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百田尚樹著『日本保守党』を読み解く 政党の意義、保守とは何かを問う

◯つれづれ日誌(令和6年2月14日)   百田尚樹著『日本保守党』を読み解くー政党の意義、保守とは何かを問う 

 

 だれも、新しいぶどう酒を古い皮袋に入れはしない。もしそんなことをしたら、その皮袋は張り裂け、酒は流れ出るし、皮袋もむだになる。だから、新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである(マタイ9.17)

 

建国記念日の2月11日から3日間、政府の不当な解散請求に対抗して、街頭演説やビラ配りなど、UC信者による全国一斉抗議行動が行われました。また長崎では、2月23日に行われる「基本的人権・信教の自由を守る長崎大会」に向けて、画期的な取り組みが行われています。即ち、県内の約800の宗教施設(団体)や全マスコミに趣意書や資料を送付し、そして主だったところを、信徒らが訪問して趣旨を説明し参加を呼びかけているというのです。 

 

宗教施設では、天理教長崎大教会を訪問し、分院教会長から「左傾化したマスコミは、信者らの声を報道せず、本当に困ったものです。天理教も明治の終わりに弾圧を受けましたので、皆さんの気持ちは分かります。皆さんも今は茨の道ですが、ここを越えれば、発展がありますよ」と激励されたということです。また真如苑、幸福の科学、そしてお寺なども訪問し、特に幸福の科学は、我々の立場をよく理解してくれ、マスコミの批判に同じ疑問を共有していたということでした。 

 

筆者はこの話しを聞いて、願ってもない動きが始まったと思い、大変希望を感じているものです。筆者は、この度のUC解散請求は、ひとりUCの問題だけではなく、宗教全体に対する信教の自由の危機だと感じている立場から、キリスト教会牧師らにも、「信教の自由と人権を守る宗教者の会」(仮称)の結成を呼びかけましたが、奇しくも永井隆の『長崎の鐘』発祥の地である長崎で、これが始まっているというのです。 

 

考えて見れば、私たちはかの凶暴な左翼と体を張って戦ってきた歴史があるのであり、それを思えば、街頭行動にせよ、国民的組織の結成にせよ、かって取った杵柄(きねづか)であり、臆することなどありません。 

 

【政党結成を考えるー日本保守党結成の意義】 

 

さて先般、筆者はある信頼できるUC信徒から「政党の結成」に関する相談を受けました。即ち、「2008年4月9日に行われた韓国の総選挙で、韓国UCは『家庭党』を結成して戦ったが、結果は惨敗で、真の家庭運動は挫折した。しかし、政治の摂理上の重要性は不変であり、この敗北を徹底的に総括し、プラトンやアリストテレスの政治論などギリシャの平和思想に学びながら、しっかり理論武装して、真の家庭運動の再起を期すべきだ」というものです。 

 

ちなみに原理講論には政党について、「神からの命令は、脊髄に該当するキリストと、キリストを中心とする末梢神経に該当する聖徒たちを通じて、社会全体に漏れなく及ばなければならない。そして人体における、脊髄を中心とする末梢神経は、一つの国家の政党に該当するので、理想社会における、政党に該当する役割は、キリストを中心とする聖徒たちが果たすようになっているのである」(P530)と記載されています。 

 

今まで、自民党は私たちと最も思想や政策が近いということもあり、支援してきた経緯がありますが、幸か不幸か、今回岸田総裁や茂木幹事長が世論に忖度し、UCと一切縁を切るという断絶宣言を出しましたので、この際、むしろこちらから反宗教的政策を続ける自民党に三くだり半を突き付け、新党を結成すればどうかというのです。そしてそれは「神の国と神の義を求めよ」とのキリストの理想と合致し、この政党の結成は、神の復帰摂理の目的である「神の国」を建設するための不可欠なプロセスであり、統一運動総体の結実であるというのです。そして、公明党はその先例だとしました。 

 

上記の提案はまさに正論であり、神の国建設の道筋になり得るものですが、物事にはすべて「TPO」(Time 時間、Place 場所、Occasion 場面)があり、慎重に考えなければなりません。 

 

そこで今回、新党の立ち上げとして極めて注目されている「日本保守党」について考察し、その思想や政策の是非を論じ、そしてUCないしはUC信徒との距離間や政党の意義を考えたいと思います。 

 

<日本保守党の結党宣言> 

 

2023年10月17日に記者会見を行い、「日本保守党結党宣言」をした作家の百田尚樹氏と有本香さんは、この度『日本保守党』という本を出版し、日本保守党の理念と政策を発表しました。 




更に百田尚樹氏は、今年4月28日投開票の東京15区(江東区)衆議院議員補欠選挙に、日本保守党の候補者を立てることを明言しました。補欠選挙は、 江東区長選での買収容疑により逮捕・起訴された柿沢未途容疑者(自民党を離党)が議員辞職したことを受けて行われるもので、百田氏は世襲の弊害を指摘し、「われわれは議員の家業化をやめよう、世襲をやめようという旗印でやっている」と、並々ならぬ決意を述べました。この補欠選挙の結果によっては、日本の政治に地殻変動が起こるかも知れず、ゆめゆめ目を離すことは出来ません。 

 

実は筆者は、百田尚樹氏らが、LBGT法案に愛想をつかして、自民党と訣別して日本保守党を立ち上げた時、逆に自民党から訣別宣言を突き付けられているUC信徒の一人として、いみじくも有本香さんが「自民党に一太刀浴びせたい」と思いのたけを吐露されたように、一瞬「よくやってくれた、場合によっては日本保守党を支援することもやぶさかではない」との思いを抱いたものです。そうしてLGBT法は天下の悪法だと思っていた筆者は、この点では百田氏と軌を一にしており、日本保守党との距離間について何人かの有識者信徒と率直に意見を交換いたしました。 

 

その時、日本保守党を支持するに際して、最大のネックになったのは、ある国粋的傾向を持った区会議員の存在でした。即ち、百田氏らは、自らの政治経験のなさを補うために、ベテランの区議を事務局補佐役として用いましたが、実はその議員は確信的な「アンチUC」で、偏った情報により、UCを「反日団体」と思い込んでいるようです。またこうした考え方を持つ国粋的な支持者も少なくなく、現に日本保守党中枢にはその影響を受けて、UCを反日団体と思っている可能性があります。 

 

UCは反日団体どころか、まさに愛国団体であることは、「つれづれ日誌(令和5年8月9日)-UC教義に反日思想はない」で述べている通りですが、教祖が韓国人であること、韓国への送金問題、更には朝鮮半島の統一を強調していることなどから、反日団体だと誤解されている傾向があることは確かです。 

 

反日批判の一つに、日本は韓国への償いのために金銭を貢がなくてはならないという自虐的思考により、「高額献金で日本人からむしり取った金銭を韓国に貢いでいる」との反対派の批判がありますが、まさにこれはお門違いです。世界宣教のために世界宣教本部(かっては40年間アメリカに本部があったが、現在は韓国にある)を通じて物心両面にわたって宣教を支援していることは確かですが、これは韓国に貢いでいるのではなく、あくまでも世界宣教貢献であるというのです。日本のカトリック教会がバチカン本部に献金し、アメリカのプロテスタント各派が日本に宣教師を送り、物心両面で支えているのと同義です。 

 

なお「反日」とか「愛国」の意味については、その本来の意味を吟味し、どのように定義付けるかが大切ですが、この問題については別の機会に論じることにして、この際、風聞ではなく、事実と本質をよく確かめて頂き、このような誤解が速やかに解消することを祈念するものです。いずれにせよ、日本保守党との距離間をどう考えるかは大きな問題です。 

 

<百田尚樹氏と月刊Hanada> 

 

ジャーナリストで全国弁連の正体を鋭く見抜かれた福田ますみさんは、3年ほど前、『ポリコレの正体』(方丈社)という本を出されましたが、百田尚樹氏はこの本を絶賛され推薦されています。また最近、百田尚樹氏と有本香さんが共著で『日本保守党』という本を出版されましたが、この本の発行者がなんと月刊Hanada編集長の花田紀凱氏であるというのであり、更に有本香さんは、著書『日本保守党』の中で「有本香の論点10」と題して、今まで月刊Hanadaに投稿された記事の中から10本も載せています。(『日本保守党』P228~267)

 

つまり日本保守党党首の百田尚樹氏や有本香さんは、福田ますみさんや花田紀凱氏と極めて近い関係にあり、従って両人がUCについてどのような見解を持たれているかを熟知する立場にあり、UCに関する正しい情報を得ていることは、想像に難くありません。また、やはりUCには理解がある前衆議院議員の長尾敬氏も、著書『日本保守党』の中で日本保守党への応援メッセージを書き、「日本保守党の重点政策項目の全てに賛同いたします」と述べられています(『日本保守党』P333)。 

 

ちなみに筆者は、「つれづれ日誌(令和5年6月28日)-LGBT法は戦後最悪の法律ー保守の論客長尾敬著『永田町中国代理人』を読み解く 」の中で、思想や政策が一致する長尾敬氏を支援するため、「長尾敬を国会に送る勝手に連帯する会」(略称「長尾勝手連」)を立ち上げればどうかと提案しました。 

 

こうして百田尚樹氏の周辺には、アンチUCだけではなく、UCの理解者も少なくなく、従って、少なくともUCに対するかの区議のような偏見はないかも知れません。ある知人は、「百田氏は旧統一教会に手厳しいですよ」と言っていました。もしそれが事実であれば残念ですが、ただ今回筆者は著書『日本保守党』を目を皿のようにして目を通しましたが、幸いにも「旧統一教会(UC)」に対する批判はなく(というより、旧統一教会という名詞そのものがない)、大いに安堵しました。 

 

<日本保守党の現況と原点> 

 

著書『日本保守党』によれば、当該政党立ち上げの直接の動機は、自民党が「LGBT理解増進法」を強引に成立させたことにあり、安倍晋三元首相が「これだけはやるべきではない」と考えていたことを、逆に推し進めたことにあるといいます(『日本保守党』P12)。そして、「日本は世界最高の国、奇跡の国であり、そんな素晴らしい国を潰したくない、守りたい、ただ、その思いから日本保守党の結党を決意した」というのです。(同P166)

 

2023年9月13日に結成された政治団体「日本保守党」ですが、2024年1月現在、党員数5万7000人で、日本維新の会の3万9914人、参政党の3万9530人よりも多く、またXホォロワーに至っては33万2000人を数え、これは他政党はおろか自民党の25万1700人をも上回っており、新党の常として前途多難ではありますが、善戦していることは確かです。 

 

日本保守党の執行部としては、代表百田尚樹、共同代表河村たかし、事務総長有本香、事務局次長広沢一郎という布陣になっており、2024から候補者の公募を開始し、政治塾を開講すると言うことであります。 

 

さて理念と政策ですが、日本保守党は、安倍元首相の「美しい国、日本」、即ち「世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国」という理想を踏襲し、「豊かで強い日本を取り戻す」とのスローガンのもと、日本の伝統・文化・国体をしっかり守っていこうという「保守主義」の立場に立っています。ただ百田氏も指摘されている通り、実際「保守とは何か」を定義するのは難しく、伝統・文化・国体の否定から始まるリベラルの対語として説明されています(『日本保守党』P45)。 

 

百田氏は、「諸事について日々改善に努めなければなりませんが、先人の築きあげてきた制度や社会を旧弊として全否定し、自分たちの考える新しい制度や社会こそが正しいんだと思い込む、独善的で幼稚な考え方(リベラル)を嫌うのが保守です」(同P48)とし、更に「時代の変化に合わせて変えるべきところは変える一方、国の伝統や価値観、国柄など残すべきところはしっかり守る謙虚さが必要だ」(同P48)と言われています。 

 

ちなみに保守または保守主義(conservatism)とは、従来からの伝統・習慣・制度・考え方を維持し、過激な改革や革命に反対する思想のことですが、しかし、「維持せんがために改革する」という英首相のディズレーリの言葉や、「保守するための改革」という保守思想の父エドマンド・バークの言葉からも明らかなように、保守主義は決して改革を否定するものではありません。端的にいえば、保守とは「守りながら改革し、改革しながら守る」ということに他なりません。 

 

<日本保守党の政策> 

 

ところで日本保守党は、昨年10月17日、「重点政策項目」として、「8の題目」と「37の項目」からなる政策を以下の通り発表しました。 

 

①   日本の国体、伝統文化を守る→皇室典範改正、LGBT理解増進法の改正等

②    安全保障→憲法9条改正、自衛隊法改正、「スパイ防止法」の制定、「日本版台湾 

   関係法」制定等

③   減税と国民負担率の軽減→消費税減税、ガソリン 税減税、税の簡素化等

④   外交→価値観外交、自由・民主主義・人権等の価値観を共有する国とのさらなる連携強

  化等

⑤   議員の家業化をやめる→国会議員、地方議員の報酬引き下げ、資金管理団体の「世

襲」の見直し等

⑥   移民政策の是正→国益を念頭に置いた政策、入管難民法の改正・厳正化、経営ビザ見直

  し等

⑦   エネルギーと産業政策→日本の省エネ技術を守る、再エネ賦課金の廃止等

⑧   教育と福祉→教科書検定制度(とくに歴史)の見直し、留学生制度の見直し、出産育児

  一時金の引き上げ等 

 

以上を概観したところ、日本保守党の政策は、基本的に筆者の考え方とほぼ共有できるもので、大きな乖離はありません。特に①②④⑧はまったく同意できるものです。なんといっても、国の形、安全保障、外交は国の基本であり、この点に問題がなければ安心と言えるでしょう。但し、愛国とは唯我独尊的な国粋主義ではなく、世界に開かれた愛国でなければなりません。偏った愛国、自画自賛の国粋主義は返って国を滅ぼす元になりますので、正しい愛国、正しい国体思想を持つことが肝要であり、この点については、後日詳しく論じたいと思います。 

 

【新しい皮袋とは】 

 

確かに今、自民党は自壊作用を起こしておりますが、その元凶は昨年来の反宗教的政策、即ちLGBT法案と宗教団体(UC)の解散請求にあることは明らかです。LGBT法案は日本保守党の結成を引き起こし、解散請求は宗教団体の離反と神の運勢の喪失をもたらしました。その兆候は元旦の能登半島大地震であり、派閥の解散であります。つまり、世論に忖度して無実の宗教団体の解散請求を行った結果、逆に自らが解散を余儀なくされ、国民の支持を失いました。これを「神の報復」(ロマ書人12.19)と言わずして何というのでしょうか。 

 

では私たちは、今後誰に託し、どの政党を支持すればいいのでしょうか。行き場をなくした国民の受け皿に、一体誰がなるというのでしょうか。 

 

第一に思想と政策が共感できるかどうか、これが最も重要です。この点、日本保守党は、現時点で、政策的には筆者の考え方に最も近いと言ってもいいと思われます。但し、前述したように保守の概念のきちんとした検証を要することはいうまでもなく、そもそも百田代表が、アンチUCであるとすればどうしようもありません。しかし、百田尚樹著『日本国紀』(幻冬舎文庫)を読んでも共感することが多々あり、また毒舌を吐きながらも憎めないキャラクターの持ち主で、筆者としては一信徒として、機会を見て、百田氏や有本さんと、膝を交えて忌憚なく意見を交換したいと希望しています。 

 

第二は、政党より個人です。例えば前述した長尾敬前議員や、「NHKから国民を守る会」から当選した浜田聡(はまださとし)参議院議員です。浜田議員は「令和四年十月十八日から十九日にかけて宗教法人法の解釈を変更した閣議決定の有無とその内容に関する質問主意書」を国会に提出され、旧統一教会の解散請求にあたり、岸田首相の判断プロセスに疑義を唱えられていますが、個人的には支援したい議員です。 

 

第三は、独自の政党の結成です。宗教団体が自らの理念に基づいて政治家を支援したり、政党を結成するのは、政教分離違反でも何でもありません。従って宗教団体が政治(家)と関係を深めるのは癒着でも法律違反でもなく、当然の権利です。 

 

創価学会の二代会長の戸田城聖氏は、まだ創価学会信者が少数の時代に、創価学会の政治進出を正当化する理論を説き、1955年にはじめて地方議会に議員を送り,翌56年には参議院に3名の議員を当選させました。これが三代会長の池田大作氏の時、公明政治連盟・公明党となりました。また、幸福の科学は幸福実現党を結成しています。 

 

さて聖書に「新しいぶどう酒は新しい皮袋に入れるべきである」(マタイ9.17)とある通り、私たちの神主義(ゴッドイズム)は、古い皮袋である自民党と訣別して、新しい皮袋に入れる時秋(とき)かも知れません。少なくとも、UCとの強制離婚を宣言した自民党に、未練を残してすがる姿ほどみっともないものはなく、きっぱりと一旦離縁し、新しい独自の一歩を踏み出したいものです。 

 

また伝道の書には「天が下のすべてのわざには時がある。生るるに時があり、死ぬるに時があり、植えるに時がある。神のなされることは皆その時にかなって美しい」(伝道の書3.1~11)とあるように、TPOを熟慮して、最善の選択をしたいと思います。そして現時点での最善の選択とは、福音伝道のリバイバルを巻き起こして、しっかりした「自力」をつけることだと筆者は思います。(了)   牧師   吉田宏

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