浜田聡議員の「UC弁明の理」、立花孝志氏「日本のトランプ」を宣言
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- 7月9日
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更新日:5 日前
◯徒然日誌(令和7年7月9日) 浜田聡議員の「UC弁明の理」ー立花孝志氏「日本のトランプ」を宣言
アブラハムは言った、「いまわたしはあえてわが主に申します。もしそこに二十人いたら」。主は言われた、「わたしはその二十人のために滅ぼさないであろう」。アブラハムは言った、「わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしはいま一度申します、もしそこに十人いたら」。主は言われた、「わたしはその十人のために滅ぼさないであろう」。(創世記18.31~32)
プロローグ
第27回参院選選挙が3日公示され、改選の124議席をめぐり、20日の投開票に向けて、今や選挙戦の真っ最中である。政策の争点は物価高対策で、与党は給付、野党は減税を掲げる。最大の焦点は与党(自民・公明)が参議院過半数(125議席)を維持できるか否かにあるが、石破首相の体たらく、自民党のリベラル化で保守層が他政党に流れる傾向があり、与党で過半数を維持するための50議席に届くか微妙である。
自民党の左傾化により、保守票の受け皿になり得る少数政党、即ち日本保守党、参政党、NHK党が脚光を浴びているが、今回、特にNHK党(NHKから国民を守る党)に焦点を当てて論考する。何故なら、UCの解散裁判は憲法違反であるとして、堂々とUC弁明の論陣を張る唯一の政党であるからである。
【NHK党とはー候補者とその政策について】
参議院議員の定数は248人(148人が選挙区選出、100人が比例代表選出)で、3年ごとに議員の半数が改選され、今回124人(選挙区74人、比例代表50人)の改選となる。NHK党(以下「N」党と呼ぶ)は、比例代表3人、選挙区45人を擁立した。比例代表は、浜田聡(医師)、福永活也(弁護士)、川崎貴浩(弁護士)の各氏3名である。
<立花孝志党首「日本のトランプ」を宣言>

さて党首の立花孝志氏は今回「日本のトランプ」を宣言して兵庫選挙区に出馬した。兵庫県と言えばパワハラ疑惑でオールドメディアから激しいバッシングを受けた斎藤元彦知事が、不信任決議され辞職に追い込まれた県である。パワハラで県民局長を自殺に追い込んだ知事として、オールドメディアなどから激しいバッシングを受け、議会から不信任決議を突き付けられた。しかし立花氏は、このバッシングは斎藤知事を苦々しく思っている既得権益者、議員、マスコミらが、斎藤知事を追い落とすために「でっちあげた転覆計画」であることを明らかにし、出直し選挙で斎藤氏は知事に返り咲いたのである。立花氏はまさにその立役者であった。
この出直し知事選挙は、新聞やテレビなどのオールドメディアとユーチューブやXなどのSNS(social networking service)との戦いであり、ニューメディアのSNSが勝利した戦いでもあった。オールドメディアの「斎藤悪し」の大キャンペーンにも係わらず、ニューメディア(SNS)の「斎藤無罪」の声が新聞・テレビ報道を圧したのである。まさにオールドメディアの横暴への鉄槌であり、新しい情報時代の始まりを告げる鐘であった。(参照→ 徒然日誌 令和6年11月20日 兵庫県知事選挙に思うー立花孝志の正義の鉄槌に拍手)
最近筆者は、福田ますみ氏のルポに基づく映画「でっちあげ」を見た。小学教師による児童体罰が問題になった事件だが、虚偽の告発とマスコミの煽りで「殺人教師」にでっちあげられた冤罪であった。有能な弁護士の助けで一審で勝訴するも、軽度の体罰は認定され、冤罪が完全に晴れるまで10年を要した。この映画は斎藤知事やUCのバッシングと瓜二つで、共にでっちあげられた冤罪事件である。
さて、「日本のトランプ」を謳って兵庫選挙区に出馬した立花氏だが、確かにトランプ大統領とだぶって見え、次のような類似性がある。
第一に、共にオールドメディアと戦った共通項がある。トランプはCNNやニューヨーク・タイムズなどの左傾メディアと戦い、立花氏は日本のオールドメディアの偏向報道と戦っている。N党は「偏向マスコミや極左と戦う」と公言しているのだ。第二に、トランプは昨年7月、演説中に狙撃され右耳を負傷し九死に一生を得た。一方立花氏は本年3月、選挙活動中に30代男性にナタで頭部を切り付けられ左耳に重傷を負った。奇しくもこの二つのよく似た殺人未遂事件は、二人の類似性を印象付ける。第三に、トランプは信教の自由を重要な政策目標に掲げ、国内外の宗教弾圧を許さないとした。同様に立花氏は信教の自由を強調し、特にUCの解散問題に警告を発し「犯罪歴ゼロの宗教団体を潰すのは憲法違反」と明言した。
更にまた、正義感に基づく歯に衣着せぬ発言は両者に共通しており、こうして見ると確かに立花氏が「日本のトランプ」と自称する意味が理解できるというものである。立花氏は自分こそトランプ大統領と差しで交渉できる唯一の政治家だと公言し、トランプとの太いパイプがあることをほのめかしている。
<NHK党の候補者と政策>
今回の参議院選挙にN党は、全国比例に3人、選挙区に45人を擁立した。党首の立花氏は、今回N党が政党要件に届かなければ政治家を引退するとの背水の陣を敷いた。ちなみに政党要件とは、所属する国会議員(衆議院議員又は参議院議員)を5人以上有するものであるか、近い国政選挙で全国を通して2 %以上の得票(選挙区・比例代表区いずれか)を得たものを政党と定め、政党給付金の対象となる。
今回比例に出ている3人は、それぞれ個性的で能力があり、ユニークである。浜田聡氏(48才)は、東大と京大を出た現役医師であり、UCを公然と擁護する唯一の国会議員である。福永活也氏(45才)はトップクラスの収入を得る弁護士で、日本保守党とも近く、エベレストに二度登頂した冒険家である。川崎貴浩氏は関西大学から一発で司法試験に合格した33才の新進気鋭の弁護士である。福永、川崎両弁護士は、形式に拘らない屈託無い人柄で、年中ポロシャツ、ジーパン姿で通し、法廷にもポロシャツで出廷するという。この点、筆者と似た者同士という感がして、大いに親近感を覚えるものである。また、東京選挙区からN党公認で出ている石丸幸人氏(52才)は、弁護士、税理士、医師であり、200人の弁護士を擁するアディーレ法律事務所の設立者である。
このように、知的にも能力的にも優れた候補を揃えたN党を、泡沫政党だとしてバカには出来ない。ここには神の目に見えない介入があるかも知れないからである。
さて「NHKをぶっ壊す!」という台詞で知られるN党の政策であるが、以下、その骨子を見ておきたい。
第一に「偏向報道と放送利権から国民を守る!」を掲げる。N党は、NHK受信料制度の不合理性やメディアの不透明な資金の可視化を訴えると共に、偏向報道と断固戦い、言論の自由と公平な報道を守るための改革を強く求めている。
第二に、「給料を減らす増税・社会保険料増加に断固反対!」を掲げ、社会保険料や消費税・ガソリン税などの見直しを訴えている。
第三に「日本を守る意思のない外交にNO!」を掲げる。日本の主権と国民の安全を守るため、反日勢力の影響排除、領土・外交の明確な方針、防衛力の再建・強化、 敵基地攻撃能力の保有、移民・治安政策の立て直し、安全かつ安定的なエネルギーの確保など、現実に即した国家の安全保障体制の構築を目指すという。
第四はスパイ防止法制定であり、これは浜田聡議員が強調している。浜田氏は「国際勝共連合はスパイ防止法を成立寸前まで盛り上げた。勝共と連携してスパイ防止法を成立させる」と公言している。
こうして見れば、N党の政策は国際勝共連合の掲げる政策と軌を一にしていることが分かる。ちなみに勝共連合の運動方針は、①憲法改正、②防衛力強化、スパイ防止法制定、国の安全保障体制の確立、③日本版台湾関係法の制定、沖縄・尖閣諸島の死守、④建国記念の日、主権回復の日の行事推進、⑤同性婚、LGBT 法に反対、正しい結婚観・家族観を追求、の5項目である。
浜田議員も指摘しているように、勝共連合は「スパイ防止法制定促進国民会議」(1979年2月24日)や「同都道府県民会議」を結成して、スパイ防止法制定に尽力し、成立寸前まで盛り上げたのであった。しかし、新自由クラブの河野洋平氏や白川勝彦議員らリベラル派議員の横やりに阻まれたのである。このいきさつは、国際勝共連合編『勝共連合かく闘えり』(世界日報P93~108)に詳しく書かれている。
<浜田聡議員の思想と行動>

さて浜田聡氏(48才)であるが、浜田議員は京都市山科区出身で、洛南高校卒業後、東大教育学部理科二類と京大医学部を卒業した秀才で、医者から議員になるというユニークな経歴を持ち、麻生太郎議員から「面白く頼もしい」と賞賛されたことが話題になった。
浜田議員の政治スタイルは、感情論に流されることなく、論理的かつデータに基づいた政策を提言しており、こうした冷静で理論的なアプローチは、独自の視点を持つ実力派議員として政治の世界に新たな風を吹き込んでいる。また政党に縛られることなく(N党は各議員の自由性を尊重している)、自由な発想から、難しい話題でも分かりやすく説明できる能力があり、SNSでの発信力があり視聴者からも「わかりやすい」と評判を受けている。
浜田議員は、N党の政策と共に、憲法9条を改正し自衛隊の存在を明記すべきこと、アベノミクスは成果を上げていること、原子力発電所は日本に必要であること、トランプ米大統領の「米国第一」主義は理解できること、今後の国際情勢によっては日本の核武装を検討すべきであることなどを主張している。2023年3月6日の参議院予算委員会では、日本共産党を「暴力革命によって自由と民主主義を破壊する勢力である」として同党の「非合法化も視野にいれるべき」との思い切った発言をした。
作家の門田隆将氏は、「医師でもあるNHK党の浜田聡参議院議員はこの6年、鋭く細かい国会質問で保守・現実派を唸らせてきた。タブーを恐れずオールドメディアの捏造や偏向報道に斬り込み、選択的夫婦別姓、LGBT法、移民・外国人参政権問題等々でも論客ぶりを発揮。欺瞞に満ちた日本政府への鉄槌をこれからも頼みます」とXに投稿した。
こうした資質と政策を有する浜田議員であるが、何と言っても、任期中に「質問主意書」を147本も提出しており、参議院議員断トツの一位であることは注目に値する。二位の神谷宗幣氏(参政)は25本、石垣のり子氏(立憲)17本、山本太郎氏(れいわ)12本であり、ゼロの議員も多い中で、147本は群を抜いている。
国会議員は、国会開会中、議長を経由して内閣に対し文書で質問することができるが、この文書を「質問主意書」と言う。質問しようとする議員は、質問内容を分かりやすくまとめた質問主意書を作り、議長に提出して承認を得る必要があり(国会法第74条)、内閣は質問主意書を受け取った日から7日以内に「答弁書」を出さなければならないことになっている。
質問主意書は国政全般について内閣の見解を求めることができるが、鋭い問題意識とそれを文書にまとめる能力が必要であり、浜田議員ならではの真骨頂と言える。浜田議員の質問主意書は、NHKの受信料に関するもの、地方自治に関するもの、社会保障費と財政に関するもの、新型コロナウイルスに関するもの、憲法第十四条とLGBT差別に関するもの、ウクライナ情勢と日本政府の北方領土を取り戻す意思に関するもの、等々、国政全般に渡り、その博識と問題意識の高さは驚異的であり、他議員の追随を許さない。
「浜田議員の質問主意書は、数を競うだけではなく、政策課題に切り込み、政府の公式見解・閣議決定を引き出す実質的なもの。官僚をただ忙しくする官僚泣かせ(雑務)ではなく、民主主義の制度を活かした役割を果たしている」との評がある。
<UC擁護の論陣>
これら浜田議員の質問主意書の中でも、特筆すべきは家庭連合(UC)に関するものである。
先ず2025年2月11日 、浜田議員は、UCの解散命令請求を巡り、トランプ米大統領の宗教顧問のポーラ・ホワイト牧師が米国務省や国連の報告書を根拠に反対意見を表明している件で、質問主意書を提出した。ちなみにホワイト氏は昨年12月8日、国際宗教自由連合(ICRF)日本委員会の講演会にビデオメッセージを送り、「日本における信教の自由について、世界中で深刻な懸念を引き起こしている」と訴え、全ての人々の宗教の自由を守るよう求めていた。
質問主意書は、米国務省の国際信仰の自由室が2022年と23年の報告書で「日本が宗教の自由を侵害しているという深刻な疑念を示した」ことや、「家庭連合が刑法に違反していないにもかかわらず、日本政府が家庭連合の解散を請求したことは、これまでの規範から逸脱している」という言葉を引用し、また、国連の24年4月の報告書で、家庭連合が「日本における不寛容、差別、迫害のキャンペーンの犠牲者になっている」と指摘していることを引用し、その上で、①信仰の自由室の報告書を確認しているか、②解散請求は憲法に規定されている信教の自由の保障に違反しているか、③マイノリティー宗教に対する宗教の自由の侵害状況を調査するために来日を希望した国連報告者の要請を政府が受け入れていないという事実を承知しているのか、などについて政府の答弁を求めた。
また浜田議員は、2024年5月17日、「家庭連合への解散命令請求手続きに関して数多くの有識者が問題視していることに関する質問主意書」を提出した。この質問主意書では、若狭勝、郷原信郎、高井康行、塚田成四郎、中山達樹ら各弁護士の見解を提示している。
即ち、若狭勝弁護士は、「解散命令申し立てに至るまでの手続が適正であるとは言えない」と述べ、検察官を除外して申し立てた点に「非常に疑問がある」と指摘した。またUCに反対してきた弁護士として知られる郷原信郎弁護士は、岸田首相が解散命令請求を出すことを検討していた時、宗教法人法81条1項1号による旧統一教会への解散命令請求は「法的要件としては極めて厳しい」との見解を述べており、「政治的な意図で利用することはやめて欲しい」と語ったという。
元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は、民事裁判を根拠にして解散命令請求をすることが可能だとの見方に対し、「旧統一教会は民事判決を受けて支払っているのであるから、むしろ、民法の規定に従っている」と述べ、不法行為責任をすでに果たし終えているとの見解を示した。元第一東京弁護士会副会長の塚田成四郎弁護士は、「民法上の不法行為はいくら多数存在しても反社会性を帯びることはなく、解散命令の根拠になりえない」と明言している。また中山達樹弁護士は「家庭連合の献金をめぐる民事裁判は約48パーセントで勝訴しており、敗訴した部分のみを取り上げて悪質性を認定するのは公平性に欠ける」と述べている。
その上で、質問主意書は、解散命令請求はその決定プロセスに重大な手続き上の瑕疵があり、申し立て自体が無効ではないかと、切り込んだのである。
また2024年5月13日の参院行政監視委員会で浜田議員は岸田首相に鋭い質問をしている。即ち、岸田文雄首相が2022年10月の参院予算委員会でUCの解散命令請求の要件に刑事上だけでなく民法上の不法行為も含まれるとしたことについて、「(内閣支持率を維持するために)無理やり解釈変更して解散命令請求を出したという多くの指摘に対して、(岸田氏から)有効な反論がなされていない」と述べた。
更に浜田議員は、宗教法人法81条1項の解散要件を解釈変更して民法も要件に入るとしたこと、反対派(全国弁連・元信者)の主張のみに耳を傾けたこと、刑事事件を起こした宗教法人(神慈秀明会・空海密教大金龍院・顕正会・法の華三法行)でさえ解散命令請求を行っていないことなどを指摘し、裁判所は解散命令をするべきではないとの意見書を出した。(中山達樹編著『家庭連合の解散命令に意義あり』グッドタイム出版(P12~16)。
こうして浜田議員はUCの解散請求の問題点を明らかし、全面的にUCを擁護した。国会議員が、評判の悪い宗教団体を擁護することは大変勇気のいることであるが、浜田議員は堂々と、冷静かつ論理的に解散請求の間違いを糺したのである。「捨てる神あれば拾う神あり」という諺があるが、国会議員の中に一人でもUCの正当性を弁証する人がいたことは、まさに天祐というしかない。
浜田議員の質問主意書を吟味しながら、筆者はアブラハムがソドムの罪の赦しを嘆願する創世記18章の場面を想起した(創世記18.23~33)。アブラハムが、神に背く背徳のソドムの救いを神に談判したあの物語である。
「 アブラハムは言った、『わが主よ、どうかお怒りにならぬよう。わたしはいま一度申します、もしそこに十人いたら』。主は言われた、『わたしはその十人のために滅ぼさないであろう』」(創世記18.32)
アブラハムはたとえ10人でも義人がいれば、その10人のためにソドムを滅ぼさないで下さいと神に嘆願したのである。筆者は、「たとえ一人でも国会に義人がいれば、日本を滅ぼさないで下さい」と祈るばかりである。まさに浜田議員とN党は神が選んだ摂理の中にある政党なのかも知れない。
以上、「NHK党」について述べた。それにしても日本のトランプを宣言する大衆的でエネルギッシュな立花党首と、理知的で冷静な浜田議員は対極にあり、面白く絶妙なコンビである。これら立花党首と浜田議員のUC擁護の論陣は、追い詰められたUCとその信徒の大きな励みである。しかし今回の参議院選挙では、N党は決して安泰ではなく、情勢は厳しいものがある。願わくば全てが神の導きの中にあるよう祈念したい。(了)
牧師・宣教師. 吉田宏