宗教東斬(とうぜん)の理 令和の母性国家論・日本は世界の子宮
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◯徒然日誌(令和7年5月14日) 宗教東斬(とうぜん)の理ー令和の母性国家論・日本は世界の子宮
もはや、ユダヤ人もギリシヤ人もなく、奴隷も自由人もなく、男も女もない。あなたがたは皆、キリスト・イエスにあって一つだからである。(ガラテヤ3.28)
プロローグ
UC叩き、UCのイメージダウンによく使われる言説に、a.教祖が韓国人、b.日本人の献金が韓国に貢がれている、c.献金搾取の理念が教義自体にある、というものである。オールドメディアや霊感弁連がUCの急所を突き、こういった偏見と誤解を意図的に国民感情に植え付け、UCは反日団体というレッテルを貼ってきた。
以下、この3つの妄言について論考し反論する。
【教祖が韓国人】
確かにUC教祖はアメリカ人ではなく韓国人(文鮮明・韓鶴子夫妻)である。それはイエス・キリストがローマ人ではなくユダヤ人であり、孔子が日本人ではなく中国人であることと同義である。従って教祖が半島人だから偏見を持つというのはお門違いで、あくまでもその人物が如何なる教えを有しているかを問題にすべきである。
筆者は5月7日、Xに次のように投稿した。
「統一にも非がないわけではないが(どんな組織にも行き過ぎはある)、60年犯罪がなく、ここ20年近くトラブルもない統一を潰すというのは流石に理不尽で、海外からの非難は避けられない。韓国生まれが問題なら、儒教は中国、仏教は韓国経由で日本に来たのをどう説明するのか。問題はその教えに真実性があるのか否かを問うべきである」
以下、韓国という国の特質と役割、日本という国の特質と役割について考察する。
<東洋のイスラエル>
イスラエルが世界から追われて受難の道を辿ったように、韓国は中国をはじめ周囲から歴史を通して侵略を受けてきた。故に韓国は「東洋のイスラエル」と言われることがある。韓国が東洋のイスラエルと呼ばれるのは、イスラエルと同様に、少数民族が多民族国家の中で歴史的に大きな役割を果たしていること、また、同様に歴史的に厳しい社会状況や国際状況に置かれていることなどの共通点があるためである。そしてイスラエルがユダヤ教国家であるように韓国はキリスト教国家(人口の33%がキリスト教)である。
韓国が侵略された回数は、歴史的に見ると概算で960回に達するという。朝鮮半島はユーラシア大陸の東端に位置し、中国と地続きであるため、大陸の覇権争いに影響を受け、漢民族、モンゴル族、女真族、契丹族、満州族など、様々な勢力が朝鮮半島に侵入し、国は荒らされ、韓国の王朝は屈辱的な服属を強いられた。豊臣秀吉による文禄・慶長の役もその一つである。
特に中国からの圧迫は激しく、韓国は常に中国の属国として朝貢を余儀なくされ、中国皇帝には三跪九叩頭の礼(さんききゅうこうとうのれい)をもって仕えたのである。韓国は日本の植民地統治に関していつまでも恨み言をいうが、中国からの侵略は日本の比どころの話ではなかった。では韓国は何故反日・嫌日が根強いのだろうか。その理由は、①(李承晩の)徹底した反日教育、②小中華思想、③恨の文化、④日韓一体を嫌う勢力の存在、であるという。しかし今やSNSのお陰で若者が真実に目覚め、親日的になってきている。
以上のような悲惨な歴史を有し、今なお朝鮮半島は唯一の分断国家として十字架上で血を流している。こういった民族の歴史は、イスラエルの受難の民からイエスが誕生したように、偉大な宗教家が生まれる土壌である。従ってUC教祖が半島人であったとしでも不自然ではなく、かえって信憑性が高い。真理は国や出自に無関係であり、聖書には次の通りある。
「もはや、ユダヤ人もギリシヤ人もなく、奴隷も自由人もなく、男も女もない。あなたがたは皆、キリスト・イエスにあって一つだからである」(ガラテヤ3.28)
<母性国家日本は世界の子宮>
一方、日本は四方を海に囲まれた島国であるが故に、島国イギリスがナポレオンにもヒットラーにも侵略されなかったように、海が天然の要塞として機能して他国に侵されることはなかった。しかし日本は多くの宗教や文明を海外から受容し、これを育ててきた歴史がある。よく考えて見れば、仏教も儒教もキリスト教も、そして科学技術も、全て外来である。「仏法東漸の理」(平家物語)とあるように、特に仏教と儒教が朝鮮半島を経由して日本にもたらされたことを思料すれば、UC教義が半島からきたことに偏見を持つのは理に合わない。
つまり日本は種(精子)を生む国というより、種を育てる子宮であり、ここに日本の特質、即ち日本らしさがあるというのである。5月8日、筆者は次のように、Xに投稿した。
「国には国柄がある。米は自由の守護者、英は紳士の国、日本は世界の子宮で命を育む国。仏教は朝鮮経由で日本に種蒔かれて育ち、儒教は中国から来て武士道として結実した。統一は韓国から来て、世界に拡散される。日本は真理の種を繁殖させる子宮なのだ。これこそ神が縄文以来育成された母性国家日本の使命」
ただ、唯一の例外は神道であり、神道は日本固有の宗教である。だが創唱宗教ではなく自然宗教であり、教祖、経典、戒律がない。従って極めて柔軟であり、神道という溶鉱炉の中で外国文化を巧みに体内に取り込んで日本化してきた。縄文以来、「自然を崇め、先祖を祭り、和を重んじる」のは、古来日本の伝統文化であり、神道(日本文化)の核となっている。
a.仏教
仏教は、前5世紀頃、釈迦が悟りを開きインドで生まれた後、中国に伝えられ、朝鮮半島を経由して、6世紀半ば(538年説と552年説)に日本に伝来した。百済の聖明王が欽明天皇に仏像や経典などを献上したことが始まりとされている。伝来当初は、崇仏派の蘇我氏と、排仏派の物部氏の間で激しい対立が続いた。結局、崇仏派が勝利し、推古天皇と聖徳太子は、仏教を積極的に受け入れ、国家仏教への道を歩み始めた。今や日本伝統の宗教として根付いている。
b.儒教
儒教は孔子(前551年 ~前479年)を始祖とする、古代中国に興った思想体系で、東アジアの文化に大きな影響を与えた。儒教は、人間関係の倫理や道徳を重視し、五常の教え(仁・義・礼・智・信)が核になっている。仏教伝来に先立つ513年に百済から五経博士が渡日し、儒教の五経(詩・書・礼・易・春秋)を教えたと伝えられ、また、5世紀初めには、百済の王仁が「論語」や「千字文」を持ち渡来したという伝承がある。儒教は中国で生まれ朝鮮を経由して日本の胎内に摂取され、武士道の骨格となった。
c.キリスト教
キリスト教は言うまでもなくイスラエルから西洋を経由して、1549年、イエズス会の宣教師フランシスコ・ザビエルによりもたらされた。
d.科学技術
また科学技術文明は西洋からもたらされた。特に明治維新以降、欧米の科学技術が急速に導入され、近代日本の科学技術の基盤が築かれ、今や日本は本家本元の欧米を凌ぐ科学技術大国に成長した。
こうして見ると、日本という国柄は、海外から宗教、思想、文明を自らの胎内に取り込み、それを育み繁殖していくという特質を持っていると言える。謂わば生命を育む子宮、母性的な国なのだ。特に宗教は東斬(とうぜん)してきた。従ってUC教祖が韓国人で、原理が東方から来たとしても何ら不自然ではない。
日本が母性的な国であることは、久保木修己元UC会長や内村鑑三を始め多くの識者が論じている。古来日本は、「天照大神」という女性神が国家神として祭られ、争いを避け「和と清浄を尊ぶ」という母性的(女性的)な精神文化を有している。また地理的に言って、日本は島国の海洋国家であり、「母なる海」との言葉があるように、古来海洋は母または女性を象徴し、逆に大陸は男性を象徴する。この点についてUC創始者は次のように言われた。
「島嶼国家の特徴とは何でしょうか。地球は、陸地と海でできていますが、今日の科学は、海を舞台として最も単純な最初の生命が誕生して広がったと説明しています。これは、海が生命を身ごもる母の役割を果たしてきたことを物語っています。このような理由から、海を女性の象徴として考えるならば、陸地は男性を象徴するものと考えることができます。したがって、海洋に位置した島嶼国家は女性を表す国家であり、大陸国家および大陸に連なっている半島国家は男性を表す国家であると言えます」(『平和経』21世紀における島嶼国家の役割P1365)
更に創始者は神の人類救援摂理について、次のように語られた。
「神の人類救援摂理歴史を見ると、そこには必ず神様の摂理を担当する中心民族と中心宗教があります。歴史を導いてきたユダヤ教とキリスト教の核心は、第一に、唯一絶対の神様がいらっしゃること、第二に、人類始祖の堕落と罪、そしてその罪からの救いのためにメシアが必要であると主張すること、第三に、人類の罪悪史には必ず終末があり、その時に神の国が到来すると主張することです」(『平和経』21世紀における島嶼国家の役割P1366)
内村鑑三は著書『地人論』で、日本は東西文明の媒介者であり、それを日本の天職と呼び、久保木会長は、この母性的特質故に対立する世界の「橋渡し」ができると言われた。(HP参照→久保木修己著「愛天愛国愛人」を読み解く④ 思想家久保木修己の母性国家論)
【韓国に貢がれた?】
更に「日本人からの献金を韓国に貢いでいる」との言説もまたUCを貶める反対派の常套文句である。筆者は5月8日、Xに次のように投稿した。
「韓国はアダム国家、日本はエバ国家、故に日本は韓国に貢ぐべしとは教義を曲解した反対派の常套文句。エバが仕えるのはアダムではなく世界だ。世界の子宮(母胎)としての崇高なる使命」
<アダム・エバ論とは>
反対派が、UCが反日団体であることを印象付けるために多用するフレーズに、「日本は罪深いエバ国家であるので、アダム国家の韓国に貢がなければならないという教義がある」という、いわゆるアダム国家・エバ国家論で、令和4年9月号の文藝春秋もこれを取り上げた。しかしこれは大変な誤解で、教義(原理)でいうアダム国家・エバ国家は、神の世界救援摂理において、歴史の終末に顕われる国家の役割分担を意味する摂理的、神学的概念であり、献金を正当化する教理では全くない。
エデンの園において堕落したアダムとエバと天使長との関係と(創世記1.3 )、堕落した家庭の最初の結実であるカインとアベルとの関係が(創世記1.4)、歴史の終末には、世界的次元で展開され顕れてくるというのが原理観で、創始者は次のように述べられている。
「エデンの園において堕落したアダムとエバと天使長との関係と、堕落した家庭の最初の結実であるカインとアベルとの関係が、世界的に拡張されたものが、今日の韓国と日本、そしてアメリカと世界の関係なのです。六千年の全体歴史を総蕩減する終末において広がった国際関係も、摂理的な理解から探ってみなければなりません」(『平和経』摂理観から見た韓国、日本、アメリカの位相P1432)
即ち、創世記3章において記載されているアダム、エバ、天使長が関与した失楽園の堕落物語、そしてそれに続く4章のアダム家庭におけるカインとアベルの関係が、歴史の終末において現代社会の国家間の国際関係として顕れ、堕落の罪を償って元返して元通りにするという蕩減復帰の摂理が世界的次元で展開されるというのである。つまり、失楽園で堕落に関与したアダム、エバ、天使長(長子)が、今日の国際社会においては、それぞれ韓国、日本、アメリカと位置づけ、アダムの家庭のカイン、アベルの関係は、長子アメリカ(アベル)と子女の立場にある世界の国々(カイン)の関係と見るのが原理的摂理観である。
キリスト教国アメリカは摂理的には神側の天使長と位置づけれ、また世界の国々との関係では長子の立場(アベルの立場)に立っていると見る。 創始者が自らアメリカに居住して約40年の宣教を行われたのは、世界のアベル国家(長子国家)として最も重視されたからである。
神は天地を創造された唯一の神だが、男性性相と女性性相の総合体(二性性相の中和体)なる「父母なる神」であるというのが原理の神観であり、世界の救援にあたって、父なる国と母なる国、即ち「父母なる国家」が摂理的必然で生まれてくるという。そして、メシアを生み、神の言葉の種を生んだ韓国がアダム国家として立たされ、そのメシアの種を繁殖する役割を担う国として、相対的に日本がエバ国家として立たされたというのである。従ってアダム国家・エバ国家の関係は、主従関係でも、上下関係でもなく、役割分担が違うだけで対等、平等な相対関係であり、それは父と母、夫と妻が上下主従関係ではなく、また権利と義務の関係でもなく、対等な相対関係であるのと同義である。
従って、エバ国家がアダム国家に一方的に貢ぐなどという考え方は教義には一切なく、「罪を犯した日本が韓国に償いの貢物を捧げなければならない」ことが教義に組み込まれているなどという、いわゆる「反日的自虐思想」は教義のどこにもなく、UCが反日団体であることを植え付けんがための、反対派の荒唐無稽な印象操作であることは明らかである。
しかもこの国家的役割は、あくまでも相対概念であり、役割を果たすことができなければ、神はその国を捨てて新たな摂理国家を立てられるというのであり、これは、イエスを十字架に架けたイスラエル選民が、選民としての資格を失い、イスラエルに代わってキリスト教が新たな選民、即ち第二イスラエルとして立つようになった歴史を見ても明らかである。
創始者は日本に対する摂理観として、次のように語られた。
「第二次世界大戦後、キリスト教が再臨のみ言を受け入れておれば、本来キリスト教国で島国の海洋国家であるイギリスがエバ国家として召される筈だったのです。結局、世界のキリスト教が先生を拒絶し、責任を果たせなくなることによって、エバ国家(母の国)になるべきイギリスの代わりに、同じ海洋国家である日本が選ばれました。日本の文化圏は英国の文明圏でもあるのです。英国のすべての文明と制度を移し入れたのが日本であり、アジアにおける英国のような国です。英国を中心として世界を制覇していたそのような時代を再現するのが日本なのです」(み言1987.6.14)
つまり、神の中心摂理であるキリスト教圏とは関係の遠い日本だが、天の特別な恩恵、即ち、創始者の強い推挙で母国として選ばれたという。(『平和経』同P1427)。(HP参照→つれづれ日誌(令和5年8月9日)-UC教義に反日思想はないー親日家文鮮明先生と勝共運動に見る愛国者集団としてのUC)
<献金は何に使われたか>
では、日本人の献金は何に使われたのであろうか。筆者は5月6日、Xで次の通り投稿した。
「統一の献金はどこに使われたか。一番が世界宣教、特にアメリカ。アメリカが世界の自由の守護者であるから。教祖は40年アメリカで超宗教と自由反共に投入した。次が国内の布教と勝共活動。第三が韓国の聖殿建設の支援。故に韓国に貢がれたというのは反対派の悪質な印象操作である」
日本UCは、国内の諸々の布教活動や、関連団体の支援(例えば勝共活動や日韓トンネルプロジェクト)に予算を投入すると共に、世界本部(かっては40年間アメリカ。現在は韓国)を通じて、世界宣教のために物心両面にわたって支援してきたし、かなりの予算を使って数千名に上る日本人宣教師を世界に派遣し、160ヵ国に日本の女性が派遣され平和活動を行った。特に創始者は1972年から約40年に渡ってアメリカを本拠として何十もの団体を設立し
て超教派・超宗派的な福音宣教活動をされ、数百回に渡る大規模な国際会議を開催されたが、これらのアメリカでの宣教活動を日本UCは支援した。またソ連の崩壊に決定的な役割を果たしたワシントン・タイムズの買収に当たって支援した。
しかしこれらはみな世界福地化への支援であり、日本のカトリックがバチカンに献金し、日本創価学会が世界創価学会を支援しているのと同様であり、かってはアメリカのプロテスタント各派が日本に宣教師を送り、物心両面で宣教活動を支えていたと同義である。韓国清平のUC聖殿建設のためにも浄財を捧げたが、以上見てきたように、日本人の献金の多くは世界宣教のために使われたというのが実際である。
1992年8月24、ソウルで挙行された「世界文化体育大典」合同晩餐会で、「私(文鮮明師)と妻の韓鶴子女史は、人類の真の父母であり、救世主・再臨主であり、メシアであると宣布します」とメシア宣言をされたが、この宣言はアメリカを中心とした世界宣教活動の結実であり、日本UCはこのメシア宣言に大きく貢献した。

<献金搾取の理念が教義自体にあるか>
宗教学者の島薗進氏は、UCの教義に献金搾取を正当化する理念があり、地裁がこれを認定したことを評価したが(5月3日産経オピニオン)、まさにお門違いだ。
筆者は5月4日、Xに次のように投稿した。
「信仰心なき宗教学者島薗進氏は、献金搾取の理念が教義自体にあると妄言し(万物復帰の意味を曲解している)、統一はその場凌ぎの対応で地裁の決定は妥当だとした。10年以上、トラブルのない統一の真像を無視、50万信者の人権を踏みにじった。櫻井義秀氏と並ぶ左傾反キリストである」
島薗進氏は教義に出てくる「万物復帰」という言葉
を献金搾取の理念だと言っていると思われるが、万物復帰とは、神の創造物(被造物)が堕罪以前の本然の状態に復されるという宗教的概念で、キリスト教の「万物更新」(使徒3.21)にあたる。万物が堕罪以前の状態に復することを万物復帰といい、人間の場合は人間復帰という。即ち、復帰とは奪い取るという意味ではなく、元の状態に立ち返るという意味である。
従って献金搾取の理念が教義自体にあるとする島薗氏の主張は間違いであるばかりか、宗教概念をもて弄ぶ曲学阿世の徒と言うしかない。島薗氏は、櫻井義秀氏と並んで信仰心なき宗教学者であり、神への信仰を基礎とする神学者とは似て非なるものである。
以上、UCのイメージダウンの印象操作によく使われるフレーズ、即ち「教祖が韓国人」「日本人の献金が韓国に貢がれている」「献金搾取の理念が教義自体にある」の3点について反証した。そして韓国の特質と役割、日本の特質と役割を論じた。神がパウロに「わたしは、あなたを立てて異邦人の光とした。あなたが地の果までも救をもたらすためである」(使徒行伝13.47)と言われた神の命は、そのまま母性国家日本に与えられた日本の役割、内村流に言えば日本の天職ではないだろうか。(了)
牧師・宣教師. 吉田宏