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ハガイ書 注解

🔷聖書の知識112-ハガイ書注解


わたしはあなたがたと共にいると、万軍の主は言われる。わたしの霊が、あなたがたのうちに宿っている。恐れるな。(2.4~5)


【概観】


『ハガイ書』は、ユダヤ教では「後の預言者」に、キリスト教では12小預言書に分類され、2章からなる短い文書です。ハガイとはヘブライ語で「祝祭」という意味です。


伝統的に、著者は、バビロン捕囚後の最初の預言者ハガイであるとされ、前6世紀前半、神に召されました。捕囚後の預言者としては、他にゼカリヤとマラキがいます。


時代背景としては、バビロン捕囚から帰還した時代であります。総督ゼルバベルに率いられて帰還した約5万人は、神殿の再建を開始しました。基礎は2年後に完成しましたが、サマリヤ人と周辺民族の妨害で工事は中断を余儀なくされ、その状態がダリヨス大王の代まで続きました。(エズラ4.24)


ハガイとゼカリヤが活動を開始したのは、このダリヨスの第2年目(前520年)でした。


<アウトライン>

テーマとしては、エルサレム神殿の再建(紀元前515年)がその預言の主題となっています。


1章で、ハガイは、神殿再建の呼びかけをします。


当時、帰還した民は自分たちの生活を維持するのがやっとであり、焼け崩れた神殿を再建する余裕がない状況にありました。しかしハガイは次のように語ります。


「主の家はこのように荒れはてているのに、あなたがたは、みずから板で張った家に住んでいる時であろうか」(1.4)


つまりハガイは、自分たちの生活が安定してから主の家(神殿)のことを考えようというのは主客転倒である、優先順位を間違ってはならないと諌めました。


これは、かってビューリタンがアメリカを建国する際に、先ず神のために教会を建て、次に子孫のために学校を建て、最後に自分たちのために丸太小屋を作った故事を想起させられます。


こうしてイスラエルの民は、悔い改めて、神殿再建に取り掛かかりました。


「そして主は、総督ゼルバベル、大祭司ヨシュア、および残りのすべての民の心を、振り動かされたので、万軍の主の家の作業にとりかかった」(1.14~15)


(預言者ハガイのロシア正教イコン)・エルサレム第2神殿(模型)


そしてこれらの民をハガイは励まします。


「すべての民よ、勇気を出せ。『わたしはあなたがたと共にいる』、と、万軍の主は言われる。わたしの霊が、あなたがたのうちに宿っている。恐れるな」(2.4~5)


ここに記されている、神が「共にいる」(1.13、2.4)という言葉は、当に聖書全体を貫く中心的なメッセージであり、聖書は様々な場面で「神様は私達と共におられる」ことを語っています。


かって神はモーセを召され、「わたしは必ずあなたと共にいる」(出エジプト3.12)と言われ、ヨシュアに対しても、「わたしは、モーセと共にいたように、あなたと共におるであろう」(ヨシュア記1.5)と明言されました。


特に兄エソウの怒りを避けてハランの地に向かうヤコブが、途上石を枕に仮寝した時見た「ベテルの夢」(神の家)は有名です。


「 わたしはあなたと共にいて、あなたを守り、わたしは決してあなたを捨てない」(創世記28.15)


真っ暗な夜、凍える野原にただ一人、不安と後悔の中で身を丸めるヤコブにとって、神が傍に立って、「見よ、私はあなたと共にいる」と告げられる神様の声はどんなにか励みになり救いになったでしょうか。この夢は、後世「ヤコブのはしご」として知られています。


次に2章で、ハガイは民とゼルバベルに祝福の約束をしました。ハガイは同時代に活躍した預言者ゼカリヤと共に、神殿建設後にやってくるであろうゼルバベルをメシヤ的王とする希望の時代を夢見ました。


「万軍の主は言われる、シャルテルの子、わがしもべゼルバベルよ、主は言われる、その日、わたしはあなたを立て、あなたを印章のようにする。わたしはあなたを選んだからであると、万軍の主は言われる」(2.23)


以上、ハガイ書を解説しました。神はハガイに三度臨まれ、捕囚後のイスラエルの民を励まされました。次回は、ハガイと同時代に活動したゼカリヤ書を解説いたします。(了)

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