皆さんの忌憚のない意見を頂ければ幸いである。 

 

【トランプの指名受諾演説】 

 

さて、今回の本題である「トランプの指名受諾演説」についての論評に入りたい。暗殺未遂の死地から奇跡的に蘇ったトランプ氏は(以下、敬称略)、7月18日、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれていた共和党全国党大会で、大統領候補としての党の指名を正式に受諾した。 

 

<蘇ったトランプ> 

 

受諾演説で冒頭トランプは、13日にペンシルヴェニア州で暗殺されそうになった時のことを次のように語り、神の加護を強調した。 

 

「まさに最後の瞬間に私が頭を動かさなければ、暗殺者の弾丸が完全に命中していただろう。私は今夜ここで皆さんと一緒にいなかったかもしれない。神のご加護によって、私はこのアリーナで皆さんの前に立っている」 

 

死地から蘇ったトランプは、確かに変えられたのだ。従来の攻撃的なトランプから、力強さの中にも全てを包む包容力を感じるものあり、かってルターが落雷で人間が変わったように、おそらくあの時トランプは、霊的な回心体験をしたに違いないと筆者は感じた。「わたしたちの内の古き人はキリストと共に十字架につけられた。もしわたしたちが、キリストと共に死んだなら、また彼と共に生きることを信じる」(ローマ書6.6~8)とある通りである。 

 

それは、「米社会の不和と分裂は癒されなければならない」と団結を強調し、「米国全体の大統領」になると訴えた言葉に象徴されている。トランプは、「あらゆる人種や宗教、肌の色、信条を持つ市民のために安全、繁栄、自由の新時代を立ち上げる」と約束し、「米社会の不和と分断は癒やされなくてはならない。私は米国の半分ではなく、米国全体のための大統領に立候補している」と表明し、「米国史上、最も偉大な4年間を始めよう」と訴えた。 

 

 会場内の大型モニターには、連日、星条旗を背景に銃撃されて血を流すトランプ氏が拳を突き上げ「ファイト、ファイト、ファイト!」と聴衆を鼓舞する姿を映し出し、党内結束の強化を図ったのである。キリスト教国アメリカ市民は、誰もが「神がトランプを救われた」と感じ、神の摂理を目撃し、蘇ったトランプを復活したキリストとダブらせたに違いない。心なしか筆者は、この救世主トランプは、霊的に蘇った安倍さんとタッグを組んで、偉大な世界再生の事業を遂行すると確信した。そしてその時は、我がUCが解放される時である。 

 

<基本政策> 

 

トランプは先ず米国全体へのビジョンを示した。大統領への返り咲きを果たした暁には、移民が不法侵入する国境の危機、国民を苦しめる物価高の危機、ウクライナや中東での戦争の危機を「終わらせる」と断言した。就任初日から国境の「封鎖」や「壁の建設」に取り組むと共に、労働者救済のため1期目を上回る「大規模減税」を実施する考えを示した。また、軍事力の近代化を通じた「力による平和」も強調した。トランプは副大統領候補にJ・D・バンス上院議員(39才)を選任し、共に「米国第一」を信条とする政権を復活させる考えを示し、米国を世界がこれまで見たこともないような、新たな偉大さの高みに導くだろうと強調した。 

 

次にトランプは国際的危機を終わらせることを約束した。現政権下の国際的な危機、即ち欧州や中東での泥沼の戦争、台湾、朝鮮半島、フィリピン、そしてアジア全体で紛争の不安が増し、地球は第3次世界大戦の前兆でぐらぐらしているとした。 ただちに、ロシアとウクライナの戦争や、イスラエルへの攻撃によって起きた戦争を含め、現政権がつくったあらゆる国際的危機を終わらせるとした。いずれも「私が大統領だったら決して起きなかった」とも断言し、バイデン政権を強く批判した。 

 

そして就任1日目に電気自動車(EV)普及の義務化をやめるとした。また、ドリル・ベイビー・ドリル(石油の大量生産)と国境の閉鎖を断行し不法移民を阻止するとした。 

 

そしてトランプは、締めくくりに「Make America Great Again」、即ちMAGA運動を強調し、あらゆる意見の食い違いを放棄し、団結した1つの人々、1つの国家として前進し、この偉大で美しい、とても美しい米国に忠誠を誓う必要があると強調した。God Bless America! 

 

まさにトランプ大統領の就任で、アメリカは、そして世界は変わるかもしれない。神の霊に満ち、力強いトランプの演説は、そのような予感を感じさせるものがあった。トランプはプロテスタント長老派のクリスチャンで、「アメリカは祈りによって支えられている国」と述べ、「神無き民主主義には如何なる生産性もない」と断言し、聖書に基づいてイスラエル擁護を明確にしている。 

 

「マニフェスト・ディスティニー」(Manifest Destiny 明白なる使命)とは、「アメリカは神の特別の使命のもとにあり、神に源を持つ個人の尊厳・自由・人権といった普遍的価値を世界に拡散していくことがアメリカの使命である」とのアメリカ的選民観である。これは歴代大統領に共通する信条であり、トランプの「Make America Great Again」というスローガンの真の意味は、アメリカをもう一度「神に選ばれた特別な国」に復活しようという意気込みであると筆者には思える。 

 

ところでバイデン大統領は21日、11月の大統領選から撤退すると表明し、後任にカマラ・ハリス副大統領(59才)を推薦した。 

 

【副大統領候補ヴァンス】 

 

トランプは共和党副大統領候補にジェームズ・デイヴィッド・ヴァンス(1984年8月2日生れ、39才)を指名した。ヴァンス氏(以下、敬称略)は、政治家、弁護士、ベンチャーキャピタリストで、2022年アメリカ中間選挙でオハイオ州選出の共和党上院議員となった。以下、ヴァンスの半生、政策、トランプがヴァンスを選んだ理由を概観する。 

 

<ヴァンスの略歴> 

 

ヴァンスは2016年、回顧録「ヒルビリー・エレジー」(田舎町の哀歌)を出版したが全米でベストセラーになり、映画化もされた。この頃、トランプを「皮肉屋のろくでなし」「アメリカのヒトラー」などと反トランプを叫んでいたが、その数年後、ヴァンスはトランプの強固な支持者に変身したのである。 

 

そのヴァンスは如何なる半生を辿ってきたのだろうか。オハイオ州の小さな町での貧しく困難な幼少期から身を起こし、海兵隊、オハイオ州立大学、イェール大学ロースクール、そして連邦上院議員になるまでの道のりは、まさにアメリカンドリームの体現者である。

 

ヴァンスは、1984年にオハイオ州ミドルタウンにて、ドナルド・ボウマンとベヴ・ヴァンスの息子として誕生した。ヴァンスの上には、母親が19歳で出産した姉リンジーがいる。 

 

ヴァンスが幼いころに両親は離婚し、その後まもなく、母親の3番目の夫の養子に迎えられる。ヴァンスの幼い頃から母親は鎮痛剤を常用し、その後はヘロインに依存するようになり荒れた生活をした。母親が結婚と離婚を繰り返して生活が安定していなかったため、ヴァンスと姉は主に祖父母に育てられた。この幼少期に体験した不安定な母親の薬物中毒と人間関係の失敗、貧困と低賃金の肉体労働の姿、暴力や暴言、ヒルビリー(山岳民族)と呼ばれた貧困層の白人肉体労働者たちの生活実態は、前記の自叙伝「ヒルビリー・エレジー」に描かれている。 

 

このような貧しく困難な環境の中で育ったヴァンスは、2003年に故郷の高校を卒業後、アメリカ海兵隊に入隊し、イラクに派兵されて広報担当として活動した。除隊後の2009年にオハイオ州立大学で学位を取得し、卒業後、イェール大学のロースクールでJD(法務博士)の学位を取得した。ロースクールを卒業後、ベンチャーキャピタル会社社長を務め、ベンチャーキャピタリストとして働いた。そうして2022年の中間選挙でオハイオ州から上院選に名乗りを上げ、トランプの支持を得て当選し上院議員となったのである。

 

<指名受諾演説> 

 

さて、ヴァンスはトランプから副大統領候補に指名され、17日の共和党の全国大会で指名受諾演説を行った。ヴァンスは演説で、民主党に「脇に追いやられ、忘れ去られた」労働者階級の国民のために闘うと誓った。 

 

ヴァンスは、中西部の貧しい環境で育った自らのルーツを語り、バイデン大統領のような「キャリア政治家」を批判した。また、トランプは国民にとって「最後で最善の希望」だと訴えた。ヴァンスはこの夜の演説で、オハイオ州の小さな町での困難な幼少期から、連邦上院議員になるまでの道のりを語った。 

 

アパラチアの炭鉱地帯の貧しい家庭で育ったことについては、前記の通りである。ヴァンスはこの夜、「アメリカの支配階級」が貿易協定や外国での戦争によって、自らの故郷のようなコミュニティーを破壊してきたと訴えた。そして、「イラクからアフガニスタンまで、金融危機から大不況まで、開け放った国境から賃金の停滞まで、この国を治める人々は失敗に失敗を重ねた」と主張した。 

 

そしてアメリカを「権力の中枢から遠く離れた場所で生まれた労働者階級の少年が、こうした舞台に立つことができる国」と表現した。 

 

アメリカは伝統的に新参者を歓迎してきたが、外国人労働者の輸入はすべきではないとし、「新参者を受け入れるときは、私たちの条件に従って受け入れる」と訴えた。ちなみにヴァンスの妻で優れた弁護士のウシャ・ヴァンス氏は、インド系移民の娘である。 

 

この夜の演説では、ヴァンス氏はウクライナ戦争には触れず、外交政策についても多くを語らなかった。バイデン大統領はXで、ヴァンスが過去、ウクライナに関して「ウクライナがどうなろうと知ったことではない」と発言したことや、ヴァンスの人工妊娠中絶政策を批判した。但し中絶については、最近、ヴァンスは姿勢を軟化させ、各州が決定すべきだとする共和党の公式方針に沿った発言をしている。 

 

ヴァンスは、世界平和を確実にするするために、アメリカの同盟国も負担を分かち合う必要があると主張し、アメリカは紛争を避けるが、挑発されればトランプ政権2期目は「激しいパンチを放つ」とした。 

 

こうしてヴァンスの内外政策はトランプの政策とほぼ一致しており、トランプは、若さ、労働者出身、アメリカンドリームの体現者などのヴァンスの資質を、自分にないキャリアを埋める人物として副大統領候補として選んだのてある。 

 

なおヴァンスは、2019年8月、オハイオ州シンシナティでカトリックに改宗し、洗礼式には多くの保守主義者が列席した。改宗した理由は「カトリシズムが正しいということがわかった」からであり、カトリックの教義は自身の政治的な意見に影響を与えていると述べた。 

 

【新しい世界と日本】 

 

さて、この22日、世界における宗教の自由の促進を目指す「国際宗教自由(IRF)サミット・アジア」が都内で開かれた。マイク・ポンペオ前米国務長官ら登壇者は、中国当局によるチベット族やウイグル族に対する人権弾圧などを批判し、信教の自由を巡りアジア地域で日本が果たすべき役割の重要性を強調した。 

 

登壇者のポンペオ氏は、日本政府による旧統一教会に対する解散命令請求が裁判所に出されていることについて所見を尋ねられ、「ミステイク(まちがい)であり、日本の国にとって有害である」と述べた。ポンペオ氏は「私の判断」としながらも、一連の手続や流れについて「不適切」と指摘し、「日本の指導者たちが再検討し、より良い決定が下されることを祈っている」と述べた。 

 

日本製鉄は、最近、米大手USスチールの買収に向け、ポンペオ氏を助言役に起用した。またポンペオ氏は次期トランプ政権の重要閣僚として入閣する可能性が大きく、日本政府もポンペオ氏の発言を無視できない。トランプ、メンターのポーラホワイト牧師、そしてポンペオ氏はUPFの大会に何度もメッセージを寄せており、UCに理解がある。 

 

この三人が三位一体となって、岸田政権下で苦しむUCに力を貸して下さるよう祈念する。まさにトランプは、かってパビロン捕囚からイスラエルを解放したペルシャのクロス王のように、政府の弾圧に苦しむUCを解き放つ現代のクロス王になる可能性がある。暗殺から九死に一生を得て新生したトランプの大統領2期目は、神が祝福する偉大な4年間となる。(了)      牧師  吉田宏

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​ユニバーサル福音教会牧師
​家庭連合ポーランド宣教師
   吉田 宏

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