​他のアーカイブ記事は下のカテゴリーメニューを選択し、一覧表示の中からお選び下さい。

​他の記事は下のVマークをタップし、カテゴリーを選択し完了をタップ。記事一覧が表示されます。

ヨエル書 注解

🔷聖書の知識104-ヨエル書注解


その後わたしはわが霊をすべての肉なる者に注ぐ。その日わたしはまたわが霊をしもべ、はしために注ぐ。(2.28~29)


預言者とは、霊感により啓示された神の言葉を伝達し、あるいは解釈して神と人とを仲介する者で、祭司が預言者となる場合もあり、しばしば共同体の指導的役割を果す存在です。


予言が、未来のことをまえもって語ることであるのに対して、預言は文字通り神の言葉を預かることで、 預言者は、 不信仰への叱責と審判の警告、悔い改めの要求、そして復活と希望を語り、王の腐敗を糾弾し、民の不信仰を戒めました。そして来たるべき世界を前に、人々のとるべき態度と行動を教示しました。ヨエルもその一人です。


【ヨエル書概観】

ヨエル書は、キリスト教では12小預言書の一つとされ、著者はユダの預言者ヨエルとされ(1.1)、ヨエルとは「神は救い」という意味です。


執筆年代は捕囚以前説、捕囚以後説など諸説あり定説はないようですが、一応オベデヤやアモスと同世代の捕囚以前の預言者といたします。


ヨエル書の中心テーマは「主の日」(終末)であり、オバデヤが語った「主の日」を発展させたもので、5箇所に出てきます。(1.15、2.1、11、31、3.14)


「主の日」とは、終末を意味し、キリスト教では主の裁きの日(大患難時代)とされています。


【ヨエル書の内容の解説】


ヨエル書は全体で三章からなり、その内容は、①いなごの害( 1章)、②悔い改めの呼びかけ(2.1~17)、③赦しと回復(2.18~27)、④栄光の未来(2.28~3.21)となっています。


<いなごの災害>

1章ではいなごの大群による大災害が記載されています。ユダの地を四種のいなごの大群(かみつくいなご・いなご・ばった・食い荒らすいなご)が襲い、その害は、今まで聞いたこともないほど激しく絶望的なものであったと述べられています。


このいなごの災難はイスラエルが被る受難の象徴であり、ヨエルは祭司たちに、断食の布告と、きよめの集会の開催を呼びかけました。


「あなたがたは断食を聖別し、聖会を召集し、長老たちを集め、国の民をことごとくあなたがたの神、主の家に集め、主に向かって叫べ」(1.14)


このようにヨエルは、この大災害を悔い改めの機会とするよう促すと共に、将来起る主の日(大患難時代)の預言を語ります。


「ああ、その日はわざわいだ。主の日は近く、全能者からの滅びのように来るからである」(1.15)


<悔い改めの呼びかけ>( 2 .1 ~ 17 )

第1の災害はいなごの侵入でしたが、、次に来る災害は北からの敵軍の侵入であります。迫り来る主の日を前に、主からの呼びかけがなされました。悔い改めて神に帰れとの呼び掛けです。


「今からでも、あなたがたは心をつくし、断食と嘆きと、悲しみとをもってわたしに帰れ。あなたがたは衣服ではなく、心を裂け。あなたがたの神、主に帰れ。主は恵みあり、あわれみあり、怒ることがおそく、いつくしみが豊かで、災を思いかえされるからである」(2.12~13)


<赦しと回復、栄光の未来>( 2 .18 ~ 3.21)

神は、イスラエルをねたむほど愛しておられ(2.18)、北からの軍勢がイスラエルの地に向かって攻めてきて、最後の戦いが始まりますが、しかし、神の助けによってイスラエルは滅亡を免れ、北から攻めて来た敵の軍勢は、滅ぼされると預言されます。


「わたしは北から来る者をあなたがたから遠ざけ、これをかわいた荒れ地に追いやり、その前の者を東の海に、その後の者を西の海に追いやる」(2.20)


そして究極の赦しと回復が語られ、神の霊の注ぎが約束されます。


「あなたがたはイスラエルのうちにわたしのいることを知り、主なるわたしがあなたがたの神であって、ほかにないことを知る。わが民は永遠にはずかしめられることがない」(2.27)


「その後わたしはわが霊をすべての肉なる者に注ぐ。あなたがたのむすこ、娘は預言をし、あなたがたの老人たちは夢を見、あなたがたの若者たちは幻を見る。その日わたしはまたわが霊をしもべ、はしために注ぐ」(2928~29)


こうして最終的にエルサレムの回復が宣言されました。


「そこであなたがたは知るであろう、わたしはあなたがたの神、主であって、わが聖なる山シオンに住むことを。エルサレムは聖所となり、他国人は重ねてその中を通ることがない」(3.17)


【新約聖書への引用】


ヨエル書は、新約聖書に重要な箇所として引用されています。


2書28節の「その後わたしはわが霊をすべての肉なる者に注ぐ」は、使徒業伝2章17節のベンテコステの箇所で、また2章31節の「主の大いなる恐るべき日が来る前に、日は暗く、月は血に変る」は、マタイ24章29節の終末預言の箇所で引用されています。


以上の通りエル書を解説しました。ヨエルが叫んだことはただ一つ、「悔い改めて神に帰れ」ということでした。つまり、預言者とは当に「地の塩」であり「世の光」であるというのです。次回はアモス書を解説いたします。(了)



上記絵画*預言者ヨエル(ミケランジェロ画)