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韓国のキリスト教④

🔷聖書の知識43-韓国のキリスト教(4)-歴史認識に関する究極の日韓論

韓国のキリスト教シリーズの最後は、日韓の歴史認識問題です。これはかなりハードなテーマであり多様な見解があると思われますが、可能な限り公平且つ客観的に論じる次第です。

アンティセミティズム(反セム主義)とは、反ユダヤ主義のことを言います。何故ユダヤ人は世界から嫌われたのでしょうか。一般的には次の6点がよく知られています。aキリスト殺し、b富を露骨に稼ぐ、c選民意識が強く傲慢、dそもそも劣悪な人種、e世界に紛争の種を撒き散らす、fなかなか回りと同化せず厄介。

しかし、聖書的には悪魔がユダヤ人を嫌われるように仕向けたと言います。神が人類を救済する方法としてアブラハムを選び、アブラハムの子孫を通して世界が祝福されるということをサタンが知って、ユダヤ人を滅ぼして神の摂理を挫折させることを狙ったというのです。

朝鮮半島は、ユダヤの受難の歴史と似通ったところがあり、反面教師になりますね。韓国も日本も、何故ユダヤ人が嫌われたかを研究して、そこから歴史の教訓を引き出すことが大切です。

韓国は日本の隣の国で、良くも悪くも付き合っていかなければならない宿命の国であります。しかし世界を見ても、およそ国境を接した国に仲が良い国はありません。とかくお隣は厄介であり、日韓関係もその例に漏れないのです。

今や、反日・嫌韓が定着したかに見える昨今、この厄介な隣接国について、特に日韓の歴史認識の違いに的を絞って考えて見たいと思います。何故なら、日韓のギクシャクした関係の第一の原因が歴史問題であるからです。

そしてこの歴史問題とは、1910年から1945年迄のいわゆる日帝支配時代をどう認識するかであります。

ここに二つの違った考え方があります。日本の支配は韓国から7つの宝を奪った(日本7奪)悪魔の仕業で1000年経っても忘れない、従ってその恨が晴れるまで物心の謝罪を求める、というものです。

もう一方は、ロシアの南下を防ぐためには安定した朝鮮半島が必須で、李王朝の自力改革が困難である以上日本の統治はやむを得なかった、それに結果的に韓国にとって良かったことで、(悪いこともしたが)いいこともした、というものです。

そしてこれらは、誰がどうしたといった歴史論よりも、むしろ両民族、両国家における「宿命論の問題」として捉えた方が生産的だ、と筆者には思われます。

そこで取り敢えず、相互の歴史認識を考察することから始めていきたいと思います。

1、相互の主張

七奪とは、日本が韓国併合により7つのものを奪ったとする韓国側の主張です。即ち、日本は韓国から、主権、国王、人命、国語、土地、資源、姓名の7つを収奪して暴虐をほしいままにしたというのです。

上記の主張に対して、逆に日本は韓国ために「七大貢献」をしたという言い分があります。

例えば、「もともと清の属国であり、日本併合は二国間の契約だった、また国内では李容九らが100万人の一進会を結成し、日本との一体化こそが国を救う道であるとの運動を行った(主権)」、「日本は李王家を日本の皇族の一員として迎え手厚く保護した(国王)」、「日本の統治時代、朝鮮の食糧生産が増え、衛生環境も改善され、餓死者や病死者が激減し、朝鮮の人口が2倍に増えた(人命)」と言った弁明です。

さらに、「日本の国費で朝鮮に6000もの学校が建設され、庶民にハングルが普及した(国語)」、「近代的測量技術を使って土地調査を行い民衆に還元した(土地)」、「開発を行って国を富ませ、戦後も日本の資産を無償で残した(資源)」、「日本名はむしろ朝鮮人満州開拓団などからの強い要望だった(姓名)」、とも弁明しています。

2、朝鮮半島の時代状況

朝鮮半島は、地理的に回りを大国に囲まれ、特に中国に1500年間属国として支配され、また北方民族にも攻められ多くの犠牲を払ってきました。強いものにおもねるという「事大主義」はこういう厳しい環境から生まれた生き残りの術と言われています。

中国は朝鮮半島に対して生かさず殺さずの愚民化政策をとり、韓国が中国を脅かすような強国になることを許しませんでしたので、韓国には石垣に囲まれた城も軍隊も経済的発展も無い状態に置かれてきたのです。

韓国の知識人から、李王朝時代を「失われた500年」とか、「ただ無為に過ごしてきた500年間」といった自虐的な言葉が発せられるのは無理からぬことであります。このように中国の生かさず殺さずという韓国統治政策によって李王朝末期は惨憺たる状況で、王朝はすでに統治能力を失っていたのです。

3、日本の統治の光と影

そこに中国とロシアと日本が朝鮮半島の覇権を争いました。朝鮮半島が中国やロシアの支配下に置かれることは、即日本の防衛上の脅威となりますので、日本は死活問題として捉え、日清戦争と日露戦争を戦い、中国とロシアを朝鮮半島から追い出したのです。

もし日本が敗退していたら、韓国は間違いなく中国かロシアの植民地になっていました。歴史に「もしも」はありませんが、もしそのようになっていたら韓国はもっと悲惨な姿になっていたというのが日本の保守派知識人の考え方です。韓国には酷な話でしょうが、筆者も「まだ日本で良かった」と正直思います。

文鮮明師も、「日本による韓国併合は、再臨摂理のための経済基盤、社会基盤を造成するために、神が後押ししたんだ」と言われています。

さらに「日本の圧政は日々激しくなり、国土は血の涙に濡れていました」(「平和を愛する世界人として」P88)と言われて日本の統治を非難される反面、「あのまま李王朝が続いていれば、間違いなく私は殺されていた」とも語られ、一見、日本の韓国併合を神の摂理と見ておられた一面があることに留意しなければなりません。

確かに日本の統治には光と影があります。特に1937年の盧溝橋事件以降終戦までは、韓国民は物心両面で被害を受けました。しかし、韓国民にとって不幸中の幸いは、儒教的な身分秩序でがんじがらめになって停滞していた李王朝が倒され、日本の統治によって、当時40%もいた奴隷(奴婢)が解放され、曲がりなりにも四民平等の制度が出来たということであります。

日本もそうでしたが、この身分制度の打破、思い切った近代化改革は外からの強い力なくして自力では困難です。元陸軍将校の池萬元(チマンウォン)著「反日への最後通告」には、「日本が強制的に開化させていなかったならば、そして朴正煕大統領が維新によって強制的に経済発展させなかったならば、今日の韓国はなかった」と書かれています。

しかし儀礼の国、小中華の誇り高い韓国民にとって、当時は弱肉強食の帝国主義時代だったとはいえ、誰が支配しようが支配されることは嫌なことです。その意味で日本に恨みを抱くのは無理からぬことでありましょう。

4、日本の統治を嫌った理由

ところで日本の統治をアジアで感謝している国もあります。特に台湾などはそうです。では何故台湾では感謝され、韓国では恨まれたのでしょうか。

その理由として、一つは韓国の階級的な両班制度があげられます。日本の統治により奴隷が解放され、それを支配していた両班の既得権益が侵害されたからです。即ち既得権益が失われることによって、いわば両班が失業を余儀なくされたのです。

日本でも明治維新によって武士階級が職業を失ったのと同様です。既得権益を失った武士は各地で氾濫を起こし、その頂点に立つのが西郷隆盛率いる西南戦争でした。西郷は不平武士に担がれて西南戦争を起こしましたが、不平武士を束ねて、自ら犠牲になって結果的にこれを一掃したといわてれいます。

韓国では500年間の階級制度が壊れることによって両班が行く道を喪失したのです。だから日本の支配に激しく抵抗しました。伊藤博文を暗殺した安重根も李承晩も、独立派はみんな両班出身です。

それともう一つの理由は小中華思想です。中華思想とは、中国が世界の中心であり、中国の周辺になればなるほど野蛮国になるという考え方です。韓国はその中華思想の忠実な信奉者で、自らを中国の次の序列の国、即ち「小中華」と呼んだのです。自分は中国の一番の子分ですから、日本は韓国よりも序列が低い小・小中華であるというのです。即ち自分より格下で野蛮な日本に支配されたことが屈辱的であるというのです。

5、キリスト者の歴史認識

こういうわけで日本は韓国に大変な恨みを買いました。しかしこれは日本が悪いとか韓国がおかしいとかの問題ではありません。この歴史は双方が共に運命として受け入れて行くべきことなのです。世界の誰も加害者にも被害者にもなりたくないのですから。

韓国の首相候補で著名な日刊紙の主筆であった人物が、キリスト教の集会で、「日本の植民地時代は李王朝で無為に時間を費やしてしまった韓国に、神が試練を与えたのであり、この十字架は神の試練として甘受しなければならない」とのキリスト者らしい歴史認識を示しました。このスピーチのお陰で彼は首相候補を降ろされましたが・・・。

この考え方は、イスラエルが滅亡してバビロンに捕囚された時の試練期において、預言者らが語った内容と同じです。「イスラエルの不信仰を神が他国を使って審判されたのだ。我々は悔い改めて神に立ち返なければならない」と叫びました。そしてこれが本来、試練に際して取るべき信仰者の姿勢、聖書が教えるところであります。

上記首相候補の指摘は正論で、聖書的な態度です。勿論、色々な理由はあるにせよ日本は加害者として韓国にしたことを正当化出来る立場にはありませんし、日本は自己正当化を止めて率直に謝らなければなりません。

しかし、正直ここにきて日本にはやや「謝罪疲れ」があります。歴代日本の首相や閣僚は、ことある毎に半島支配を「遺憾」として謝ってきました。宮沢喜一や河野洋平などの謝罪はその典型です。一体、いつまで謝れば済むのか、と。

だが韓国にとっては、「まだ日本から心からの謝罪が聞かれない」というのが実感だというのです。

6、反日の虚構ー政治宣伝と金儲け

しかし、反日は選挙に利用されてきました。先般の国会議員選挙で、与党の「共に民主党」は、なりふり構わず反日キャンペーンを行って勝ちました。いわゆる「反日種族主義」は根強く、反日は票になるのです。

また、反日は金になるのです。最近、元慰安婦の李容洙(イヨンス)さん(91)が、韓国の元慰安婦支援団体「正義記憶連帯」(旧挺対協)による寄付金の不正流用を指摘し、「挺対協が慰安婦を利用したことは絶対に許せない」と訴えました。

李さんは流用疑惑について、前理事長の尹美香(ユンミヒャン)氏らは「必ず罪に問われ、罰せられなければならない」と求めました。

また、李さんは正義連に対し、「30年間も利用され、だまされてきた」と強調し、元慰安婦を「性奴隷」と主張して、旧日本軍による被害を訴える運動のやり方にも「どうして私が性奴隷なのか。とんでもない話だ」と怒りをあらわにしています。

今回の朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長の自殺は、セクハラ告訴が直接の原因だとされていますが、上記の慰安婦募金の流用問題が深く絡んでいると言われており、今回の自殺は、他殺(変死)の可能性も一部で取り沙汰されています。

こうして慰安婦救済の名目で集めた募金の3%しか慰安婦のために使われていなかった事実が浮き彫りにされました。このように反日運動で多額の募金を集めて、それを勝手に流用することが日常茶飯事のように行われていたというのです。

ソウル大学元教授の李栄薫(イヨンフン)は、編著「反日種族主義」の中で、「韓国の民族はそれ自体で一つの集団であり一つの身分です。そのため、むしろ種族と言ったほうが適切です」と語り、韓国人の精神文化は即物的シャーマニズムの種族(部族)主義が根底にあり、その際「嘘は種族を結束させる象徴となる。これが日本に対する時に反日種族主義となる」(P24)と指摘しました。そして慰安婦の嘘がこの典型だと主張しました。

李栄薫教授らは、決して売国奴ではありません。彼らは、真に韓国の未来を案じて「反日」の虚像を指摘すると共に、「反日では韓国の未来はない」との真摯な問題提起をしたのであり、彼らこそ真の愛国者です。

また、近年、韓国が慰安婦、徴用工、竹島問題などで強気になってきた背景には、日本と肩を並べる経済力がついて、対抗意識が高まった結果だと見る見方があります。

そして、反日・抗日は韓国においても、北朝鮮においても、そもそも国家存立の根拠になっているという事実です。

韓国憲法前文には、「3・1運動で建立された大韓民国臨時政府の法統を継承し」とある通り、日帝支配からの独立精神が唱われています。また、そもそも北朝鮮の金日成の存在理由は、日本との抗日闘争の英雄という伝説にあると言われています。

7、では、今後どうすればいいのか

韓国では「反日」、日本では「嫌韓」が今の日韓関係を表すフレーズになっているという不名誉な状況は如何にも不自然です。しかし、愛するからこそ反発し、愛するからこそ嫌うという逆説もまた真なりであります。何故なら愛憎はコインの表裏であるからです。

この日韓の歴史問題は、南北朝鮮の和解が困難なように、永遠に和解不可能な問題なのでしょうか。筆者は時間的な経過は必要としても、和解は可能であり、またその希望を捨ててはならないと考えています。そこで以下の通り和解に向けた3つの提案をするものです。


その一つは、日韓両国民の多くは、断絶より和解を求めているという事実です。また、自由主義、民主主義、自由市場経済、法の支配という共通の価値を有する日韓は、断熱より和解の方が防衛的にも経済的にもはるかにメリットがあり、且死活的であるとの認識を再確認することであります。

二番目は、日韓は地理的に隣接しており、日韓の親善・和解・一体化は歴史が要求し、摂理が要求するところだということです。人間の思惑を越えたところにある宿命的な両国関係だという認識です。 

その日韓双方にとって一番重要なキーワードは、「悔い改め」です。かってダビデが殺人と不倫を悔い改めたように(詩篇51章)、かってイスラエル預言者たちがバビロン捕囚に際して偶像崇拝の不信仰を糾弾し懺悔したように、日本人は高慢を、韓国人は責任転嫁を「悔い改める」ことが不可欠です。

三番目は1998年に金大中大統領と小渕首相との間で結ばれた「日韓新パートナーシップ」の精神を原点として、これを相互に再確認することです。

小渕首相は、我が国が過去の一時期韓国国民に対し、植民地支配により多大の損害と苦痛を与えたという歴史的事実を謙虚に受けとめ、これに対し、「痛切な反省と心からのお詫び」を述べました。

これに対し金大中大統領は、「かかる小渕首相の歴史認識の表明を真摯に受けとめ、これを評価する」と同時に、両国が過去の不幸な歴史を乗り越えて和解と善隣友好協力に基づいた未来志向的な関係を発展させるためにお互いに努力することが時代の要請である旨表明しました。

8、補講ー民族主義の克服

冒頭において、ユダヤ人が何故嫌われたかということを論じました。その一つに過度な選民意識を挙げましたが、この点は歴史の教訓に学ぶことが肝要です。神に選ばれるということは、裏を返せば選ばれなかった国(異邦人)があるということであります。これを配慮しなければなりません。

何故イスラエルは他国、特にメソポタミア地域の回りの国々から憎まれたのでしょうか。それは、神に愛されなかった国の愛された(選ばれた)国への嫉妬です。

このことに関連して敢えて付言すれば、韓国はアダム国家「父の国」、日本はエバ国家「母の国」といった用語は、かってのイスラエルの過剰な選民意識(民族主義)の弊害を感じさせる響きがあり、こういった言葉は使わない方が良いと筆者は考えております。

選民意識は世界宣教の障害になります。キリスト教が世界的に広がっていった大きな理由に、ユダヤ人・イスラエル国家とイエス・キリストを切り離したことが挙げられます。

メシアはイスラエルだけのために来られたのではなく、全人類のために来られたのだという信念が、キリスト教を一民族宗教から世界宗教に格上げしたと言われています。

UCも、「父国」韓国、「母国」日本といった一国に特別な名称を与える区別的な言葉は慎重に扱わなければなりません。世界には200もの国々があり、主を受け入れた国は皆それぞれ選民国家であります。選民とは成約の神と再臨を受け入れた人々をいうのであり、韓鶴子総裁も大会において、「この場に集った皆さまは神の選民です」と語られています。

従って民族主義を刺激するような響きのある用語は、ユダヤ人が嫌われた教訓を見るまでもなく抑制的であるべきです。なお、様々議論を呼んでいる原理講論の第二次世界大戦での日本の立ち位置、及び再臨論の問題点については後日筆者の見解を述べることにいたします。

それにしても韓国は、かのイエス・キリストを産み出したイスラエルのように、人類のために「再臨主(真の父母)を産み出した民族」として、その称号は永遠に残ることでしょう。

さて以上で4回に渡る「韓国のキリスト教」を終えることにいたします。今まで、宗教改革から始まり、アメリカのキリスト教、日本のキリスト教、そして韓国のキリスト教と述べて参りました。次回からは、順次聖書とキリスト教神学の主要な論点、争点について論じていくことにしたいと思います。(了)



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