◯つれづれ日誌(令和5年11月8日)-解散請求を受けて⑤ イスラエル・ハマス戦争に思うー反ユダヤ主義と反UC思想の類似性
わたしの名をもってとなえられるわたしの民が、もしへりくだり、祈って、わたしの顔を求め、その悪い道を離れるならば、わたしは天から聞いて、その罪をゆるし、その地をいやす。(2歴代志7.14)
11月7日、教団本部にて、田中富弘会長、勅使河原秀行改革本部長による記者会見が開かれ、文科省の解散命令請求を受けての見解などが示されました。冒頭、今回の問題で騒がせたことなどへのお詫びがあり、解散請求を受けての教団としての対応、今までの献金返還請求への対応、特にコンプライアンス宣言以降のトラブルが激減していることの説明、教団改革の現状、そして、被害救済のための政府への供託金の提案などの説明があり、最後に記者からの質疑応答がありました。
今回の記者会見に関する筆者の受け止めの詳細については、別の機会に譲るとして、結論から申せば、田中会長の説明は簡潔かつ的をついたもので、説得力があり安定感があるものでした。特に朝日新聞の笹山記者から質問を受けた「UCへの差別的な被害状況」については、自殺や離婚、脅迫や投石、解雇や受診拒否など数々の差別や虐待、2万件にも上る教会への嫌がらせ、脅迫電話、殺人予告など、具体例を挙げて説明し、大変心打つものがあり、記者たちは、これをどういう思いで聞いたのだろうかと一瞬思わざるを得ませんでした、
【イスラエルへのハマスの奇襲とUCの受難】
さて、その出来事は10月7日、現地時間午前6時半ごろ突如として勃発しました。パレスチナのテロ組織ハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃です。ガザ地区からの3000発以上のロケット弾攻撃で始まり、同時にハマス戦闘員が壁を超えてイスラエル側に侵入し多数の人々を無惨に殺傷しました。ハマスによって殺害されたイスラエル人は約1200人、更に220名以上の人々が人質として拉致されていきました。正にイスラエルにとっての「9・11」であり、ナチスのホロコースト以来、最大の犠牲者を出した大事件でした。
ちなみにハマスとは、パレスチナ・ガザ地区を実効支配する武装組織で(ハマスの軍事部門の人数は1万5000人~2万人)、イスラエルの抹殺と、イスラム国家の樹立を目標に掲げ、2007年にガザ地区を掌握して以来、イスラエルと何度か交戦してきました。現在、ヨルダン川西岸地区の「パレスチナ自治区」とは対立しています。
このハマスの攻撃に対しイスラエル側は、ネタニヤフ首相が「われわれは戦争状態にある」とする声明を出して、「鉄の剣」と名付けた挙国一致の自衛とハマス殲滅の作戦を開始し、ガザ地区にあるハマスの拠点などに対して、連日激しい空爆を行い、地上戦にも突入しました。一連の軍事衝突で民間人を人間の盾とする卑劣なハマスの作戦により民間人にも被害が出て、現在双方の死者の数はイスラエル側で1500人、ガザ地区で5000人以上と言われます。紛争から戦争へと向かう趨勢にあり、民間人の犠牲が憂慮されます。それにしてもこの紛争は、イスラエルにとって国家存亡の大艱難であることは確かです。
(左)10月7日ハマスがイスラエルに向けてロケット弾を発射 (中)ハマスからのロケット弾を迎撃するイスラエル軍 (右)イスラエル軍の爆撃を受けたガザ地区市内
この日以来、世界はウクライナ戦争と並んでイスラエル・ハマス紛争一色になりましたが、奇しくも丁度この日(10月7日)は、解散命令請求を前提として文科省がUCに過料を課すよう東京地方裁判所に申し立てた日であり、そして10月13日には解散命令請求が出されました。
筆者には、これらイスラエルとUCの問題に、目に見えないつながりと類似性、即ち同じ「理不尽な受難」という強い共通項を感じて、しばしイスラエルの数奇な運命に思いを馳せたものです。そして、このイスラエルとハマスの紛争は、筆者には「UCと全国弁連」との戦いとダブって感じられ、深刻に考えざるを得ないものがあります。何故なら、ハマスはイスラエルの抹殺を目的とするテロ集団であり、全国弁連はUCの消滅を目的とする団体であるからです。以下、この問題意識の下にイスラエル・ハマス戦争とUCバッシングの関連を見ていくことにいたします。
【乳と蜜の流れるカナンの地、紛争のパレスチナ】
パレスチナ地域は、1948年のイスラエルの独立宣言と、その後の4回に渡る中東戦争(48年、56年、67年、73年。4回ともイスラエルが勝利)を経て、現在イスラエル国とパレスチナ自治区に分断されています。パレスチナ自治区はヨルダン川西岸地区とガザ地区から成り、西岸地区(5660km2、人口約380万人、東エルサレム含む)には、現在、約40万人のユダヤ人が入植し、西岸の61%をイスラエル軍が行政権を握っています。またテロ組織ハマスが支配するガザ地区は種子島ほどの広さ(256km2)に220万人が住み、周囲には壁やフェンスが張り巡らされ、移動の自由も制限されていて、「天井のない監獄」とも呼ばれています。
ちなみにイスラエル国は2.2万 km2(日本の四国程度)の広さで、人口約950万人、人種はユダヤ人約74%、アラブ人約21%、その他約5%、宗教はユダヤ教約74%、イスラム教約20%、キリスト教約2%となっています。なお、アメリカには約750万人のユダヤ人が住んでいます。もともと、パレスチナとは、レバノン、シリア、ヨルダン、エジプトなどの地中海東海岸の地域を指し、ユダヤ人は「カナン」と呼んできました。即ちカナンとは、地中海とヨルダン川・死海に挟まれた地域一帯の古代の地名であり、聖書学者のマイケル・クーガンによれば、北はダン、南はベエルシェバ、東はヨルダン川、西は地中海に囲まれた地であります。
聖書で「乳と蜜の流れる地」(出エジプト3.8)と描写され、神がアブラハムの子孫に与えると繰り返し約束した土地であることから、「約束の地」と呼ばれました。故にイスラエルは、宗教的観点からもこの地には強い憧憬と執着があるというのです。
「その日、主はアブラムと契約を結んで言われた、『わたしはこの地をあなたの子孫に与える。エジプトの川から、かの大川ユフラテまで。すなわちケニびと、ケニジびと、カドモニびと、ヘテびと、ペリジびと、レパイムびと、アモリびと、カナンびと、ギルガシびと、エブスびとの地を与える』」(創世記15.18~21)
16世紀以降この地はオスマントルコ帝国の一部として、イスラム教徒、キリスト教徒、ユダヤ教徒が共存していました。
<イスラエル建国と中東戦争>
19世紀、ヨーロッパで差別や迫害を受けていたユダヤ人の間では、パレスチナに民族国家建設をめざす「シオニズム」が生まれます。 19世紀末、ロシアでポグロムと呼ばれるユダヤ人迫害を背景に、アメリカへの移住と共に、パレスチナ移住が盛んになり、 ユダヤ系資本によるパレスチナの土地の買い占めが始まりました。1930年代にナチスによるホロコーストのユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れ、その犠牲と同情の上に、第二次大戦後シオニズムの主張が現実味を帯びてきました。
第一次世界大戦中のイギリスの二枚舌外交(三枚舌外交)で混乱がありましたが、1947年、国連はパレスチナの土地にアラブとユダヤの二つの国家を作るという「パレスチナ分割決議」を採択します。その内容は、パレスチナのアラブ系住民に43%、 ユダヤ系住民に57%の土地を与えるというもので、アラブ系住民とアラブ諸国から猛反発が起こります。
アラブ・ユダヤ双方の武装対立と緊張関係の中、遂に1948年、ユダヤ人はイスラエルを建国しました。イスラエル建国宣言を受け、第一次中東戦争(1948年~1949年)が勃発します。 この戦争で70万人のパレスチナ人(パレスチナに住むアラブ系住民)が居住地を無くし、 ヨルダン川西岸地区やガザ地区、そしてヨルダン、シリア、レバノンなど近隣諸国に移住しました。
更に、1967年イスラエルとアラブ連合(エジプト・シリア)の間での第三次中東戦争や、 1987年、ガザ地区の難民キャンプから「インティファーダ」と呼ばれる反占領闘争が広がったりするなどの紆余曲折があったものの、1993年のイスラエル ラビン首相とPLO(パレスチナ解放機構) アラファト議長の「オスロ合意」 で、イスラエルを国家として、PLOをパレスチナ自治政府として相互に承認する合意がなされました。このオスロ合意に基づき、 ヨルダン川西岸地区は、ガザ地区と共に「パレスチナ自治区」になり、それぞれの支配領域が一応確定されました。この暫定自治は当初5年間となっていましたが、そのままを今を迎えているというのが実際のところです。
現在、パレスチナの(ヨルダン川)西岸地区は、PLOのアラファト議長の後、穏健派のアッバス議長が政治を行っています。その後路線の違いなどから、ハマスが支配するガザ地区と西岸地区に分れ、ハマスはオスロ合意を認めない姿勢でテロ攻撃を続け、和平プロセスは現在に至るまで停滞しています。ともかく、こうして神がイスラエルに「わたしはこの地をあなたの子孫に与える」」(創世記15.18)と約束されたカナンの地に、難産の末、再び悲願の国を建てることができたのであります。
<イスラエルとパレスチナの紛争>
今回イスラエルに対してテロを仕掛けたハマスの正式名称は「イスラム抵抗運動」で、1987年に発足したハマスは、国家としてのイスラエルを一切認めない強硬な立場をとり、武力闘争を掲げて自爆テロなどを行いました。そしてパレスチナ自治政府の政治勢力「ファタハ」との武力対立闘争をへて、2007年からはガザ地区を実効支配しています。ハマスは、アメリカやEU(ヨーロッパ連合)などからテロ組織に指定され、イランから武器や資金の支援を受けています。
アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、カナダ、インドなどの首脳はイスラエルへの支持とテロ行為を非難する声明を発表しましたが、情けないことに岸田首相は曖昧な態度で賛否を鮮明にしませんでした。しかし、アラブ連盟のアブルゲイト事務局長は「ガザでは、これまでも多くの人々が殺害され、流血の事態が起きてきた。イスラエルはこうした行為を繰り返してきた」と述べ、逆にイスラエル側を批判しました。
<ハマスは何故イスラエルを奇襲したか>
イスラエルには、歴史上の幾多の犠牲から学び、やられたら徹底してやり返すという国是があり、イスラエルから何十倍もの報復を受けることを覚悟の上、ハマスは何故勝ち目のないイスラエル攻撃をしたのでしょうか。ひとつには、ガザ地区の社会・経済は16年間の封鎖によってひどい状況にあり、そうした中で、封鎖に対するガザ住民のうっ積した不満や怒りが実行支配しているハマスにも向かいかねず、何かしなければいけないという焦りがあったと言われています。また、ハマス自身にもイスラエルへのうっ積がありました。
今ひとつは、79年にエジプト、94年にヨルダンと平和条約を締結し、2020年には、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン、スーダン、モロッコがイスラエルと国交を正常化させ、またサウジアラビアとの関係正常化という話が進んでいたことです。つまり、ガザの問題は見捨てられて、経済支援もなくなる可能性があり、この恐怖をハマスは感じ、 ここで何か大きな軍事作戦をやれば、そうした流れを食い止める、あるいは大きな妨げになるというふうに考えたのだと言われています。実際、ガザの問題は国際的な大ニュースになり、賛否両論が沸騰し、ガザに国際社会の目を向かせる、さらにはアラブ諸国の目を向かせるという意味では、ハマスにとっては狙いどおりになっていると言えるでしょう。
おまけに、「残虐なテロを行ったハマスも悪いが、民間人を爆撃で多数殺害したイスラエルも悪い。もともとパレスチナの土地に先住していたパレスチナ人を追い出して難民にしたのはイスラエルで、パレスチナ人は可愛そうだ。ハマスにも一理ある」と言ったマスコミ報道がなされて「反ユダヤ主義」が台頭しているというのです。中東研究の政治学者高橋和夫氏の著著『アラブとイスラエル』(講談社現代新書P44)には次のように記されています。
「こうして、パレスチナで少数派であったユダヤ人が多数派に変身し、多数派であったパレスチナ人が少数派に転落した。パレスチナ人の悲しみのパレスチナの悪夢が始まった」(P44)
<イスラエルのための祈り>
しかし今回のハマスの奇襲問題で、親イスラエルで有名な中川健一牧師は動画「イスラエルのための祈り」の中で、イスラエルを支持すべき理由について以下の3点を指摘されました。
第一にイスラエルが神の選びの民であり、そして聖書的に見てイスラエルの存続と救いが再臨の前提条件だということです。
「あなたはあなたの神、主の聖なる民である。あなたの神、主は地のおもてのすべての民のうちからあなたを選んで、自分の宝の民とされた」(申命記7.6)
第二に、イスラエルは人類に大きな貢献をしたということです。即ちイスラエルは人類に「聖書」を与え、一神教を教え、「イエス・キリスト」を生み出しました。確かにこれ以上の貢献はありません。
第三に、一方的に卑劣な奇襲を仕掛けたのはハマスであり、今回のハマスによる攻撃で、イスラエルはホロコースト以来最悪の犠牲を被ったということ、そして今回の戦いはイスラエルの生存をかけた自衛の戦いであり報復する権利と義務があるということです。
以上の通り、ハマスによるテロは卑劣極まりなく、前記の高橋和夫氏著『アラブとイスラエル』に見られるように「ハマスのテロは悪いが一理がある」と言ったテロを美化する国際世論の二重基準は、テロを正当化する危険な考え方であると警告し、今こそイスラエルのための祈りが必要だというのであり、筆者も同意するものです。(但し、中川牧師はUCを異端と見なしている)
【イスラエル紛争とUC問題-4つの類似性】
それにしても、ユダヤ人ほど世界から憎まれ、数奇な運命を辿った民族はありません。一方、ユダヤ人ほど、人類に多くの貢献をした民族もありません。 前述の通り、世界に一神教(聖書)をもたらしたこと、イエス・キリストを生み出したこと、この2つはユダヤ人の人類史的貢献と言えるでしょう。またノーベル賞の20%はユダヤ人です。確かにイエス・キリストを十字架にかけたことは、ユダヤ人が犯した取り返しのつかない罪ではありますが、ユダヤ人イエスが生まれていなかったら、そもそもキリスト教は存在しなかったのです。
筆者は今回のイスラエル・ハマス紛争(戦争)を見ながら、岸田首相のUC解散命令請求に象徴される魔女狩り的なUCバッシングと、あまりにもよく似た構造を感じて驚きを禁じ得ませんでした。つまり、今のイスラエルの直面する艱難は、次元の違いこそあれ、我がUCの状況と瓜二つだというのです。以下、4点について、筆者の感じるところを述べたいと思います。
先ず第一は、反ユダヤ主義と反UC思想の類似性です。
今回の問題で、早くも「ハマスも悪いがイスラエルも悪い」と言った風評、イスラエルの存在そのものを否定するテロ集団ハマスを非難せず、イスラエルを否定する論調、即ち「反ユダヤ主義」が台頭しています。国連にはイスラエルには厳しく、ハマスには穏便にと言った論調が潜在的にあることは周知の事実です。ちなみに反ユダヤ主義とは「ユダヤ人およびユダヤ教に対する敵意・偏見・憎悪・迫害」ですが、これには、「ユダヤ選民主義」への反感、「キリスト殺し」という宗教的・神学的偏見、ナチスのホロコーストに見られる人種的な「反セム主義」などが主な源泉になっています。
同様にUCバッシングにも、「山上徹也も悪いがUCはもっと悪い。山上被告にも一理ある」と言った筋違いの風潮が席巻し、ハマスやイランが反ユダヤを煽るように、全国弁連や左翼が親泣かせ原理運動や霊感商法を再燃させ、カルト・反日団体と喧伝して「反UC思想」を煽りました。
第二は、ハマス美化の論調と山上美化の風潮です。
即ち、テロ集団であるハマスをむしろ悪いイスラエルに制裁を加えた戦士として、英雄視する傾向がアラブ諸国やイスラム教徒など世界世論に見られるという事実です。これは、テロそのものの卑劣さを問題にせず、むしろテロを実行した山上被告を持ち上げるマスコミの風潮と瓜二つです。こうしてハマスも山上も、イスラエルを悪者にする、UCを貶めるという自らの目的をテロという手段で成就することになり、このようなことは許されることではありません。
第三は、イスラエルは世界を二分し、UC問題は世論を二分するということです。
前記の中川牧師は、今回の問題で「イスラエルは世界を二分する」と指摘しました。つまり、イスラエル対ハマスの紛争は、ハマスのバックについているイラン・トルコ、カタールなどのアラブ諸国やロシア・北朝鮮などの独裁国家と、イスラエルを支持するG7(但し、日本を除く)などの自由民主主義諸国との世界を二分する戦争に発展する恐れがあるというのです。このようなイスラエルという小国に世界が注目し世界に影響を与えるとは、一体イスラエルとは如何なる国なのか、今さらにその意味を問わざるを得ないというのです。
筆者は前回の「つれづれ日誌(令和5年11月1日)」で、UCバッシングの一件は、思想的に見れば、一神教的な価値観と多神教的な価値観の相克を背景とした「有神論と無神論との戦い」と見ることができると述べました。そして一神教の顕著な特徴として「二つに分ける分別思想」を指摘した上、この度のUC問題は、あいまいでぬるま湯的とも言われ、全体の空気感で左右され安い日本の多神教的風潮への「善悪分別の一石」と言えなくもないと明言しました。
従って筆者は、「イスラエルは世界を二分する」との中川牧師の見立てに我が意を得たりの感があり、このように、イスラエルもUCも、小さな集団でありながら世界が注目せざるを得ないのは、両者とも聖書の民、神の摂理の中にある集団であるからだというのです。
第四は、イスラエル・ハマス戦争は人々を「聖書」に関心を向けさせ、UC問題は人々を「原理」に注目させたということです。
イスラエル・ハマス戦争は、人々をエゼキエル書や黙示録など聖書に関心を向けさせたと神学者や牧師は指摘していますが、UC問題は「原理の教義とは何か、文鮮明師とは誰か」という本質的な問いに人々を向かわせたというのです。UCに批判的な宗教社会学者の櫻井義秀氏でさえ「統一教会とは何なのか、どういう宗教なのか、何故人を集められるのか、何故離脱しないのか」(櫻井義秀著『統一教会』P316)と言った本質的な問を発しています。
中川牧師は、ハマスを非難するよりイスラエルを批判する論調に警鐘を鳴らし、反ユダヤ主義は神の救済摂理を妨げるアマレクのように悪魔的だと警鐘を鳴らしながら、また一方では、イスラエル・ハマス紛争はイスラエルのかたくなさを打つ神の試練だとし、この際、イスラエルは罪の大掃除をしなければならないとも言われています。我がUCも他人事ではなく、我が罪の大掃除をしなければなりません。
今イスラエルでは、正に国家存亡の大艱難の時と位置付け、歴代志「わたしの名をもってとなえられるわたしの民が、もしへりくだり、祈って、わたしの顔を求め、その悪い道を離れるならば、わたしは天から聞いて、その罪をゆるし、その地をいやす」(2歴代志7.14) の聖句を噛みしめ、そして詩篇130篇を朗読して、党派と教派を超えて一丸となって祈る「国家祈祷日」が提唱されています。
主よ、わたしは深い淵からあなたに呼ばわる。
主よ、どうか、わが声を聞き、
あなたの耳をわが願いの声に傾けてください。
主よ、あなたがもし、もろもろの不義に目をとめられるならば、
主よ、だれが立つことができましょうか。
しかしあなたには、ゆるしがあるので、
人に恐れかしこまれるでしょう。
わたしは主を待ち望みます、わが魂は待ち望みます。
そのみ言葉によって、わたしは望みをいだきます。
わが魂は夜回りが暁を待つにまさり、
夜回りが暁を待つにまさって主を待ち望みます。
イスラエルよ、主によって望みをいだけ。
主には、いつくしみがあり、
また豊かなあがないがあるからです。
主はイスラエルをそのもろもろの不義からあがなわれます。(詩篇130篇)
我がUCもイスラエルと同様、正に教団存亡の大艱難の時であり、イスラエルに習って「全信徒・教団祈祷日」を設けて祈りの時を持てばどうでしょうか。神は歴史を支配され、万事を益として下さる方(ローマ8.28)であり、試練により、悔い改めにより、霊的覚醒のリバイバルが顕れるのは歴史が示すところであります。
以上、イスラエル・ハマス紛争の情勢を分析し、特にUCバッシングとの類似性を見て参りました。真の和平には未だ「日暮れて道遠し」の感がありますが、イスラエルが国家的悔い改めに導かれ、待ち望んできた「Second Advent」(再臨)を受け入れて、イスラエル4000年歴史の有終の美を飾って欲しいものです。奇しくも2003年12月23日、エルサレムの独立公園で、UC創始者の指導のもと、超宗教の指導者、信徒ら約2万人によって「イエス様平和の王戴冠式」が挙行され、イスラエルのために祈りました。イスラエルが再臨の救いと出会い、変えられて、民族的洗礼ヨハネの役割を担うようになる事を祈念してやみません。 (了) 牧師・宣教師 吉田宏
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