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出エジプト記 注解④ 十戒の授与 -「唯一神」と「一神教の成立」について
🔷聖書の知識73-出エジプト記注解④ 十戒の授与―「唯一神」と「一神教の成立」について 神はこのすべての言葉を語って言われた。「わたしはあなたの神、主であって、あなたをエジプトの地、奴隷の家から導き出した者である。あなたはわたしのほかに、なにものをも神としてはならない。(出エジプト記20.1~3) プロローグ 今回は、いよいよ律法の授与です。神は奴隷からイスラエルを贖い出され、紅海を渡りシナイ山の麓まで導かれました。そして神はモーセを山頂に呼ばれ、律法を与えられました。 アブラハム個人において、初めて唯一にして天地を創造された神が着地され、その神が今や民族において着地されようとしています。イスラエルが全人類を代表して、歴史上初めて明確な形で神から律法を授けられ、神と契約しました。これが十戒を初めとする民族が守っていくべき律法の規範であり、そしてこれが「シナイ契約」です。 私たちは今日、このシナイ契約が何であり、如何なる宗教的意義を持っているのかについて知らなければなりません。今回は、シナイ契約の意義、及び十戒の1戒「あなたはわたしのほかに、な


出エジプト記 注解③ 三大奇跡と十災禍、そして出エジプト - 奇跡について考える
🔷聖書の知識72-出エジプト記注解③-三大奇跡と十災禍、そして出エジプト - 奇跡について考える 私は主である。その血はあなたがたのおる家々で、あなたがたのために、しるしとなり、わたしはその血を見て、あなたがたの所を過ぎ越すであろう。この日はあなたがたに記念となり、あなたがたは主の祭としてこれを守り、代々、永久の定めとしてこれを守らなければならない 。(出エジプト12.12~14) プロローグ 前回シナイで、モーセがイスラエルの解放者として神に召されるところまで話しが進みました。これを踏まえ、いよいよモーセがエジプトに行き、イスラエルを解放するためにパロと談判することになります。そして今回の中心テーマは、「奇跡」であります。 モーセは三大奇跡と十災禍をもって出エジプトに成功し、紅海を渡ってシナイまで旅を続けることになりました。即ち、ラメセスを立ちスコテに向かい、さらに荒野の端にあるエタムに宿営します。紅海を渡り、シュルの荒野、エリムを経てシンのホレブ山の荒野に宿営しました。 以上がエジプトを立ってシナイのホレブ山麓までの旅程であります。 【モ


出エジプト記 注解② モーセの召命
🔷聖書の知識71-出エジプト記注解② モーセの召命 ときに主の使は、しばの中の炎のうちに彼に現れた。神はしばの中から彼を呼んで、「モーセよ、モーセよ」と言われた。「わたしは、あなたの先祖の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である」さあ、わたしは、あなたをパロにつかわして、わたしの民、イスラエルの人々をエジプトから導き出させよう 」(出エジプト3.2~10) プロローグ 前回、出エジプト記の時代背景やその意義などについて考え、特にユダヤの三大祭が全て出エジプト記に源泉があることから、如何にこの出来事がイスラエルに重大な意味を与えたのかを確認しました。 今回から出エジプト記の具体的な中身に入るに際して、当然のことながら『聖書』と『原理講論』が大元になる資料なのですが、その他に何冊かの関連書籍を参考にしました。 山我哲雄著『一神教の起源』『聖書時代史』、浅野順一著『モーセ』(岩波新書)、小塩力著『聖書入門』(岩波新書)、大貫隆著『聖書の読み方』(岩波新書)、河合一充著『出エジプト記の世界』(ミルトス出版)、大塚克己著『出エジプト記研究』(光


出エジプト記 注解① モーセの時代とその背景、出エジプト記の意義と全体構造
🔷聖書の知識70ー出エジプト記注解①ーモーセの時代とその背景、出エジプト記の意義と全体構造 イスラエルの人々がエジプトに住んでいた間は、四百三十年であった。四百三十年の終りとなって、ちょうどその日に、主の全軍はエジプトの国を出た。これは彼らをエジプトの国から導き出すために主が寝ずの番をされた夜であった(出エジプト記12.40~42) プロローグ 前回まで、12回に渡って創世記を学んできました。創世記には、ヘブライズムの神観、世界観、歴史観があり、 神、罪、救いという神学の基礎があり、人類歴史の雛形がありました。この創世記を踏まえて、今回からの出エジプト記では、より具体的な民族レベルでの救い(復帰)の摂理が展開されます。 出エジプト記は、奴隷からの解放の書、即ち束縛からの「贖いの書」であり、民族として始めて神と契約を結んだ「契約の書」であります。即ち、出エジプトの物語は、歴史的に起こった出来事の報告というよりは、イスラエルの民の歴史の起点を語り、その信仰の原点を伝える民族の伝承であった(月本昭男著『物語としての旧約聖書』NHK出版P172)。そ


創世記 注解⑫ ヤコブ一家エジプトに下る、ヨセフとの邂逅物語
🔷聖書の知識69ー創世記注解⑫ーヤコブ一家エジプトに下る、ヨセフとの邂逅物語 しかしわたしをここに売ったのを嘆くことも、悔むこともいりません。神は命を救うために、あなたがたよりさきにわたしをつかわされたのです。 (創45.5) プロローグ 今回は、ヨセフ物語の大円団であり、従って創世記注解の最終回になります。ヤコブもヨセフも、それぞれ「21年に渡る僕の苦労」や「牢獄の試練」を通過してはじめて、エソウや兄たちを屈伏できる条件を立てることができました。サタンの讒訴があるので、摂理的中心人物は先ず打たれて天使長圏を屈伏させる道を通った後、アベルの位置を復帰するという原則があるという訳です。ヨブもまた同じでした。サタンはヨブを讒訴しましたので、神はやむを得ずヨブに試練を与えられました(ヨブ記1.6~12)。文鮮明先生も、「神側は打たれて復帰し、サタンは打って滅びる」(天聖経)と言われました。 ヨセフは、兄たちにエジプトに売られ、侍従長に仕え、牢獄生活を経た後、神に引き上げられて、一介の異国人が総理大臣にまで登りつめました。田中角栄も顔負けです。...


創世記 注解⑪ ヨセフ物語-夢見るヨセフ、エジプトの総理大臣になる
🔷聖書の知識68ー創世記注解⑪ーヨセフ物語 -夢見るヨセフ、エジプトの総理大事になる われわれは神の霊をもつこのような人を、ほかに見いだし得よう か(創41.38) いよいよ、ヤコブの11番目の息子で、やっとのことでラケルが産んだ「ヨセフの物語」が始まります。創世記37章から始まり、途中38章にユダとタマルの逸話が挿入句のようにはいりますが、再び39章から50章までヨセフを中心に展開されます。 ヨセフは兄たちの嫉妬を買い、エジプトに売られていきましたが、神の手厚い庇護の下で、遂にエジプトの総理大臣まで登りつめることになります。飢饉でエジプトに下ったヤコブ一家は、そこでヨセフと歴史的な邂逅を遂げることになりました。こうしてヤコブ一家はエジプトで部族を形成し、メシアを迎えるための民族となっていきます。 【ヨセフ物語】 ヨセフ物語は創世記37章から始まります。 <ヨセフ、兄たちの嫉妬を買う> ヨセフは年寄り子でしたから、イスラエル(ヤコブ)は他のどの子よりも彼を愛して、彼のために「長袖の着物」を作りました。当時、長袖の着物は、跡取りの長子に着せるも


創世記 注解⑩ デナ事件及びユダとタマル
🔷聖書の知識67--創世記注解⑩--デナ事件及びユダとタマル さて彼女の出産の時がきたが、胎内には、ふたごがあった。 出産の時に、ひとりの子が手を出したので、産婆は、『これがさきに出た』と言い、緋の糸を取って、その手に結んだ。 そして、その子が手をひっこめると、その弟が出たので、『どうしてあなたは自分で破って出るのか』と言った。これによって名はペレヅと呼ばれた。 その後、手に緋の糸のある兄が出たので、名はゼラと呼ばれた(創38.27~30) プロローグ ヤコブがエソウと別れて、スコテからカナンを経てシケムに進み、その後ベテルに到着します。ベテルで神の祝福を受け、イスラエルの称号を得ることになりました。その間、シケムでデナ事件が起こります。 そうして創世記37章からいわゆるヨセフ物語が始まり、ヨセフが兄弟に妬まれエジプトに売られていくことになりますが、38章に突如ユダとタマルの話が出てきます。このユダとタマルの物語こそ聖書最大の奥義の一つといわれる箇所であります。以下、デナ事件の真相、ヨセフの受難、そしてタマルとユダについて考察していきたいと思い


創世記 注解⑨ ヤコブのハランでの21年、レアとラケルの争い、エソウとヤコブの和解
🔷聖書の知識66--創世記注解⑨-ヤコブのハランでの21年、レアとラケルの争い、エソウとヤコブの和解 するとエサウは走ってきて迎え、彼を抱き、そのくびをかかえて口づけし、共に泣いた。 (創世記33.4) プロローグ ヤコブがエソウを欺いてイサクから長子の祝福を受け、実体基...


創世記 注解⑧ 双子(エソウ・ヤコブ)の誕生からヤコブがラケルに出会うまで
🔷聖書の知識65 創世記注解⑧ 双子(エソウ・ヤコブ)の誕生からヤコブがラケルに出会うまで 一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。 時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の...


創世記 注解⑦ アブラハムからイサクへ-リベカ双子(エソウとヤコブ)を産む
🔷聖書の知識64ー創世記注解⑦ーアブラハムからイサクへ-リベカ双子(エソウとヤコブ)を産む 主は彼女に言われた、「二つの国民があなたの胎内にあり、二つの民があなたの腹から別れて出る。一つの民は他の民よりも強く、兄は弟に仕えるであろう」(創世記25.23) プロローグ...


創世記 注解⑥ 三種の供え物とイサク献祭
🔷聖書の知識63-創世記注解⑥-三種の供え物とイサク献祭 み使が言った、「わらべを手にかけてはならない。また何も彼にしてはならない。あなたの子、あなたのひとり子をさえ、わたしのために惜しまないので、あなたが神を恐れる者であることをわたしは今知った 」(創世記22.12)...


聖書の知識62 創世記 注解⑤ アブラハムの召命
🔷 聖書の知識62 創世記 注解⑤ アブラハムの召命 時に主はアブラムに言われた、「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい。わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。あなた...


創世記 註解④ ノア契約 - 聖書における契約思想について
🔷聖書の知識61-創世記注解④-ノア契約 - 聖書における契約思想について そして神はノアに言われた、「これがわたしと地にあるすべて肉なるものとの間に、わたしが立てた契約のしるし(虹)である」(創世記9.17) プロローグ...


創世記 註解③ カインの末裔とセツの流れ、ノアの洪水物語
🔷聖書の知識60-創世記注解(3)-カインの末裔とセツの流れ、ノアの洪水物語 彼はぶどう酒を飲んで酔い、天幕の中で裸になっていた。 カナンの父ハムは父の裸を見て、外にいるふたりの兄弟に告げた。 (創世記9.21~22) ...


創世記 註解② 創世記4章の解釈- 歴史の二流
🔷聖書の知識59-創世記註解(②-創世記4章の解釈-歴史の二流 カインは弟アベルに言った、「さあ、野原へ行こう」。彼らが野にいたとき、カインは弟アベルに立ちかかって、これを殺した。 (創世記4.8) プロローグ 創世記には、キリスト神学の骨格である「神・罪・救い」の三要...


創世記 註解① 罪の根源 創世記3章の解釈について
🔷聖書の知識58-創世記註解①-罪の根源―創世記3章の解釈について 女がその木を見ると、それは食べるに良く、目には美しく、賢くなるには好ましいと思われたから、その実を取って食べ、また共にいた夫にも与えたので、彼も食べた 。(創世記3.6)...


創世記1章の注解 神について⑥ 神認識及び神体験について
🔷聖書の知識57-創世記1章の注解 神について⑥ 神認識及び神体験について あなたがたのからだは、あなたがたのうちにおられる、神から受けた聖霊の宮である。 (1コリント6.19) 前回、UC創始者が語られた「神の知られざる姿」を発信したところ、やはり関心が深く、かなり...


創世記1章の注解 神について⑤ 新しい神の姿 原理の神の特質につい
🔷聖書の知識56-創世記1章の注解 神について⑤-新しい神の姿ー原理の神の特質について すると、長老のひとりがわたしに言った、「泣くな。見よ、ユダ族のしし、ダビデの若枝であるかたが、勝利を得たので、その巻物を開き七つの封印を解くことができる」 (黙示録5.5) ...


創世記1章 神についての考察④ 創世記の全体像と奥義-人類歴史の予型、血統転換の奥義
🔷聖書の知識55-創世記1章 神についての考察④-創世記の全体像と奥義-人類歴史の予型、血統転換の奥義 はじめに神は天と地とを創造された。 (創世記1.1) 上記創世記1章1節の聖句は、かの新島譲の回心聖句です。彼はこの一句でクリスチャンになることを決断しました。この...


創世記1章 神についての考察③ 偶像崇拝とは何か
🔷聖書の知識54--創世記1章 神についての考察③ 偶像崇拝とは何か あなたは自分のために、刻んだ像を造ってはならない。上は天にあるもの、下は地にあるもの、また地の下の水のなかにあるものの、どんな形をも造ってはならない。 (出エジプト20.4) プロローグ ...


創世記1章 神についての考察② 聖書の神と一神教の成立
🔷聖書の知識53-創世記1章 神についての考察② 聖書の神と一神教の成立 わたしは主である。わたしのほかに神はない、ひとりもない。光をつくり、暗きを創造し、繁栄をつくり、わざわいを創造する者 (イザヤ45.5~7) プロローグ ...


創世記1章 神についての考察①-宗教の類型
🔷聖書の知識52-創世記1章 神についての考察①- 宗教の類型 はじめに神は天と地を創造された(創世記1.1) 天地創造・アダムの創造 (ミケランジェロ画) 今回から創世記の世界とその論点を解説していきます。前回までキリスト教の神観であるキリスト論、三位一体論を考察し...


論点 三位一体論の考察-最大の異端論争
🔷聖書の知識51 論点 三位一体論の考察-最大の異端論争 あなたがたは行って、父と子と聖霊との名によって、彼らにバプテスマを施し なさい(マタイ28.19) 今回考察する「三位一体論」は、古代教父時代において、最も激しい異端との戦いの中で確立されていったキリスト教の神...


論点 イエス・キリストはなぜ神になったか?
🔷聖書の知識50-論点 イエス・キリストは何故神になったか 私たちは、見えるものも見えないものも含め、すべてのものの創造主である全能の父なる唯一の神を信じます。又、唯一の主イエス・キリストを信じます、神の御子は父から生まれ、父の本質からのみ生まれたのです。神よりの神、光よりの光、真の神よりの真の神、造られたのではなく生まれた者、父と同一の存在である者、彼によって、天にあるものも地にあるものも、すべてのものが造られました。主は私たち人間のため、また私たちの救いのために降りて来られ、受肉され、人となりました。彼は苦しみを受け、三日目に復活しました。そして天に昇りました。そして、生者と死者を裁くために再び来られます。又、私たちは聖霊を信じます。(325年 ニケーヤ信条) プロローグ キリスト論とは、「イエス・キリストは誰か」という問題、端的に言えばイエスが神(神性)か人(人性)か、はたまたその双方かというイエスの存在論的な本質やその位格について論じる神学と言えます。そしてこれらは、三位一体論と密接に関連するものです。 キリスト教の歴史の中で、三
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