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アメリカのリバイバル(霊的覚醒運動)

◇聖書の知識19ーアメリカのリバイバル(霊的覚醒運動)

すると、一同は聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろの他国の言葉で語り出した。(使徒行伝2・4)

アメリカキリスト教の最も注目すべき特色の一つは、周期的に信仰を改革し、回復させるリバイバル(大覚醒)の勃興です。初代教会に類似する20Cのペンテコステ運動を含めると、アメリカでは今まで4回のリバイバルが起こっています。信仰が形骸化して沈滞していた時に不思議と起こりました。そして、それは草の根的な1人又は数人の回心、無名の牧師・信徒の回心から霊性回復運動として始まっています。

その思想は、端的に言えば、悔い改め(repent)、回心(convertion)、そして新生(born-again)、の3つです。

更に付け加えると、その特色は、形式に囚われない大衆的情熱的説教、聖霊の役事、超教派的運動、そして躍動的な歌と踊りということになります。但し一方では、リバイバルについて、保守派から「一時的で粗野な熱狂」と言った冷ややかな見方もあります。


【第1次リバイバル(1730~1740)】


第一次リバイバルは、ピューリタン上陸から100年を経て、アメリカの教会も形骸化し、霊的な命を失いはじめていた頃、勃興しました。このリバイバルの波は、会衆派の牧師「ジョナサン・エドワーズ」やメソジスト派牧師の「ホイット・フィールド」などにより進展しました。

特にアメリカを代表する会衆派の神学者・牧師・宣教師のエドワーズは、人々に大きな感化を与え、神の国に入るには「個人的な回心」が必要であることを訴え、絶望に陥っていた教会の霊的風潮は一変しました。

そして「いつでもどこででも説教」を行う形に囚われなエドワーズやフィールドの運動は以後の伝道の型を作ったと言われています。この大覚醒運動で、バプテスト派やメソジスト派、長老派が成長していき、アメリカ人というアイデンティティー(市民宗教)が生まれていきました。

【第2次リバイバル(1800~1840年)】


第2次リバイバルは、独立後、一度冷めてしまった信仰心を蘇生させようとする運動です。

苦学し独学で神学を学んだ「チャールズ・フィニー」が中心人物です。フィニーは1921年10月10日(29歳)、エレミヤ書29章12節~14節の「もしあなたがたが一心にわたしを尋ね求めるならば、 わたしはあなたがたに会う」の聖句で聖霊のバプティスマを受け、劇的な回心を遂げました。その働きの原点には、彼自身の、「罪に対する深刻な悔い改め」と「聖霊との出会い」の経験がありました。

弁護士でもあり、論理的に明快で霊的な力に富んだ説教を行って、野外集会などで多くの人々を悔い改めと回心に導きました。そしてメソジスト、バプティストが発展していくことになります。

フィニーはアメリカのリバイバルで際立つ存在であり、「神の国とその栄光のために、聖霊の力によって悔い改めと聖書的なキリスト教に立ち返り、それを実践する」ことにその生涯をささげました。リバイバルは奇跡ではなく切磋琢磨によるとも言っています。また、奴隷制度には強く反対しています。

【第3次リバイバル(1850年~1900)】


第3次は、南北戦争前後の混乱の中で、中断した信仰復興を甦らせれることになりました。苦学し独学で神学を学んだ「ドワイト・ライマン・ムーディー」が中心になりました。ムーディーはまともな学校教育も受けず、神学校にも縁がなかく無学でしたが、靴屋で働いていた時(18歳)、回心を体験し信仰生活に入っていくことになります。

ビジネスで成功し、スラム街などで貧しい人々に福音を説きました。普段着のままで分かりやすい説教を行い人気を得て、独立系教会の優れた指導者になり、1886年には聖書学院を設立しています。

第3次リバイバルは、強い社会的な行動主義の色合いを持ち、人類が地球全体を改革した後にキリストの再臨が来るだろうという千年紀の神学から影響を受け、社会福音運動といった社会改革運動はこの覚醒から力を得ました。この時期にホーリネス、ナザレン運動や、クリスチャンサイエンス、エホバの証人などの教派が生まれています。

【第4次リバイバル(1906年~)】


第4次リバイバルとも言えるペンテコステ運動は、1906年ロサンゼルスのアズサ通りで起こった聖霊運動が発端です。チャールズ・バーハムの弟子である「ウイリアム・シーモア」(黒人)が主導した3年間続いたアズサ・ストリート・リバイバル(聖霊の役事)はあまりにも有名です。

異言、奇跡、癒し、悪霊の追い出しなど聖霊の役事を重視した運動は世界に広がり多くの信者を獲得しました。世界最大のメガチャーチであるチョウ・ヨンギ(Cho Yonggi)牧師が主宰するヨイド純福音教会はこの流れにあり、日本でもホーリネス・リバイバルが起こっています。

更に1960年代から、聖書の権威や個人の回心を重視する新福音主義(根本主義)が、自由主義神学を採用するメインライン(主流派教会)に対抗する形で第5次リバイバルとも言うべき大覚醒が勃興しました。


以上のようにリバイバルは、フィニーやムーディーのように、正規の神学を学んだことのない無名のクリスチャン伝道師の回心から草の根的に広がりました。

 

フィニーのように劇的ではありませんが、筆者も過去4つの回心体験があります。本心に臨在する神との出会い(22才、1コリント3.16)、内在する罪(原罪)の自覚(23才、ローマ5.12)、命としてのみ言の認識(27才、ヨハネ1.4)、どん底での神(聖書)との出会い(70才、ピリピ3.8)、がそれであります。こうして見ると、「三つ子の魂百まで」の通り、基本となる信仰の骨格が20才代に形成されたということが分かります。そして今、聖霊のバプティスマによる最終的な成約的回心の訪れが待望されます。

個人も教会も、やがて究極の回復の時を迎えなければなりません。そして究極の回復の時とは、イエス・キリストの再臨の時であり、その日には、教派も、またプロテスタントもカトリックもなく、全地はただ一つの教えになるはずです。その日、「主を知る知識が、海をおおう水のように地を満たすからである」(イザヤ11・9)とある通りです。さて、皆様の回心体験は如何に!(了)


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